12月1日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄621/値下がり銘柄1150
騰落レシオ(25日)111.91%
空売り比率 41.2%
売買代金
東証プライム 3兆1404億円
東証スタンダード 938億円
東証グロース 1827億円
【恐怖指数】
Fear & Greed Indexが高値を取ってきました!(後述)
恐怖と貪欲指数:投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
米SOX指数の高騰を受けて、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)など主力半導体関連が大幅高になっています。
エーザイ(4523)
9775円 +443円(+4.75%)
エーザイ(4523)が年初来高値を更新しています。
同社はアルツハイマー治療薬「レカネマブ」の第3相試験の結果を発表し、症状を抑制する効果があったことを発表しています。
野村証券は「レカネマブ」の開発成功確率が上昇したとして目標株価を12000円→13500円に引き上げています。
同社株は、一昨日、2例目の死亡が報告されたことから、大きく売り込まれましたが、早くも下落分を取り戻したことになります。
JTOWER(4485)
7570円 +940円(+14.18%)
同社は三菱UFJ銀行と屋外タワーシェアリングの推進を目的とした業務提携契約を締結したと発表しています。
これによりカーブアウト鉄塔における資産価値向上策の検討や資金調達において連携していく方針としています。
更に、複数の金融機関とNTTドコモからの「通信鉄塔カーブアウトプロジェクト」に必要な資金調達契約を締結することを決定したとも報じています。
懸念されていた公募増資による資金調達が遠のいたことも買い安心感につながっているようです。
エヌ・ピー・シー(6255)
577円 +80円(+16.10%) S高
同社の22年有価証券報告書によれば、取引先に新たに米テスラが出てきたことが材料視されているようです。
テスラは2016年にソーラーシティを買収し、太陽光事業に参入しています。
今期以降もテスラとの取引が継続される思惑で、見直し買いが入っているようすです。
住石ホールディングス(1514)
256円 +2円(+0.79%)
引け後、著名投資家の井村俊哉氏が、同社株を7.65%保有していることが判明しています。
PTSでは、さっそくストップ高まで買われています。
井村氏は11/24に175万株を一気に買ったようです。
5%ルールで大株主に名前が公表されれば、イナゴが飛びつくことも想定しての買いかもしれません。
ウェルプレイド・ライゼスト(9565)
7200円 S高
カヤック(3904)
1445円 +65円(+4.71%)
ウェルプレイド・ライゼスト(9565)が上場2日目に初値が付き、その後ストップ高になっています。
同社はeスポーツ事業専業企業として、初の業界上場となり、小型IPOということもあり人気化したようです。
公募価格1170円が初値は5倍以上の6200円でスタートし、すぐさまストップ高買い気配で張り付いています。
同社株がストップ高で張り付くと、親会社のカヤック(3904)も大きく買われる動きになりました。
次のIPOは13日上場で日柄があるため、明日も人気化することになりそうです。
反面、米長期国債利回りが大きく下落したため、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)、みずほFG(8411)のメガバンクが売り込まれ、八十二銀行(8359)や福岡FG(8354)など、ほとんどの地銀株が全面安になっています。
為替も円高がすすんだことから、トヨタ(7203)やSUBARU(7270)、マツダ(7261)など自動車株が軟調になっています。
政府はタワーマンションを活用した相続税の過度な節税を防ぐ検討に入ったと報じられたことから、三井不動産(8801)や住友不動産(8830)、三菱地所(8802)など不動産株が軟調になっています。
また、在宅勤務の定着で、オフィス賃料が下落してきたことも懸念材料として取り上げられています。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反発!
ギャップアップからスタートし、心理的な節目の28000円、下落に転じている5日線(28133円)を上抜いてきています。
しかしながら、東証プライム市場では値下り銘柄数が値上がり銘柄数より、はるかに多く、ローソク足もうわヒゲの陰線になっています。
上昇トレンドが継続されるためには、直近11/24の高値(28052.29円)を早期に上抜く必要があり、仮に調整がはいっても、上昇する25日線(27830円)まででは下げ止まる動きになることが条件になります。
物色対象もバリュー株よりグロース株が物色される動きを作れるかがポイントになると思います。
【本日のトピック】
さて、ご存じの通り、12/1の米国市場はパウエル議長の講演を受けて、大幅上昇になりました。
パウエル議長の講演内容は、これまでFRB高官らがアナウンスしてきたことと、おおむね同じ内容でサプライズはなかったと思います。
事前にタカ派発言を警戒して、米市場も調整していたところだったので、思ったよりハト派であったと好感されたところはあるのでしょう。
昨日はJOLT求人労働移動調査も発表になり、予想より低い結果となりました。
この指標は求人動向推移を計測したもので、企業は求人をかけて雇用するという順序をたどるため雇用の勢い、方向性をはかる先行指標となるものです。
パウエル議長もJOLTは重要視していて、昨日のハト派発言の裏にはJOLTが鈍化していたということも影響していたものと思われます。
もちろん、インフレがどうなるかは結論がでているわけではありませんが、人手不足→賃金上昇→消費拡大→物価高騰という流れに歯止めがかかる可能性はでてきたものと思われます。
毎日、掲載しているFear&Greed IndeXは70をつけてきました。
この水準は1/4の68以来の高さです。
前回は1/4の68で天井を打ってからNYダウは下げつづけました。
ちなみに昨年も11/8の86が高値でNYダウも11/8に天井を打っています。
今年の5月以降、NYダウとFear&Greed IndeXは、ほぼ同じ動きをしています。
確かに、Fear&Greed IndeXは高値を付け始めていますが、1/4と違ってVIX指数が、まだ低いままです。
恐らくFear&Greed IndeXは、もう少し上昇余地があって、天井を打つまではNYダウも上昇していくものと思われます。
これから、市場の関心は徐々に金利から企業業績(リセッション)に移ってくるでしょう。
ただ、それが明らかになるのは、次の決算発表の1月後半あたりで、まだ時間があると思います。
これから、年末にかけて、市場参加者が少なくなり、ボラティリティが上昇する可能性が出てきます。
出遅れたヘッジファンドが仕掛ける局面もあるかもしれません。
日本株は、為替の影響もあり、本日の動きを見ても、読みにくいところはありますが、米株は年末ラリーを迎えるのかもしれません。