9月16日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄551/値下がり銘柄1233
騰落レシオ(25日)90.21%
空売り比率 41.2%
売買代金
東証プライム 3兆4047億円
東証スタンダード 1144億円
東証グロース 1648億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数 - 投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
米金利上昇を受けて、東京海上(8766)や第一生命(8750)などの保険株、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)など銀行株が逆行高になっています。
地銀株が全面高になり、ふくおかフィナシャルグループ(8354)や滋賀銀行(8366)、北國フィナンシャルホールディングス(7381)などが大幅上昇になり、いよぎんHDの設立認可を取得したと発表した伊予銀行(8385)は8%を超える上昇になっています。
景気敏感株が売られる中、ディフェンシブ株が物色され、マルハニチロ(1333)や明治ホールディングス(2269)、小野薬品工業(4528)など食品株や医薬品株の一角が逆行高になっています。
電力株も総じて買われ、関西電力(9503)や九州電力(9508)、電源開発(9513)などがしっかりの動きになっています。
大型案件の成約好調で今期業績予想の大幅上方修正を発表したM&Aキャピタルパートナーズ(6080)が一時ストップ高になるまで急伸しています。
前日に決算を材料にストップ高比例配分となったANYCOLOR(5032)が本日も買いを集めてストップ高になり上場来高値を更新しています。
8月の月次が好調となったスノーピーク(7816)が4日ぶりに大幅反発になっています。
反面、日経新聞に半導体製造装置の業績悪化懸念が掲載されたことから、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)、SCREEN(7735)など半導体関連が総崩れになっています。
米金利上昇を受けて、キーエンス(6861)や任天堂(7974)、SMC(6273)など値がさグロース株が売られ、川崎汽船(9107)や商船三井(9104)など海運株も全面安になっています。
法人向け新ウェブサイトの立ち上げ費用増等で、営業減益になったアスクル(2678)が12%を超える下落になっています。
通期最終損益の下方修正と減配を発表したムトー精工(7927)が急落しています。
連結子会社の韓国コスダック上場に関して、公募価格が当初の想定を下回る見通しにあることが、韓国メディアで報道されていて売りが殺到したダブル・スコープ(6619)がストップ安まで売り込まれています。
全市場売買代金1位の大商いで、発行株式数と同規模の5500万株をやってのストップ安なのですが、信用買い残が整理されるどころか、110万株ほど買い残が増加しています。(投げではなくて、ナンピン祭りだった?)
PTSでは、すでにストップ安近くまで売り込まれていて、20日の相場でもストップ安になる可能性が高いと思います。
Twitterのカリスマトレーダーのツイートを見ながら、2階建てのフルレバで取引していた人も多くいた様子で、20日は強制売却させられる人も多数いるようです。
(ネットバブル崩壊時の光通信を知っている私には信じられない!)
寄れば、デイトレ命の人たちが買い上がる可能性もありますが、信用買い残が調整される形で、下落が継続する可能性もあります。
最悪、ダブルスコープの株価が一定の水準を下回れば、逆ザヤになり子会社の株を買う理由がなくなり、上場が中止される可能性もあると思います。(そもそもWCP側が出している公募価格の算出ロジックがおかしいと見る向きもあります。)
長期では妙味があるのかもしれませんが、買いを狙うとしても、信用買い残の状況と韓国の報道をチェックしながら、慎重に対応したほうがいいと思います。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反落!
大幅ギャップダウンからスタートしパラボリックも陰転しています。
75日線(27517円)を下値支持線として反発できるかが注目ですが、割り込むことになれば、200日線(27412円)、9/7安値(27268円)が節目になります。
いまだ、米株離れが出来ていない日本市場ですが、ようやく周回遅れで、金融や不動産、旅行、小売りなどに物色される兆しが見えます。
FOMCに向けて、警戒が高まる可能性がありますが、節目を守り底固めができれば、日本株のターンが始まるかもしれません。
【本日のトピック】
さて、FRBも注目するミシガン大消費者信頼感指数の9月速報値が発表になり、4月以来の高水準になる59.5に上昇しました。(予想60)
長期インフレ期待は、ここ1年でもっとも低い水準になり、期待インフレ率が、やや低下しています。
その結果、9月の利上げは0.75%が優勢になり、1.00%の可能性はやや低下しています。
エコノミストのコンセンサスも、9月FOMCは0.75%の利上げになっています。
ブラックアウト期間で、FRB高官のコメントなどは、ありませんが、これまでも、FRBが市場に事前に織り込ませたい意向があるときは、WSJのニック記者がリークする形で報道されることがありました。
恐らく、本日まで、何のアクションもないということは、0.75%の利上げの可能性が高いということだと思います。
そして、FOMCが過ぎれば、マーケットの懸念は完全に利上げからリセッションに移ります。
16日の米市場は、ミシガン大消費者信頼感指数の発表で、いくぶんか持ち直しましたが、マイナスの要因はフェデックスの景気悪化を理由とした通期利益見通しの撤回にあると言われています。
FOMCが0.75%の利上げになれば、若干米株も持ち直すかもしれませんが、すでに織り込み済みとみるべきでしょう。
私個人的には、むしろ1.00%の利上げのほうが望ましいのではないかと思います。
もちろん1.00%の利上げになれば、一時的にマーケットは下落すると思いますが、早期にインフレを沈静化させることにつながります。
インフレさえ沈静化すれば、パウエル議長も経済立て直しと大統領選挙対策で金融緩和再開に動くでしょう。
案外、1.00%の利上げにしたほうが、金融緩和期待で、マーケットもしっかりするかもしれません。
金融引き締め期間が長期化すれば、QTの回収期間の長期化につながります。
QTが長期化すれば、世界中に拡がったドル資産の逆流が加速し、新興国の破綻と膨大な不良債権により世界的な不況につながっていくと思います。
現状S&P500は、リーマンショックの2008年と同じ軌跡を歩んでいるとみる向きもありますが、FRBは極めて難しい選択を迫られているということでしょう。
そして、いずれは金融引き締めに転換しなければいけない日銀にもFRB以上の難題が待っているということは頭に入れておいたほうがいいかもしれません。