4月2日(水)
【相場概況】
【売買代金】
【米株市況】
【個別銘柄】
道路舗装工事を手掛ける三井住健道路(1776)が年初来高値をつけています。
1日の大量保有報告書により、物言う株主(アクティビスト)の旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンス(東京・渋谷)などが、同社株を5%超保有していることが判明しました。
保有目的は経営陣への助言、重要提案行為などを行うこととしており、資本効率や企業価値の向上に向けた対応を迫られるとの見方から買いが入ったようです。
同社は三井住友建設(1821)が株式の約54%を持つ上場子会社です。
親会社の三井住友建設を巡っては、旧村上ファンド系の南青山不動産(東京・渋谷)などが株を買い増ししており、保有比率(共同保有分含む)は26.97%に及んでいます。
市場では「親子上場の解消に向けた圧力が強まれば収益確保につながるとの思惑が広がっており、追随買いを誘っている」(ネット証券の情報担当者)との指摘が出ているようです。
SHIFT(3697)が大幅反発しています。
同社は、1日引け後に防衛産業特化のコンサルティング会社である新会社「Japan Aerospace & Defense Consulting」を設立したと発表しました。
同社は2022年に防衛関連システムの整備に関する工程管理案件を受託したのを皮切りに、防衛関連省庁・企業に対する支援を開始しており、新会社は、これまでの防衛産業に対する支援実績のなかで培った高い技術的専門性と官民とのリレーションを活用することで、国内防衛産業の課題を解決することを目的としています。
防衛産業特化の各種コンサルティングサービスの提供のほか、2025年3月に協業を開始した米アビエーション・ウィーク・ネットワーク社とともに防衛関連省庁に向けた調査研究・政策立案支援などに取り組むとしています。
株価は、今後の市場拡大および業績寄与期待感から買いが先行しており、一段高も期待できそうです。
IHI(7013)が大幅反発しています。
同社は2日、米プラット・アンド・ホイットニー社および独MTUエアロ・エンジンズ社と共同で開発を行っているエアバス社「A320neo」ファミリー用エンジン「GTF Advantage」について、型式承認が米国連邦航空局から交付され、民間航空エンジンとしての運用が正式に認められたと発表しました。
「A320neo」ファミリーは、既に多くの確定発注を受けており、同エンジンの量産初号機の納入は今年後半を見込むとのことです。
株価は先月18日高値後の調整局面から脱しようとしています。
【本日のトピック】
さて、1日23:00に発表されたISM製造業景況感指数は、市場予想の49.5を下回る49.0となり、景気の分水嶺50を割り込む結果となりました。
総合指数こそ前回50.3から今回49.0とそこまで悪化していないように見えますが、内訳を見ると、単なる担当者の気持ちの問題ではなく、実際の顧客行動に関税政策の影響が見られることがわかります。
これを受けて、米金利は下落しました。
米国の長期金利は一時4.13%と約1ヶ月ぶりの低い水準にあります。
1日の米株価も下落していたのですが、急速に切り返しました。
今朝方、「トランプ米大統領が2日発表予定の関税について、提示されるのは最高税率であって各国はその上限から税率を引き下げるための措置を講じることができると、ベッセント財務長官が議員に語った」とCNBC記者がハーン下院議員(共和)を引用してXに投稿したことがきっかけになったようです。
もっとも、債券から株へと資金シフトが起きているわけではありませんのでリスクオンの相場が始まったわけではなさそうですが・・・
ただ、ここまでのトランプ政権の政策は政権にとって想定通りに進んでいると言えそうです。
関税による物価への影響を考える際、その前提条件として関税が一度導入され、その後に新しい関税が継続的に追加されないかぎり、インフレの影響は一過性で終わります。
そして、関税導入により仮に米国内での製品価格が賃金上昇以上のスピードで上昇した場合、人々はモノやサービスを享受するのを一部諦めるか、あるいはより安価な商品に需要が流れるので、全体としてはインフレ抑制効果が得られることになります。
世間ではスタグフレーション懸念が台頭してきていますが、金利が低下してきている現状は、ベッセント財務長官にとっては「してやったり⁉」という状況でしょう。
もっとも、それと表裏一体として需要の減退、景気減速が意識されるわけですが、「後退まで行かずに、減速程度ですませればいい」というのがトランプ大統領やベッセント財務長官の主な戦略なので、ある程度の消費減速は仕方のないところでしょう。
恐らく、早期に関税を折り込ませ、その後減税によって消費を喚起させる作戦と思われます。
トランプ政権の相互関税は3日の日本時間午前5時に発表になります。
日本に対してどのようなことが言われるのかわかりませんが、石破首相は、少なくとも自動車25%関税については、米国がTPPを離脱する際、安倍首相とトランプ大統領の間で「日本の自動車や部品には関税は追加しない」という合意ができていますので、ハッキリとNOというべきです。
機嫌取りとお願いしかできない首相が、いまだにトップにいることが、日本の最大の悪夢です。
日本のマーケットが現状を折り込み浮上するには、まだまだ時間がかかるのかもしれません。