2月3日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄608/値下がり銘柄1139
騰落レシオ(25日) 114.17%
空売り比率 45.4%
売買代金
東証プライム 3兆2174億円
東証スタンダード 664億円
東証グロース 1462億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
Extreme Greedに移行!
【業種】
【個別】
ソニーG(6758)が大幅続伸になっています。
同社は2023年3月期の連結純利益を8700億円と従来予想から300億円引き上げた見通しを発表しています。
また、未定としていた期末配当についても、40円とすることを発表し、年間配当を前期比10円増となる75円になることを発表しています。
上方修正分の150億円分は主力のゲーム事業での引き上げです。
主力事業の底入れの兆しが、大幅株価上昇につながったようです。
また、同社は2/22にPS VR2を発売予定です。
同時に「Horizon Call of the Mountain」など30種のPS VR2向けのタイトルがラインアップされる予定で話題を呼びそうです。
Green Earth Institute(9212)がストップ高まで買われています。
日経新聞は、日本製紙(3863)が住友商事(8053)などと提携し、国産木材を使って持続可能な航空燃料「SAF」の原料になるバイオエタノールを生産すると報じています。
2024年をメドにバイオエタノールを製造販売する共同出資会社を設けるとしていて、その共同出資会社に微生物による独自の発酵技術を持つ同社も出資するとのことです。
欧州ではSAFの使用量を2050年に85%まで引き上げることが求められていて、SAFは息の長いテーマになるとの見方もあります。
SAF関連の小型株として、今後もたびたび物色される可能性もあり、マークしておいたほうがよさそうです。
日本酸素HD(4091)が大幅上昇になっています。
同社は2023年3月期3Q決算の発表をしていますが、3Q(10-12月)の期間売上、営業利益が一転、過去最高益となり、3Q累計売上も前年同期比26.2%増の8730億4200万円となることを発表しています。
半導体向け特殊ガスの先行き懸念などがありましたが、米国や欧州事業が順調に拡大することが確認され安心感がひろがっているようです。
株価は昨年の秋に持ち合った水準まで回復してきていますが、今後戻り売りを吸収できるか注目されます。
トヨタ系の燃料噴射装置、ポンプを手掛ける愛三工業(7283)が高騰し、年初来高値を更新しています。
同社は2023年3月期通期業績予想の上方修正を発表し、営業利益が前回発表105億円→135億円 当期純利益も70億円→85億円に大幅上方修正しています。
また、期末配当も15円→18円、年間配当も30円→33円に増配しています。
8期ぶりに過去最高益を大幅に更新したことがサプライズになり、昨年来高値の906円が意識されるところです。
反面、アルメディオ(7859)が買い気配で大幅高からスタートしたものの、次第に売り込まれ、大幅安で終わっています。
同社は2023年3月期3Q決算を発表し、3Q累計は大幅増収増益を計上し、3Q通過段階で利益面は通期目標を超過しました。
しかしながら、通期の上方修正はなく、4Qが大幅減収減益となる見通しを示しています。
4Q期間に福島双葉工場の減価償却費が計上され、利益が減少する要因を含んでいることを要因としています。
しかしながら、一過性の要因であり、来週下げ止まれるかが注目になります。
【テクニカル分析】
日経平均は続伸!
引き続き、1/24から続く横ばいレンジを明確に離れることはないものの、緩やかに上向きになってきた5日線(27403円)を下値支持線にする動きになってきています。
ナイトセッションでの日経先物は27620円 +130円で戻ってきていて、前日の高値(27612円)を上抜いてきています。
米国の雇用統計をふまえて、為替が円安に転換したのが要因と思われますが、来週は「持合いからの上放れ」を実現できるか注目になりそうです。
【本日のトピック】
①米株はインフレ再燃⁉
さて、週末に発表になった雇用統計は衝撃でした。
非農業部門の雇用者数が、予想の18.5万人の3倍近い51.7万人の増加となっています。
失業率は1969年以来の3.4%まで低下し、平均賃金は年率で+4.4%、前月比で+0.3%になっています。
前月の雇用統計から雇用者数も平均賃金も上方修正されています。
米12月ADP雇用統計 +23.5万人
米12月雇用統計 +22.3万人
米1月ADP雇用統計 +10.6万人(予想 +18.0万人)
米1月雇用統計 +51.7万人(予想 +18.5万人)
しかしながら、今回の雇用統計だけ、ADP雇用統計と明らかに乖離があるため、少々怪しいと感じています。
Employment | FRED | St. Louis Fed
上記はセントルイス連銀が集計しているFREDという経済統計から引っ張りだしてきたものですが、フルタイムで働く人の雇用に比べ、パートタイム雇用者数が、あきらかに増えていることがわかります。
GAFAMを中心とした企業が人員削減に動く中、賃金の安い非正規雇用の雇用を増やし補っているというのが、今の米国の現状でしょう。
今回の雇用統計は年初に伴う改定や大規模ストライキなど特殊要因が多いため「実態をみるうえで参考にしにくい」との指摘もあります。
ともあれ、週末の米株市況はFOMCで印象づけられた「インフレ鈍化&利上げ停止」期待が弱まり、金利が上昇し為替は円安になりました。
前日に悪い決算を発表したアマゾンやアルファベットの下落もあり、米株市況は軟調になりました。
今回の雇用統計だけで米国インフレ再燃とするのはいかがなものかと思いますが、同日発表になったISM非製造業景況感指数も市場予想を大幅に上回り、米国経済の強さを示しています。
Fear&Greedが、ついに、Extreme Greedに突入したように、米株市況は、かなり楽観状態にあります。
(FOMCがなければ、インフレ再燃で暴落していたかも⁉)
今後も米国のインフレ状況には目が離せません。
再来週のCPIは要注目になると思います。
②来週の日本株のチェックポイント
前述の通り、日本株は「持合いからの上放れ」が期待されるところですが、ショートカバーも含めた外人買いも期待されるところです。
上記は1月の外国人の日本株フローですが、岸田政権発足後3回目の単月1兆円越えの買い越しになっています。
そして、2/10前後には、日銀総裁後任人事も決定する見通しです。
ここにきて、安倍派の結束力は強まっているということなので、黒田路線を引き継ぐ雨宮氏か中曽氏が有力と言われているようですが、中曽氏についてはAPECのビジネス諮問委員会の金融作業部会の議長に就任することが決まったとのニュースが報道されています。
通常考えれば、雨宮氏に絞られたと見るべきで、同氏が就任すれば、株式市場にはポジティブな流れになると思います。
万一、雨宮氏が日銀総裁ポストを固辞するとなれば、サプライズになりますので、日本株も途端に売り込まれることになるかもしれません。
決算の悪かった京セラや村田製作所が切り返していることを考えれば、日経平均は欧米株に比べて底固い展開になると思いますが、インフレの亡霊に悩まされる米株市況に振り回される可能性もあり得ます。
引き続き、難しい相場が続くのかもしれません。