11月1日(金)
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Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【個別銘柄】
京成電鉄(9009)が続伸しています。
同社は、10月31日、イオン(8267)と資本提携すると発表しました。
両社は相互に出資する方針で、イオンが第三者割当増資で150億円分にあたる0.46%の同社株式を京成に割り当て、イオンは150億円に相当する京成電鉄の発行済み株式の2.33%程度を市場買い付けまたはその他合理的な方法で取得する予定です。
両社は、今後、駅ナカの施設や沿線の商業施設の共同開発などで協業する予定です。
また、同社は、併せて12月31日時点の株式1株を3株に分割することも発表しました。
モルガン・スタンレーMUFG証券の尾坂拓也株式アナリストは10月31日付リポートで「イオンとの業務提携は中期経営計画でも掲げている沿線地域の価値向上施策として、株式分割は個人投資家層の取り込み施策として、いずれもポジティブな第一印象」との見方を示しています。
同社が、同日発表した2024年4〜9月期の連結決算でも、営業利益は前年同期比45%増の220億円で着地しています。
業績の堅調な推移も買い安心感につながっているようです。
加治テック(6391)が急伸し、ストップ高まで買われています。
同社は、10月31日取引終了後、2025年3月期第2四半期累計の単独決算を発表しました。
営業利益は前年同期比4.4倍の3億1,700万円となり、通期計画4億7,000万円に対する進捗率は67.4%に達しています。
HDV(大型燃料電池車)用充填設備向け水素圧縮機の販売が好調だったことなどが寄与したようです。
株価は、ストップ高後、張り付いたまま終えており、先高期待を示しています。
FPG(7148)が急伸し、上場来高値を更新しています。
同社は、10月31日引け後に、2024年9月期の決算を発表し、営業利益は286億円で前期比56.8%増となり、第3四半期決算時に上方修正した256億円を上振れして着地しました。
今期の売上高予想は前期比14.6%増の1,235億円、最終利益予想は同7.5%増の220億円としており、3期連続で過去最高益を更新する見通しです。
また、年間配当金は前期比10.1円増の130.4円を計画し、100万株、20億円を上限とする自社株買いも発表しました。
国内外で不動産ファンド事業の更なる成長を図るほか、リースファンド事業では海運案件を主体に収益性の高い案件を厳選して組成する方針です。
株価は、シコリが少ないゾーンを駆け上がる気配を見せています。
東リ(7971)は後場から急伸し、一時ストップ高になるまで買われました。
同社は、11月1日14時すぎに、株主還元方針の見直しを明らかにしました。
現行は連結配当性向30%以上、またはDOE2.0%以上を目安に安定的な配当を継続的に実施するとしていましたが、来期から3ヵ年の次期中期経営計画期間は連結配当性向50%、またはDOE3.5%を目安に安定的な配当を継続的に実施することとし、年間配当は19円を下限にするとしています。
また、株主資本の最適化に向けて政策保有株式の売却ならびに自己株式の取得を弾力的に実施し、総還元性向は当中期3ヵ年平均で70%以上を目指していくとのことです。
同社は、併せて、取得上限100万株(自己株式を除く発行済み株数の1.69%)、または4億6,000万円とする自社株買いの実施も発表しました。
東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で5日に取得する予定です。
株価は、これらが好感されて大幅高になりましたが、未だPBR1倍を大きく割れている状況だけに、見直し余地はありそうだとの見方も多い様子です。
【テクニカル分析】
日経平均は、1,000円を超える大幅続落!
