9月10日(火)
【相場概況】
【日経平均寄与度ランキング】
【業種別】
【ヒートマップ】
【売買代金】
【騰落レシオ】
日経平均が6日続落の中、騰落レシオ25日は131.24%と今年2番目の高水準。
騰落レシオはダマシも多い指標ですが、一応警戒はしたいところです。
【空売り比率】
【米株市況】
【恐怖指数】
【Fear and Greed Index】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別銘柄】
常磐興産(9675)が大幅高になっています。
9日の取引終了後、米投資ファンドのフォートレス・インベストメント・グループ系のOntarioが同社に対し、完全子会社化を目的に株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表しました。
TOBは2段階で行われ、1回目の買い付け価格は1株1,650円としていますが、本日は寄り付きからTOB価格を超過しています。
1回目のTOBの買い付け期間は9月10日から10月24日までを予定しており、買付予定数の下限は445万401株(所有割合50.67%)とし、上限は設定しません。
2回目のTOBは、筆頭株主の常磐開発(福島県いわき市)などを対象に1株1,240円で実施する予定です。
本日、TOB価格を超過して買われたのは、TOB価格が安いのではという思惑ではなく、優待面が考慮されてTOB価格以上で買われているとの見方もあります。
同社はTOB成立を条件に株主優待を廃止するとも発表していますが、9月末権利に付いては優待を実施するとのことだけに、それを考慮すればTOB価格以上で買っても損はないとの見方があるようです。
ザインエレクトロニクス(6769)がストップ高まで買われています。
同社は、消費電力の大きい光通信用デジタルシグナルプロセッサーを不要とする垂直共振器型面発光レーザー対応の光半導体チップセットの開発成果に付いて発表しました。
データセンターにおける光通信線路の消費電力を60%削減することや、遅延時間を90%低減する効果が期待されるということです。
また、9月23日からドイツのフランクフルトで始まる光通信技術展でデモンストレーションを行い、今後の営業活動に繋げる予定です。
株価は一段高が期待できそうです。
アスタリスク(6522)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は9日引け後に、リニアモーター技術を活用した搬送ロボットシステム「AsReader HAKOBU」を開発したと発表しました。
従来の搬送設備ではベルトコンベアを始めとした機材を工程ごとに複雑に配置し、多くの空間を必要としていた処、1つのサイズのパネルを柔軟に組み合わせ、搬送設備全体を1つのロボットシステムとして構築し、全ての工程を同時に進めるとしています。
株価は、業績寄与期待感から投機資金が攻勢を仕掛けており、目先は75日線突破が期待されます。
プロディライト(5580)がストップ高まで買われています。
同社は、9日引け後に、音声から人の感情を分析できる技術に関連する特許を取得したと発表しました。
同特許は、音声をAIで分析し、各パラメーター(平常、喜び、怒り、悲しみ、元気度)に対し、同社独自の重みづけによって得られたポジティブ/ネガティブといったスコアリングを可能にした部分が対象です。
同技術は、コールセンターや企業のオフィス業務で、オペレーターや従業員の感情状態を把握し、通話品質の向上や従業員のエンゲージメント向上に役立てることができるとのことです。
この特許は同社が提供するクラウドPBX「INNOVERA(イノベラ)」のオプション機能で既に実用化されているようです。
株価は先月急落後の下げ分をほぼ取り返しましたが、本日はストップ高の一本値と上値慕いの強さを示しています。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅に6日続落!
高値と安値はともに前日水準を上回ったものの、5日線(36,494.22円)に頭を抑えられる形で陰線を形成しています。
ボリンジャーバンドをみると、バンドが急速にスクイーズする中、今回は、-1σ(35,857.82)に沿って動いていることがわかります。
このまま、+1σ(38,438.44円)~-1σ(35857.82円)の間で往来をする形で日柄調整を進めるのか、-1σを維持できず下落基調を継続させるのか分岐点がきているように感じます。
【本日のトピック】
さて、日経CNBCの岡崎良介氏は、米長期金利とドル円の見通しについて、
米国がリセッション入りしなかった場合
米長期金利 3.3% ドル円138円
米国がリセッションに突入した場合
米長期金利 2.9% ドル円130円
くらいになると予想しています。
結局、日本の企業業績は為替次第という状況ですから、ドル円が円高基調であれば、株が上がることはありません。
東証プライムの輸出関連の想定為替は146円くらいと言われています。
2024年度は、8月までの月中平均は154.25円で、前半の貯金がありますので、9月以降138円くらいまでなら、なんとか増益は確保できるようです。
したがって、米国がリセッション入りしなければ、日本企業も今年度は増益を確保できるのかもしれません。
年初来高値を更新しているラウンドワン(4680)の米国月次売上を見ると、8月は既存店が9.6%も伸びています。
ボーリングとかアミューズメントなどは、リセッション入りしていれば、最初に支出が減る項目なので、米国はリセッション入りはしてないと思うのですが・・・
米国がリセッション入りしないのであれば、日本株も先日のブラックマンデーで織り込んだのかもしれません。
ドル円については、8月、年金のリバランスと思われる外債買いが7兆円、NISAの投資信託買いが1兆円入ったらしく、これがなければ140円割れがあったかもしれません。
7/11、12に本邦通貨当局が5.5兆円規模の円買い介入を実施し、ドル高円安の流れを変えたわけですが、8月はそれを上回るドル買いがあったわけですから驚きです。
それでも、ブラックマンデー後、ドル円は149円まで戻しましたが、再び141円台まで下落していますので、円買い圧力はかなり強いと言えるでしょう。
問題は日銀です。日銀は利上げ方針を撤回していません。
岡崎氏の分析が正しければ、米国のリセッションがなければ、米国金利の低下をマーケットが織り込んできていると言えるかもしれませんが、日銀の追加利上げは織り込んでいません。
日本の長期国債利回りが0.8%台で推移しているわけですから、追加利上げは、まったく織り込んでいません。
そういう意味では、ポスト岸田が誰になるかは、極めて重要です。
石破氏、河野氏、茂木氏は金融引き締め派であり、万が一総裁になれば、「日銀の金利引き上げたいDNA」に拍車がかかるでしょう。
やはり、総裁には、総裁になること自体が目標な人ではなく、命がけで国家の主権と名誉を守り抜くと誓った人に就任してもらいたいものです。
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