遅ればせながら、新年あけましておめでとうございます。
今年は、いきなり年始から難しい相場になることを予見させるようなスタートになっていますが、今年も、少しでもお役にたてるような「マーケットの気付き」を書いてみたいと思いますので、今年も、どうぞよろしくお願いいたします。
1月7日(金) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり853/値下がり1218
騰落レシオ(25日) 104.84%
空売り比率 47.8%
売買代金 東証一部 3兆0128億円
マザーズ 1611億円
業種
個別
米国長期金利上昇を背景に三菱UFJ(8306)が3%を超える上昇になり、昨年来高値を更新しています。
金融株を物色する流れが地銀株にも広がりコンコルディア・ファイナンシャルグループ(7186)や千葉銀行(8331)なども大幅高になっています。
原油価格が上昇基調を強めてきたことから、INPEX(1605)や出光興産(5019)などが物色されています。
沖縄でコロナ感染者が急増したことを材料に川本産業(3604)や中京医薬品(4558)がストップ高まで買われ、重松製作所(7980)も11%を超える急騰になっています。(マスクは余っているのに・・・)
外出自粛傾向が強まるとの見方からオイシックス(3182)や出前館(2484)が急伸しています。
業績面で好材料が確認された銘柄は買いが殺到していて、ネクステージ(3186)や、以前このブログでも紹介した連続増配のロードスターキャピタル(3482)などが急騰しています。
反面、日本電産(6594)やレーザーテック(6920)などハイテク株が軟調になり、キーエンス(6861)も連日の大幅下落になっています。
コロナ感染拡大が警戒されてJR東日本(9020)や小田急電鉄(9007)など鉄道株が軒並み下落していて、化粧品需要が減退する見方から、ファンケル(4921)やコーセー(4922)、花王(4452)なども大幅安になっています。
2020年5月以来の安値を更新したマザーズ市場では不安定な状態が続いていて、アジアクエスト(4261)やセキュア(4264)、フレクト(4414)など直近IPOの多くが三連休前に売り込まれています。
マザーズ売買代金トップのFRONTEO(2158)も上昇からスタートしたものの買いが続かず6%を超える下落になっています。
日経平均は小幅続落!
始まりこそ、買い先行でスタートしたものの、200日線(28814円)で頭を押さえられ、終値ベースでは、25日線(28599円)も下回っています。
MACDも週明けデッドクロスする可能性があり、ヒストグラムもマイナス転換するかどうか、ギリギリのところです。
海外ファンドの先物手口を見ると、日経先物を鬼売りしているゴールドマンが買戻しの動きを見せています。
1/7はチャートも下ヒゲをつけて、底堅さも感じられましたが、この動きにはゴールドマンの買戻しの影響もあったと思います。
そのくせ、ゴールドマンはCALL29500円を2550枚も売り建てしています。そしてTOPIX先物は15898枚も売り越ししています。
おそらく、29500円以上にはしたくないため29000円を回復しそうな場面では売り崩してくるはずです。
動きがでるのはSQ通過後かもしれませんが、1/12には米消費者物価指数の発表もありますし、オミクロン感染者急増も話題になっています。
マーケットは、ボラタイルな動きになることも想定され、思わぬ下落があってもおかしくないことは頭にいれておいたほうがよさそうです。
さて、1/7はマザーズ指数は自律反発しましたが、すでに2020年5月以来の安値を更新し上値が重い動きです。
目先は2020年3月安値を起点とした61.8%戻しの850ポイントが重要なサポートレベルになっていて、このレベルを維持できれば、長期の上昇相場は継続ということになりますが、割り込むことになると全値戻しの下落があってもおかしくないと思われます。
松井証券のマザーズ信用評価損率は-31%を記録しています。
通常-20%を超えてくれば追証が発生するといわれています。
ところが、連日異常な評価損率が続くわりに、マザーズの信用買い残は減少していないようです。
これは、上記のように、信用担保を現金にすることにより、追証を回避する動きがでていることが考えられます。
その分、信用の整理が進んでおらず、反発につながっていないと推測されます。
上記はネットバブル崩壊時のナスダックと現在のARKイノベーションを重ね合わせたチャートですが、ほぼ同じ動きをしていることがわかります。
米国では、金利上昇の動きから、グロース株→バリュー株
小形株→大型株 低収益企業→高収益企業と「質による選別」が急速に進んでいます。
1/7に発表になったマザーズ投資家別売買動向によると、11月から海外投資家の売り越し累計額が700億円をこえています。
ヘッジファンドはSaaS銘柄を中心に米赤字ハイテク株と割高ハイテク株のリスクを低下させており、日本のマザーズについても同様の措置をとっていることが考えられます。
そして、これらの動きは、いまだ継続されています。
それでは、大型株のバリュー株にシフトすればいいのでしょうか?
なかなか、そうとも言えないのが、今年の難しい相場です。
上記は大型株で構成されるTOPIX コア30の動きですが、直近高値圏でアイランドリバーサルを形成していることがわかります。
アイランドリバーサルは相場の転換点として注目されますが、TOPIXコア30においても、当面の高値を付けたとみることができます。
先のゴールドマンが日経先物を買い戻しするも、TOPIX先物は大量のショートポジションを保有しているのも不気味です。
バリュー株といえども高値追いの買いには慎重になるべきと思います。
今年は金融相場から業績相場への移行の時期であり、投資家にとっては、非常に難しい相場になりそうです。
株主優待で生活していることで有名な桐谷氏の投資術のように『株主優待+配当』の合計利回りが4%を超える銘柄に絞り込み、指値をいれておき、年に2~3度の相場急落場面でのみ買い付けるという方法は有効かもしれません。
マザーズ市場は一方通行になる傾向があり、下落トレンドのうちは、いい銘柄も悪い銘柄も下落する傾向があります。
新興株の投資を狙うなら、13週線の傾きが上向きに変わったのを確認してから投資するというスタイルもありと思います。