ローソク足はギャップダウンでスタートする長大陰線となり、5日線(38,784.30円)、25日線(38,814.66円)を割り込んでいます。
終値ベースで75日線(37,977.90円)をキープしていますが、連休明けのマーケットは、この75日線を引き続きキープできるかがカギになりそうです。
2日早朝の日経平均先物は38,600円 +480円で終えています。
連休明けの相場が反発したとしても、5日線や25日線を上回ることが出来なければ、なお警戒が必要です。
仮に25日線を上回ることが出来たとしても、10/30高値(39,417.88円)を上回る状態で維持できなければ、持合いが継続しているとみなし、下放れに対する警戒を継続しておく必要があるでしょう。
そして、75日線を下抜けるようなら、「ヘッド・アンド・ショルダーズ」のネックラインを下抜けることになり、短期的には9/9安値(35,247.87円)あたりの下落を覚悟しておく必要があると思います。
【本日のトピック】
さて、注目の米大統領選は11/5に投開票が行われますが、日本時間だと開票は6日午前中に始まることから市場に影響が出るのは、早くとも6日水曜日の昼間の取引時間中からとなりそうです。
米大統領選は開票が進み、劣勢となって来た候補者が選挙戦からの撤退を表明し、その後に優勢の候補者が勝利宣言して決定するというのが慣例です。
ところが、前回の大統領選ではトランプ大統領は選挙戦からの撤退を表明せず、票が確定し選挙人が投票して勝利が確定するまで正式なバイデン大統領の勝利とはならず、市場が揺れる原因となりました。
今回は大統領選の歴史上最も僅差となりそうで、接戦州の多くで票の数え直しとなり法廷闘争となって行く可能性があります。
場合によっては、12月下旬まで「大統領選の勝利者は誰?」という状況になると見る向きもあり、そのようなことになれば、マーケットも、かなり荒れることを覚悟しておいたほうがいいかもしれません。
また、大統領選挙と同時に実施される議会選挙の行方も重要です。
連邦政府の立法府は、上院、下院の2 つの議院から成る連邦議会です。
法案は、両院を通過した後、大統領に送付され署名により成立する流れで、議会が承認しなければ法案が通りません。
組み合わせとしては、
①トランプ大統領 共和党 共和党 トリプルレッド
②トランプ大統領 共和党 民主党 ねじれ議会
③トランプ大統領 民主党 民主党
④ハリス大統領 民主党 民主党 トリプルブルー
⑤ハリス大統領 共和党 民主党 ねじれ議会
⑥ハリス大統領 共和党 共和党
ということになりますが、今回はかなり高い確率で上院は共和党が勝利する見込みであることから、民主党が上院で勝利する③④のシナリオは排除します。
①トランプ大統領 共和党 共和党 トリプルレッド
・この場合、市場では「ドル高」、「金利上昇」、「株高」で反応するとの見方もありますが、私は「ドルは上下に乱高下」、「金利上昇」、「株安」になると見込んでいます。
・トリプルレッドは、今の米国市場のアキレス腱である金利上昇に拍車をかけ、それを嫌気した株安になるとおもいます。ドルについては、ここまでドル高が織り込まれてきており、上下に乱高下する展開ではないでしょうか。
②トランプ大統領 共和党 民主党 ねじれ議会
・市場は「ドル安」、「金利低下」、「株高」で反応。
議会がねじれることで、極端な政策が実施されるリスクは後退するため、米金利は低下するでしょう。
・トランプ氏が勝利した場合には、ハリス氏が結果を認めないことはないでしょうから、政治的にも大きな混乱は起きません。年末に向けて株高が進むベストシナリオです。
⑤ハリス大統領 共和党 民主党 ねじれ議会
・市場が当初、想定したメインシナリオに近いため、大きな市場変動はなし。
・トランプ氏が不正選挙を主張し続ける可能性があり、12月17日の米国大統領の選挙人投票までに勝利者が確定していないようだと、米国は大混乱に陥っている可能性もあり。
⑥ハリス大統領 共和党 共和党
・ハリス政権はスタート時からレームダック化するとともに、トランプ氏が負けを認めないリスクも高いでしょう。
・民主主義のプロセスが脅かされる場合は、「ドル安」、「債券安(金利上昇)」、「株安」のトリプル安となる最悪な展開もあり得ます。
『トランプ氏勝利のリスク』
「普遍的基本関税政策」という公約が実現されるか。
トランプ氏が「中国には60%以上の関税、全ての国からの全ての輸入品には10%~20%の関税を適用する」という無茶苦茶な政策を、仮にブラフでも強行する姿勢を見せれば、長期金利上昇と大きな株安を招いてしまう可能性も考えられます。
『ハリス氏が勝利した場合のリスク』
トランプ氏が不正選挙を叫び続け、選挙結果を認めないリスク。
共和党支持者の中には、前回のトランプ敗戦の選挙結果も認めていない人たちも多数存在し、2回連続で「選挙が盗まれた」となった場合、彼らの怒りは暴力に波及し、まさに大ヒット映画の「シビル・ウォー」を引き起こすと指摘する向きもあります。
これは、民主主義の崩壊を示し、米国は短期的にトリプル安状態に陥るでしょう。
いずれにしても、イベントが通過し、マーケットがリスクを早期に織り込むことを祈るばかりです。