1月9日(木)
【相場概況】
【売買代金】
【米株市況】
【個別銘柄】
ワールド(3612)が大幅反発し、昨年来高値を更新しています。
2019年12月以来、およそ5年ぶりの高値になります。
同社は、8日、2025年2月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が、従来予想の85億円から111億円へと30.6%上方修正し、6期ぶりに過去最高益を更新する見通しであることを発表しました。
ブランド事業でライフスタイルブランドが底堅く推移したほか、デジタル事業やプラットフォーム事業も伸びています。
2月に予定する三菱商事ファッションの連結加入に伴う負ののれん発生益のほか、ライトオン(7445)の子会社化などの影響も織り込んでいます。
また、今期の年間配当を従来計画の75円から80円へと増額修正しています。
好調な業績が素直に好感視されており、株価は一段高も期待できそうです。
ネクステージ(3186)が大幅反発しています。
モルガン・スタンレーMUFG証券が同社の投資判断を「オーバーウェイト」継続、目標株価を2,200円から2,300円に引き上げています。
営業インセンティブ廃止による業績低迷からは底打ちが確認されたとしているほか、営業インセンティブ一部復活により今期からは本格的な業績改善が期待できるとしています。
同証券は、2025年11月期営業利益は147億円から160億円に上方修正しており、会社計画150億円を上回る水準を予想しています。
株価は、現値より上方は昨年10月急落時に空けた大きな窓水準になります。
https://www.ispace-inc.com/jpn/
ispace(9348)が大幅続伸しています。
同社は、8日前場後半にミッション2の打ち上げ予定日が1月15日に確定したことを発表しました。
米スペースXのロケットに積んで、同日午後3時11分(日本時間)にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げるとのことです。
前引け後には日経新聞電子版などでも報じられたことから、後場には更に物色されました。
前回は2022年に打ち上げられ2023年4月に月面着陸を試みるも失敗に終わっており、今回こそはとの期待感も強いようです。
ただ、打ち上げは今月15日となりますが、月面に着陸するのは5月末から6月初め頃になるとのことで当面先の話となるため、打ち上げ後は出尽くしになりそうだとの声も聞かれます。
https://www.chordiatherapeutics.com/
Chordia Therapeutics(190A)がストップ高まで買われています。
同社は8日付で、FDA(米食品医薬品局)が同社のCLK阻害剤をオーファン・ドラッグに指定したことが明らかになりました。
FDAのホームぺージにおいて公開されたデータによると、急性骨髄性白血病の治療向けの指定となっています。
これによる税制優遇により増資リスクが低減したほか、7年間の市場独占期間が与えられるようです。
本日は9時50分以降から張り付いたまま終えており、上値指向の強さを示しています。
【本日のトピック】
さて、またもやトランプ砲が炸裂し、米長期金利がさらに上昇しています。
CNNの報道によると、「ドナルド・トランプ次期大統領は、2期目に世界貿易収支の立て直しを目指す中で、同盟国と敵対国に対する広範囲にわたる一律関税の法的根拠を与えるため、国家経済非常事態を宣言することを検討している」とのことです。
この宣言により、トランプ大統領は国家非常事態の際に大統領が輸入を一方的に管理する権限を与える「IEEPA」として知られる国際経済緊急権限法を利用して、新たな関税プログラムを構築できるようになるそうです。
全面的に関税をかけていくということになるなら、懸念されるのはインフレです。
まだ検討段階とはいえ、マーケットはこれに過剰に反応しています。
再び米長期金利が5%どころか6%に乗せるという予想も出てきています。
金利高は株式市場に逆風です。
S&P500はこの史上最高値圏でヘッドアンドショルダーを形成しているようにも見えます。
黄色の点線の水準がネックラインになりますが、ここを割り込むと調整が大きくなりそうです。
一方で、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「見通しが予想通りであれば、2025年の利下げを支持する」と発言し火消しに動いています。
トランプ砲に動揺する市場をFRBがいさめようとする姿勢を示したことは興味深いところです。
FRB,中央銀行の金融政策判断の2つの重要な使命はインフレの安定と雇用の最大化です。
今週の最重要イベントは労働関連指標、週末金曜の雇用統計です。
昨晩は、ADP雇用統計が発表され市場予想を下回りました。
■12月ADP雇用統計
結果+12.2万人(予想:+14万人、11月:+14.6万人)
トランプ砲での金利の上下動はあくまで思惑ですが、FRBはCPI,PCEや雇用統計などの経済指標動向で金利政策を占いますのでコチラが本質です。
トランプ劇場開幕により、しばらくはマーケットも荒れる可能性が出てきていますが、FRBの見立て通り、インフレ沈静化の方向が正しいのであれば、落ち着きを取り戻すのも早いのではないかと感じています。