3月12日(水)
【相場概況】
【売買代金】
【米株市況】
【個別銘柄】
https://www.rakuten-bank.co.jp/
楽天銀行(5838)が急伸し、上場来高値を更新しています。
日銀植田総裁が12日、衆院財務金融委員会に出席し、上昇基調にある長期金利について、「市場で自由に形成されることが基本だ」と述べ、「市場の見方と日銀との間に大きな齟齬が無い」との見解を示しました。
この発言を受け市場では長期金利上昇を容認したと受け止め、銀行など金融株に買いが向かいました。
また、同日、モルガン・スタンレーMUFG証券では、同社の投資判断を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げし、目標株価も4,020円から6,820円に引き上げています。
銀行株は利上げ効果に加えて、収益力向上に向けた施策の効果も相まって、来期・再来期も増益トレンドが継続すると予想しています。
とりわけ同社に関しては、金利感応度の高さと預金獲得力が魅力になるとしているようです。
ぺプチドリーム(4587)が大幅反発しています。
SBI証券では、11日、同社の投資判断「買い」を継続し、目標株価を3,400円から3,900円に引き上げています。
セラノスティクス分野が当面の業績を牽引する見方に変更はないとして、トップピック推奨を継続している模様です。
また、パイプライン数や技術進展を考慮すれば、2025年12月期の会社計画数値は十分達成可能と判断しています。
株価は昨年末から調整を強いられており、直近底値圏からの脱出を目指す動きが期待されます。
ワールド(3612)が大幅続伸しています。
みずほ証券が同社の投資判断「買い」を継続し、目標株価を3,000円から3,800円へと引き上げています。
同社は、三菱商事ファッションの全株式を取得していますが、同証券は、これにより、同社のプラットフォーム事業のファッション業界でのプレゼンスは大きく高まると考えているようすです。
2027年2月期の業績予想を上方修正し、新たな成長フェーズに入っていくと想定しています。
同証券は、同社の成長ポテンシャルから、現在の株価水準は割安な状態にあると判断しているとのことです。
【本日のトピック】
さて、本日はVIXとVVIXを考察して、市場のセンチメントの行方を考えてみます。
VIXとVVIXの定義は上記のようになります。
ただ、難しいことを言ってもしかたがないので、VIXをお天気、VVIXを傘と置き換えて考えます。
上記はVIXとVVIXのチャートです。
雨が降りそうなとき、降っているとき、やんだ時、傘の需要と価格は機動的に変わることを想像しましょう。
VIXの過去20年の平均値は19~20です。
VVIXの過去20年の平均値は93前後です。
2月の下旬まではVIXは15~16ですから、お天気は晴れだったわけです。
ところが、VVIXは95~100で推移していて、すでに傘を求める人が出始めていることがわかります。
いまから思えば、なんとなく気持ち悪い状況ですね。
マーケットが底を打つとき、一般的にVIXとVVIXの相関関係には以下の現象が見られます。
①マーケットが急落時(マーケットが底を打つ前)
・VIX(恐怖指数)は市場の不安を示すため、急激な株価下落時には大きく上昇します。
・VVIX(VIXのボラティリティ指数)も急上昇し、VIXの変動性が高まります。これは投資家の不安が増し、オプション市場でのヘッジ需要が急増していることを意味します。
相関関係
VIXとVVIXはともに急上昇し、正の相関が強まる傾向があります。
②底打ちのシグナル
・マーケットが本当に底を打つ直前では、VVIXがピークアウトして下落することが多いようです。これは、VIXのボラティリティが落ち着き、オプション市場での過度な恐怖感が後退し始めたことを示します。
・一方で、VIX自体はまだ高水準にあるが、VVIXの低下が先行する傾向があります。
相関関係
このタイミングではVIXがまだ高い水準を維持するのに対し、VVIXが先に低下するため、一時的に相関が崩れることがあります。
③反転後(マーケットが回復し始めると)
・株価が持ち直し始めると、VIXも徐々に低下し始めます。
・VVIXはVIXよりも早く低下するため、マーケットの転換点を示唆することがあります。
相関関係
VIXとVVIXの相関が弱まり、VIXが遅れて下落していきます。
いまの状況は、正の相関が継続しています。雨が降る中傘の需要も多く、市場のセンチメントは弱気が継続していることがうかがえます。
結論
・マーケットが底を打つ直前には、VIXは高止まりし、VVIXが先に低下し始めることが多い。
・そのため、VVIXのピークアウトは「市場の恐怖が頂点に達し、これから安定に向かう可能性がある」ことを示唆する。
・VIXとVVIXが同時に高騰しているときはまだ不安が強く、底打ち前の局面と考えられる。
ただ、これらは、あくまで短期的なセンチメントを示しているにすぎません。
現状があくまで調整なのか、これからも大きな下落があるのか等は、ファンダメンタル分析等もあわせて総合的に判断すべきと思います。
今回、VIXは一時、30手前まで上昇することもありましたが、長期のVIXの推移をみれば、いまのところ年に数回ある調整の域は出ておらずパニックと言える状況ではありません。
昨日、発表になった米国の中小企業の景況感をしめすNFIBビジネス楽観指数も、下落傾向にはあるものの100を超える水準で景気悪化に陥っている状況ではないことがわかります。
景気がそれほど悪くない中、トランプ大統領の大胆なスピード政治に翻弄されたマーケットのセンチメントが悪化し一時的に調整しているというのが現状と考えます。
売りの局面ではなく、買いの機会をさぐる局面ではないでしょうか?