9月6日(金)
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セコム(9735)と伊藤忠商事(8001)は5日、同社にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表しました。
買い付け価格は1株につき2140円と、同社の5日終値(1657円)を483円(29.14%)上回る水準で、TOB価格にさや寄せする形で買いが集まりました。
買い付け期間は9月6日から10月22日までで、同社は上場廃止となる見込みです。
TOB後の持ち株比率は、現在の親会社であるセコムが75%、同社株の取得・所有を目的に伊藤忠商事が設立したISフロンティアパートナーズが25%となる見通しです。
週明けの株価は年初来高値更新後からのTOB価格にサヤ寄せする横這い推移が見込まれます。
イオン(8267)が4日続伸し、上場来高値を更新しています。
総務省が6日発表した7月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は29万931円と物価変動の影響を除いた実質で前年同月比0.1%増加しています。
プラスに転じたのは3カ月ぶりで、消費拡大による収益増への期待から消費関連株の一角に買いが集まったようです。
5日のニューヨーク外国為替市場では円相場が1ドル=142円台後半まで上昇し、円高・ドル安基調にあります。
同社株は、円高進行による仕入れコスト抑制の恩恵を受けるとの見方も買いを誘ったようです。
auカブコム証券の河合達憲チーフストラテジストは「円高基調が続けば輸入物価が下がり、利益率の改善につながる。今期業績予想の上方修正期待が強まっているうえ、利益率の改善で値下げ余力が生じれば、個人消費を一段と喚起する可能性が高く、そうした動きを株価は先取りしている」と語っています。
坪田ラボ(4890)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は5日引け後に、中国の大手眼科用医薬品メーカー「Shenyang Xingqi Pharmaceutical Co.,Ltd.」と特定の地域における特許の独占実施権を付与する特許ライセンス契約を締結したことを発表しました。
同契約によって同社の保持する特許に基づいた治療法を中国で広く提供することを目的としています。
株価は、業績寄与を期待する買いが向かっており、目先は7月30日の年初来高値625円も意識されます。
広済堂ホールディングス(7868)が大幅続伸になっています。
同社は、第1四半期の決算発表が遅延していますが、5日引け後に、2024年3月期の有価証券報告書等の訂正報告書を提出する必要がある事項が識別されたと発表しました。
8月9日のリリースでは一部の会計処理において精査が必要なことが判明したことを決算発表遅延の背景としていましたが、収益認識のタイミングの相違であることが今回明らかにされました。
市場では、過度に警戒するものではないと捉えられており、株価のトレンド転換が期待されるところです。
【テクニカル分析】
日経平均は4日続落!
寄り付きこそ、前日のショートの買戻しと思われる買いが先行するも、下降する25日線(36947.86円)が上値抵抗線として機能し反落、前日の安値を下回る陰線で終わっています。
ナイトセッションの日経平均先物は、35,150円 -1210円で戻ってきています。
『何が起こった?』
①利下げ催促相場
9月6日に発表された米雇用統計(8月分)は、非農業部門雇用者数変化が前月比14.2万人増と市場予想を小幅に下回りました。
これは前回分が11.4万人増から8.9万人増へ、前々回分が17.9万人増から11.8万人増へそれぞれ下方修正されていることから、その分を考慮すれば概ね市場予想通りと言える結果でしょう。
失業率は4.2%と市場予想通りで、前回からの更なる悪化は避けられたため、ひとまずの安堵感があります。
実際、雇用統計発表直後は米株も上昇する局面もありました。
しかしながら、上記ウォラー理事の講演が伝わると、相場は暗転し始めました。
同理事の発言について、エバコアISIのクリシュナ・グーハ氏は、9月に25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)で利下げを開始し、雇用へのリスクが高まれば11月またはそれ以降の会合で50bpに加速する用意があることを明確に示したと指摘しています。
つまり、前日には9月の利下げが50bpになる確率を41%まで織り込んでいたにもかかわらず、25bpになる方針が伝わるとマーケットは期待外れと捉え、金利下落を催促する下落に転じたということです。
過去のFRBの利下げの歴史では、初回の利下げが25bpの場合は、累計で3回75bpの「短くて浅い利下げ局面」で終わっています。
自然利子率が0.5%とすれば、500bpもの金利下落余地がある状態で、「25bpってなめとんのか⁉ 出し惜しみすんなや!」といった状況でしょうか?
FRBにとって次回のFOMCで必要なことは、初回の利下げ幅に関係なく、状況に応じて「長くて深い利下げ局面」に応じる準備があるというアナウンスをすることでしょう。
②エヌビディアの下落
9/6のエヌビディアの株価は4.38%の下落になりました。
次期エヌビディア候補と言われるブロードコムの4Q見通しが失望され10%を超える下落になり、エヌビディアに波及したものと思われます。
ブロードコムの決算の特徴は、非AI事業の成長が予想より鈍いことにあります。
ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は、AI以外のチップ事業の大半は最悪期にあるか、最悪期を脱したと述べています。
ただ、製造業PMIがアメリカ、ユーロ圏、中国、日本と冴えないことから、汎用半導体が劇的な復活をするとは思えません。
DRAM価格の上昇を支えているのはAI半導体です。
エヌビディア株は、今週14%弱の下落になり、8月の安値に迫っています。
半導体関連は、もうしばらくは買えないと思いますが、エヌビディアが下げ止まれば落ち着きを取り戻すでしょう。
イケメンはこけても、やっぱりイケメンなのです。
『日本株はどうなる?』
米国がくしゃみをすれば、瀕死の肺炎になるのが、今の日本株でしょう。
日本株は、絵にかいたような「逆金融相場」を迎えており、日銀が「金利を上げたいDNA」に従って動くかぎり、今回のような「おはぎゃー相場」は、たびたび来るでしょう。
タイミングが悪いのが、今週メジャーSQを迎えるというところです。
普通なら、8/5安値から9/2高値の半値押し(35118.38円)あたりでは止まりそうなものですが、上記日経平均のオプション建玉をみると34,000円プットが13,000枚と最も多いことがわかります。
いったんはショートカバーを迫られた短期筋は、完全に息を吹き返しており、SQにむけて全力で売り崩すこともあり得ます。
SQ前の「魔の水曜日」あたりは注意が必要です。
ただ、信用残をみると8/5のブラックマンデーを経て、買い残がピークより1兆円くらい減少しています。
8/5のブラックマンデーは、円キャリーの巻き戻しが起こったことによりますが、あれから円キャリーが積み上がっているとは思えず、そういった売りも少ないでしょう。
8/5のブラックマンデーは数十年に一度のイレギュラー相場であり、今回の2番底は8/5より切り上がると考えます。
ドル円の影響を受ける輸出関連株
日経平均寄与度の高い株
中国関連株
などは、安易に値ごろ感で買うのは避けたほうがいいと思いますが、
中長期で持てる高配当株
事業が国策に沿っている中小型株
などは、全体相場に連れ安したタイミングで仕込んでいくべきと考えます。