8月29日(木)
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Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別銘柄】
アクリート(4395)が大幅反発し、ストップ高まで買われています。
同社は28日引け後に、「音声・顔画像分析サービス」などのAI技術を活用した新たな事業を開始すると発表しました。
認証関連技術で高い実績を持つシンガポール企業が提供する音声・顔画像分析サービスを同社と新子会社のズノー・メディアソリューションがOEM供給を受け、自社製品「ANOTHER AI」として販売する計画です。
株価は、今後の業績寄与を期待する展開となりましたが、戻り売りを吸収して上昇していけるか注目されます。
雨風太陽(5616)が大幅続伸し、ストップ高まで買われています。
同社は、27日放送のテレビ朝日「スーパーJチャンネル」にて、ポケットマルシェが取り上げられたと発表しました。
一部で品薄になっている米に付いて、店頭での米不足が解消されない中、注文が殺到しているのが農家から直接米を買うことができる「産地直送の通販」とのことでポケットマルシェが取り上げられました。
その広報の話として「米の流通量が拡大している。8月14日から20日の販売額を去年と比較すると約5倍。9月発送分の予約の販売額も前年比約15倍に増加している」と紹介されています。
株価は、これを受け見直し買いに繋がったようですが、史上最強レベルと言われる台風10号により、米不足が長引けば更に追い風との見方もあるようです。
TONE(5967)が急反発し、年初来高値を更新しています。
同社は、28日、株主に対して記念品を贈呈することを発表しました。
2024年5月期に過去最高の売上高を更新することが出来たことに関して、株主への感謝の意を表すとして、11月末時点で100株以上を保有する株主に対して、クオカード5,000円分を贈呈すると発表しています。
前日終値に対して4.3%の水準となるため、短期的な利回り妙味が高まる状況です。
なお、配当金は5月末一括配当であり、20.5円を予定しています。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅反落!
ギャップダウンからスタートし、一時400円を超える下落になるも切り返し、ローソク足は陽線を形成しています。
終値では、5日線(38,299.48円)上を維持しており、値固めの動きが続いています。
月末特有の売買で、売買代金は3兆8000億まで回復しましたが、まだまだ低水準です。
「閑散に売りなし」の格言通り、ボチボチ上放れるタイミングが近いのかもしれません。
【本日のトピック】
さて、注目されたエヌビディアの5-7月期決算実績は、売上高が前年同期比122.4%増(2.2倍)の300.4億㌦(市場予想286.0億㌦)、一時要因を除く調整後一株利益Non-GAAP EPSは同151.9%増の0.68㌦(市場予想0.64㌦)といずれも市場予想を上回りました。
8-10月期売上高見通しも、325億㌦±2%(318.5〜331.5億㌦)とのことで、こちらも市場予想の316億㌦を上回っています。
おまけに、500億㌦の新規自社株買い枠まで設定しています。
ところが、発表直後、時間外で一時8%を超える下落になりました。
8-10月期売上高見通しは市場予想平均は上回ったものの、一部では379億㌦に上るとの見方もあったようで、失望売りが先行したようです。
その後、2%安程度までは戻しましたが、カンファレンスコールを経て再び約7%まで下落しました。
考えられる理由としては「利益率の悪化」です。
製品そのものの価格競争力等を測る売上総利益率は、GAAPベースで5-7月期実績が75.1%でした。
これは2-4月期の78.4%から若干悪化しています。
そして会社予想によれば8-10月期の見通しが74.4%と小幅に悪化する様子です。
Blackwellの売り上げが伸びれば伸びるほどマージンが下がるようですが、最新で最も高級なチップのマージンがなぜひとモデル前のものより低いのか理解に苦しみます。
TSMCの生産力拡大で、安売りを迫られたものでないとすれば、AI向け高性能GPUに欠かせない最先端メモリのコストが上がっているとか(HBMという種類のメモリで外部から調達している)、TSMCへの生産委託コストが上がっているなどといった何かしらの外部環境の変化で原価率が悪化(上昇)していることが想定されます。
正直、これで売られるのは、かなり酷と言わざるを得ませんが、市場の期待を一身に集めすぎて、「非常に高く持続不可能な期待に直面していた」ということなのでしょう。
今回の結果を受けて、一部SNSでは、「AIバブルの終焉」と評する人もいますが、私はそうは思いません。
同日発表になった、エヌビディアの顧客であるセールスフォース・ドットコム(CRM)の決算は好調で、株価も時間外で上昇しています。
「AIバブルの終焉」とは、GAFAMなどエヌビディアの顧客であるビッグテックが、生成AIビジネスの収益化に疑問を持ちリングから降りる時になります。
生成AIビジネスは、現在Awareness Phase(認知期)と思われ、収益化が目に見えるようになるMania Phase(熱狂期)は到来していません。
通常「熱狂期」は1~3年続くようです。
エヌビディアに関しては、企業業績と市場の期待値との乖離を修正していく局面かもしれません。
しかしながら、業績は悪いわけではないので、行き過ぎた株高が解消されれば、企業業績に沿った冷静な株価が形成されて来ると思います。
じっくりチャンスを伺う時期と考えます。