8月10日(水)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄874/値下がり銘柄896
騰落レシオ(25日)117.79%
空売り比率 43.4%
売買代金
東証プライム 2兆5809億円
東証スタンダード 990億円
東証グロース 1003億円
【恐怖指数】
VIX指数が4月以来の20割れまで下落しています。
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理|ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
主力どころではソフトバンクG(9984)やトヨタ(7203)、三菱UFJ(8306)などが小幅ながら、しっかりの動きになっています。
中国のロックダウンで、1Qの営業益は赤字ながら、2Q以降は生産が通常レベルに回復する見通しを発表したマツダ(7261)が年初来高値を更新しています。
米国の住宅事業と不動産事業が好調で、最終益見通しを860億円→1000億円 配当も80円→125円に増配(配当利回り6%)することが発表された住友林業(1911)が急騰しています。
今期見通しの上方修正を発表した横浜ゴム(5101)が大幅高になり、上方修正と増配を発表したロート製薬(4527)も大きく買われています。
上方修正を発表した栄電子(7567)、1Qの利益が上期計画を超過した和弘食品(2813)、バドミントン用具需要回復で今期大幅増額修正のヨネックス(7906)、1Q経常益が上半期計画を超過した新田ゼラチン(4799)などがストップ高まで買われています。
反面、エヌビディアやマイクロンのネガティブなニュースから、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)など半導体関連が軒並み売り込まれています。
ファーストリテイリング(9983)やキーエンス(6861)など値嵩株の一角も売り込まれ、メルカリ(4385)やダブルスコープ(6619)も大幅安になっています。
1Qの経常は黒字転換になるも、前四半期からは大幅減益になる青山商事(8219)、1Qがコンセンサスを下振れしたタカラトミー(7867)、赤字縮小も、資産売却によるものが多い藤田観光(9722)などが急落になっています。
kabutan.jp
今期営業赤字になることを発表した日本電解(5759)、大幅下方修正を発表したメドピア(6095)がストップ安まで売り込まれています。
kabutan.jp
業績上方修正と増配発表をするも、前日大幅高になっていたこともあり、材料出尽くしとみなされたOATアグリオ(4979)が15%を超える急落になっています。
【テクニカル分析】
日経平均は続落!
5日線(28035円)を明確に割り込み、パラボリック(27814円)も陰転。MACDのデッドクロス間際で厳しいチャートになってきています。
米株高を受けて、ナイトセッションの日経先物は大幅高で帰ってきています。
週末値がこの水準を維持できれば、再び5日線を超えることになり、日経平均も土俵際で踏みとどまることになりますが、SQを通過し流れが変わる可能性も十分あると思います。
週足では、今週52週線(27810円)を、なんとかキープしていますが、明日の確定値でも維持できるかが注目になると思います。
【本日のトピック】
さて、注目された7月CPI(消費者物価指数)の結果ですが、前年同月比8.5%上昇と、市場予想(8.7%)を下回りました。
6月実績(9.1%)からも鈍化し、コア(除く食品・エネルギー)も5.9%と市場予想(6.1%)を下回りました。
6月以降ガソリン価格や航空料金が大きく値下がり、中古車価格も前月比で下落に転じています。
急速な利上げへの警戒感が和らぎ、2年債など金利が低下しています。
為替も132円台まで円高になりました。
米株はリスクオンになり反発しています。
特にナスダックは3%近い上昇になっています。
雇用統計発表時は、9月のFOMCは0.75%の利上げが優勢になっていましたが、CPI発表後は0.5%の利上げが優勢に転じています。
9月に0.5%の利上げ、11月~12月に計0.5%利上げ
年内3.5%程度の利上げをおこない、来年中ごろには利下げに転じるとの見方が浮上しています。
www.bloomberg.co.jp
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、7月CPIの鈍化を歓迎しながらも、「勝利を宣言するには程遠い」と発言し、金利の誘導目標について、年末まで3.9%、2023年末まで4.4%への上昇を見込むとしています。
シカゴ連銀のエバンス総裁も、インフレ率は「容認できないほど高い」とコメントし、金利について年内3.25%~3.5%、2023年末まで3.75%~4%を見込んでいるとしています。
つまり、両総裁共に、早期の利下げは否定しています。
私も今回のCPIの結果での株式市場の反応は楽観すぎるのではないかと思います。
ここもとの原油価格の下落からも、今回のCPI鈍化は、ある程度予測できましたし、前回の雇用統計で賃金インフレは簡単に収まらないということがはっきりしたからです。
現状は物価は収まりながらも、賃金が上昇していくという、過去にあまりない形になっていますので、予測はむずかしいのかもしれませんが、株価が上昇してくればインフレを増長させる要因になりますので、FRBも警戒してくると思います。
9月のFOMCまで、もう一度、雇用統計もCPIも発表があります。
結局、それらの結果で市場も、まだまだ振り回される可能性もあると思います。
さしあたって、8/25~27のジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演が注目されるところです。