8月16日(金)
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ディスコ(6416)が続伸しています。
16日の日本経済新聞朝刊は、「ディスコが9月にもインドに営業や技術支援のサービスを手掛ける現地法人を設立する」と報じています。
インドは中長期的に半導体市場の拡大が見込まれており、前日の米株式市場でエヌビディアはじめ半導体関連が大幅上昇するなど地合い改善も追い風に買いが集まったようです。
インドは政府主導で半導体産業の誘致を進めており、インドに進出する半導体メーカーの工場の立ち上げを支援する方針です。
インドには米マイクロン・テクノロジー(MU)や日本のルネサスエレクトロニクス(6723)が半導体チップを最終製品に組み立てる「後工程」の工場を建設する計画を進めています。
インドは電力や水のインフラ供給が課題とされ、投資規模の比較的小さい後工程工場が先行して集積するとみられています。
同社は、シリコンウエハーから半導体チップを切り出す「ダイサー」や、ウエハーを薄く削る「グラインダ」と呼ぶ後工程の製造装置の世界大手で、需要拡大を見込んで進出する方針です。
https://www.sanken-ele.co.jp/
サンケン電気(6707)が大幅高で5連騰になっています。
旧村上ファンドの流れを汲む投資会社でアクティビストとして注目されるエフィッシモ・キャピタルマネージメントが、同社株を買い増し保有株比率がこれまでの23.58%から25.36%に高まったことが、15日に関東財務局に提出された変更報告書で明らかとなりました。
保有目的に付いては「投資および状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としています。
エフィッシモはかつて東芝の経営に株主として強く関与してきた経緯があり、経営改革や株主還元の強化などに対する市場の期待が強いとみられます。
投資価値向上への思惑買いがどこまで続くか注目される処です。
なお、同日、エフィッシモによる株式の保有比率が従来の15.82%から17.01%に上昇したことが判明したUACJ(5741)も大幅高になっています。
ブイ・テクノロジー(7717)が大幅続伸し、5連騰になっています。
同社は、15日の取引終了後、国内大手フォトマスクメーカーから、フォトマスク欠陥修正装置「Draco(ドラコ)」を受注したと発表しました。
局所真空技術と収束イオンビームを用いた世界初のフォトマスク欠陥修正装置で、修正位置精度の高さや従来方式では実現が難しい加工端が滑らかで優れた仕上がりを実現するとのことです。
株価は、業績寄与期待感から買いを集めていますが、75日線(2,934円)付近からの上値が重く、同線を明確に突破できるか否かが焦点となりそうです。
TWOSTONE&Sons(7352)が大幅続伸し、ストップ高まで買われています。
同社は、16日、2024年8月期の連結業績予想について、売上高を138億7,900万円から140億600万円(前期比39.3%増)、営業利益を2億200万円から3億6,000万円(同12.9%増)、純利益を6,300万円から1億5,900万円(同6.5%減)へ上方修正し、減益予想から一転して営業増益予想になりました。
同社では、中長期的に持続的な成長が可能な組織体制構築を行うための人員補強や組織体制の強化に注力しており、営業活動の効率化や利益率の向上などの取り組みが想定を上回って進捗していることに加えて、Midworks事業を中心としたエンジニアプラットフォームサービスが想定を上回っていることが業績を押し上げるようです。
株価は25日線(1046.96円)レベルに到達しており、今後同水準を意識した攻防になりそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅高!
先週(8月13~16日)は5連騰で取引を終えるとともに、週末16日は8月13日の上げ幅(1207円高)を上回って今年2番目の上げ幅(1336円高)となりました。
ローソク足は、大陽線になると共に、25日線(37,941.56円)を上回って週末16日の取引を終えています。
ナイトセッションの日経平均先物は37,640円 -450円で戻ってきています。
週明けは、下向きの25日線(37,941.56円)を割り込んでスタートする可能性が高いものの、25日線上を維持できれば75日線(38,668.59円)を突破する可能性がでてきます。
ただ、38,500円近辺で取引されたボリュームが極端に多いため、この価格帯に近づくにつれて戻り売り圧力が強まることが予想されます。
商いの急増を伴うような大きなセンチメントの改善がなければ、この価格帯を上抜けるハードルは高いものと思われます。
一方、下向きの25日線上を維持できずに押し返されたり、押し返されたあと200日線(37,020.27円)を下回って戻せなくなるようだと、二番底か、最悪の場合は一番底を探る値動きになることも考えられます。
200日線を割り込んで戻せなくなったときのリバウンド狙いの買いは控えるか、下げ止まりを確認してから慎重に行うほうがよさそうです。
【本日のトピック】
さて、8/9の日本経済新聞の「スクランブル」では、過去1カ月続いた急落相場に底入れの兆しが出てきたとし、急落相場の「第1波」が終了したとみた場合、当面の戻りのメドとして2割上昇が意識されるとしています。
野村証券が1987年のブラックマンデーから今回の急落まで過去14回のTOPIXの急落局面について、第1波の底入れまでの下落率を調べたところ、平均は22%であり、底入れから次の高値を付けるまでの戻り局面での平均上昇率は19%になるようです。
底入れ後、2割程度戻すという過去の急落後のパターンを今回に当てはめてみると日経平均は3万7700円台、TOPIXは2600台後半が戻りのメドになるということなので、先週末で戻りのメドはクリアしたということになります。
一方で、16日に発表になった投資部門別売買状況によると、日本株が暴落した8月第1週(5-9日)に海外投資家は株式先物を1兆2777億円売り越したことが判明しています。
先物を売ったのは、短期売買を行うヘッジファンドや商品投資顧問(CTA)と言われています。
コンピュータープログラムで機械的に売買をしているCTAが、マージンコールを迫られ、大量の売りを出さざるを得なかったということでしょう。
興味深いのは、海外投資家は先物を売り越す一方で、現物は4953億円買い越してきている点です。
しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンドマネジャーは、海外投資家には「2種類いる」と指摘しており、日本銀行の利上げや米国景気の減速懸念などに反応する向きは「先物を使って短期的な視点で売りに動く人が多い」とした半面、「日本のバリュエーションやファンダメンタルズ(経済の基礎的要因)を見ている投資家は買い優勢だったのではないか」と述べています。
恐らく、CTAの先物売りのほとんどが月曜日に集中し、割安になった現物を長期のバリュー投資家やアクティビストが買いに入ったものと思います。
そして、面白いのが、個人においても、短期の信用は追証に迫られ売り越している一方で、現物では買い越しているという点です。
要するに、海外投資家も個人も短期の売らざるを得なかった投資家が売らされていて、長期の投資家は、しっかり買い向かっているということです。
こういう人もいるようですが・・・
それはともかく、現状CTAの運用成績は、かなり悪化しているようです。
恐らく、解約もでてくるでしょうし、多くの解約期限である9月末あたりまでは、ポジション解消売りも出るでしょう。
日経平均も、一旦の戻りのメドに達したということならば、こうした売りに押されて二番底を形成する局面があるのかもしれません。
ただし、短期のCTAが売り、割安ハンターのバリュー投資家等が買うという構図であるならば、先例があるため二番底は一番底より、水準が、かなり上になると思います。
売買代金の増減等をチェックしながら、じっくり押し目買いの好機を探る局面と考えます。