11月10日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄620/値下がり銘柄1141
騰落レシオ(25日)98.90%
空売り比率 43.9%
売買代金
東証プライム 3兆0812億円
東証スタンダード 821億円
東証グロース 1241億円
【恐怖指数】
Greed→Neutralに移行しました。
恐怖と貪欲指数:投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
モーターサイクル&エンジン事業の拡販、航空宇宙システム事業の回復、円安効果が奏功し、今期最終益を320億円→450億円に上方修正した川崎重工(7012)が5%を超える大幅上昇になっています。
配当性向は30%を基準としていて、年間配当を50円→70円に増配しています。
川崎重工(7012)はIHI(7013)や三菱重工(7011)と共に防衛関連としてマークすべき銘柄です。
米国を中心とした海外受注高の増加等で今期最終益を850億円→1000億円に上方修正した鹿島建設(1812)が7%近い上昇になっています。
また、発行株式総数の1.8%にあたる900万株(取得総額100億円を上限)の自社株買いを行うことも発表しています。
不動産検索サイト「HOME’S」を運営するLIFULL(2120)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
営業損益が16億8100万(前期66億4400万の赤字)と急回復しているのが好感されたようですが、決算短信を見ると、コスト抑制と子会社売却益が要因で、依然、本業は苦戦していることがわかります。
しかしながら、10億円を上限に500万株(発行株式総数の3.79%相当)の自社株買いを発表し、未定としていた配当も年間2.25円実施することを発表しています。
成長性より株主還元が評価された側面がありますので株価上昇が継続するかは疑問です。
半導体装置のシリコンウエハーの再生加工を手掛けるRS Technologies(3445)がストップ高まで急伸しています。
同社は、中国子会社の「GRITEK」が上海証券取引所に上場したことを公表しています。
GRITEK株の初値は公募価格9.91RMB(人民元)を大きく上回る20RMBとなり時価総額は日本円で5000億円を超えています。
同社の時価総額は本日で1153億円くらいであり、同社の持ち分を考慮すれば割安との見方もあります。
同社は明日3Q決算発表を迎えますが、決算と共に株価動向も注目されます。
反面、暗号資産交換業者大手FTXへの出資金が回収不可能になるとの観測が報じられたソフトバンクG(9984)が大幅安になっています。
同社は明日が決算発表になり、新たな自社株買いがあるかも含めて注目されます。
住友ゴム(5110)が13%近い急落になっています。
米国での競争激化、在庫増による一時的な生産停止による原価率の上昇が原因で、通期営業利益を280億円→90億円に大幅下方修正しています。
年間配当も10円減配の35円に見直しています。
同社の決算を受けて、同業のブリヂストン(5108)、横浜ゴム(5101)、TOYO TIRE(5105)も大幅安になっています。
しかしながら、SMBC日興証券は同社特有の製品ポジショニングや生産体制に起因するものであり、必ずしも同業者に同様の傾向があるわけではないと分析しています。
実際、引け後決算発表を行なったブリヂストン(5108)は通期業績の上方修正を発表しています。
住友ゴム(5110)特有の問題と考えたほうがよさそうです。
広告・看板向けの大型プリンター製造を手掛けるミマキエンジニアリング(6638)が10%近い急落になっています。
通期経常利益を上方修正するも、コンセンサスから大きくかけ離れた結果に留まり失望売りを呼んだようです。
しかしながら、この決算をうけて、いちよし証券は投資判断「A」継続 目標株価を1500円→1600円に引き上げています。
いちよし証券は同社の通期見通しの前提が保守的すぎると見ているようです。
明日以降見直し買いが入るか注目です。
【テクニカル分析】
日経平均は続落!
大幅ギャップダウンからスタートし、下値抵抗線として期待していた75日線(27619円)、5日線(27552円)を下抜けています。
現状のままであれば、下値切り上げになっていて、再度上値トライがあってもおかしくない水準ですが、これ以上、下振れて25日線(27182円)、200日線(27148円)を下回る動きになればトレンドが変わる可能性があります。
まもなく発表になる米CPI(消費者物価指数)しだいと思われます。
【本日のトピック】
フジクラ(5803)
さて、本日は昨日決算を発表して、ストップ高になったフジクラ(5803)を紹介します。
通期営業利益を従来予想の500億円→685億円 前期比78.9%増まで上方修正しています。
コンセンサスは510億円程度でしたので、ポジティブサプライズであったことがわかります。
特に、売上と営業利益の伸びが凄まじく、クオーター決算を見ると伸びが加速していることがわかります。
決算短信を見ると、
・情報通信事業部門では、データセンタ、FTTx向け需要が高いこと
・エレクトロニクス事業部門では、スマートフォン向け需要が旺盛であったこと
があげられています。
FTTxとは光信号と電気信号の分界点の場所に対応するソリューションで光ファイバーが使われるものです。
スマートフォン向けに好調だったのは、FPC(フレキシブルプリント基板)であり、小型化・高密度実装に欠かせない柔軟性のある回路基板です。
今回、驚いたのはスマートフォン向けが好調であるというところです。
ご存じの通り、アップルや半導体企業の決算を見ると、総じてスマートフォンは苦戦していて、中国のロックダウン等も影響し、アップルはiPhoneの減産を余儀なくされています。
ウォーレン・バフェットが
「波が引いた時に誰が救命胴衣をつけていたかわかる」
と言っていますが、
市況が好調な時は、儲かって当たり前なのですが、市況が不況な時に儲かるのは、「その会社が業界で欠かすことのできない技術をもっている」ことを意味します。
恐らく、フジクラのFPCは「スマートフォン業界に欠かすことのできない技術」なのでしょう。
株式市場は、こうした「唯一無二」のような材料に激しく反応します。
本日、ストップ高になり、4年ぶりの高値を抜いてきていますが、まだなおPERは8.3倍 PBRは1.07倍程度です。
中期経営計画では、将来的に、昨日のブログで紹介した「IWON構想」にも絡んでいくようです。
モルガンスタンレーは投資判断を強気(Overweight)、目標株価を1400円に設定しています。
タイミングを見て仕込むのは面白い銘柄と思います。