5月21日(水)
【相場概況】
【売買代金】
【米株市況】
【個別銘柄】
三菱重工(7011)が続伸し、上場来高値(3,020円)に接近しています。
米CNNテレビは20日に「イスラエルがイランの核関連施設を攻撃する準備を進めているとの情報を米当局者が入手した」と報じました。
地政学リスクの高まりが意識され防衛関連銘柄の多くが物色されました。
イスラエルがイランの核施設を攻撃する可能性は、ここ数カ月で大幅に高まっているとし、米国がイランに求めるウラン濃縮活動の完全停止で合意できなければ攻撃の可能性が高まるとのことです。
実際に攻撃すれば中東情勢は一気に緊迫化するでしょう。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「短期目線の投資家が『地政学リスク』というキーワードを想起して条件反射的に買いを入れている可能性が高い。世界中で紛争が絶えず防衛関連は投資テーマとして健在だ」と語っています。
https://www.socionext.com/jp/
ソシオネクスト(6526)が大幅上昇しています。
SMBC日興証券が同社の投資判断を2から1に格上げしており、目標株価は2,600円の据え置きながら、好材料視された様子です。
同社の成長ドライバーは自動車向けが中心ですが、ここ数年は5GNetworkが業績を牽引しており、その後全社業績の重しとなった局面が終焉を迎え、自動車の新製品量産および昨年度の商談で獲得した北米データセンター向け製品の貢献により業績反転が明確化すると指摘しています。
株価は75日線を上抜けてきましたが、戻り売りを吸収できるか注目されます。
https://terra-drone.net/
ドローン開発のTerra Drone(278A)が急反発しています。
同社は、20日、米国でのドローンや空飛ぶクルマなどの事業展開に向けて、三井物産(8031)と共同出資会社設立の検討に関する覚書を締結したと発表しました。
両社の強みを生かした共同事業の展開を検討するとしており、同社が過半数を超える出資を行うことを基本に米国に拠点を設けるということです。
三菱UFJeスマート証券の河合達憲チーフストラテジストは「大手商社の資金や取引先も活用しながら米国で売上高を伸ばしていけるのは大きなプラスで、将来の利益にもつながってくる」と指摘しています。
【本日のトピック】
さて、日本の超長期金利の上昇が止まりません。
20日実施された20年国債入札は、平均落札価格と最低落札価格の差「テール」が1円14銭まで開きました。
これは1987年以来38年ぶりの大きさになり、投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.5倍と、2012年以来の低水準となりました。
この結果を受けて28日に予定されている40年国債入札に対する警戒感が高まった様子で、新発40年国債の利回りは3.6%と前日から15bp上昇し、過去最高を更新しました。
30年国債利回りも1999年の入札開始以来、過去最高となる3.14%まで上昇しています。
日銀が量的緩和策の出口として、日本国債の買い入れ額を段階的に減額している中、生保等の機関投資家にも国債を積極的に購入する姿勢はみられません。
買い手不在の中、石破首相のおバカな発言が、国債売りに拍車をかけたようです。
(石破首相は「米買ったことない」よりはるかに悪質な失言をしたことに気づいてもいないやろな・・)
そして、この現象は一時的なものではなく、「低金利神話」の終焉として、世界にも波及し得るとみる向きもあります。
日本の機関投資家は、円キャリートレードの一環として、米国債をはじめとする外国債券を買いざさえる存在でした。
日本の超低金利がなせるわざで、資金の出所は超低金利の日本円です。
ところが、日銀は長期金利のコントロールを失いつつあり、為替ヘッジ後の米国債利回りはマイナス圏に沈んでいます。
日本の資金は帰国しつつあり、グローバル債券市場の支えが崩れつつあるということです。
1.日本の長期国債市場が崩れる(入札失敗、利回り急騰)
2.円キャリーの解消でドル高・世界の流動性逼迫
3.米国債市場に波及(入札弱含み、タームプレミアム上昇)
という順序でドミノ倒しになる危険性をはらんでいます。
米国は爆弾をかかえています。
・9兆ドル以上の短期債務が1年内に償還
・財政赤字はGDPの8%
・債券の平均償還期間は日本より短い
米金利上昇は米国の債務問題もはらんでいると考えられます。
先日発表になったムーディーズの格下げは、大きな米国売りには繋がっていませんが、徐々に米国金利上昇圧力として反映されてくるでしょう。
20日の米株市況は株安債券安通貨安のトリプル安となりました。
石破首相のおバカ発言が後押しした日本の超長期金利上昇は、米国の信用欠落ドミノの導火線になり得ることは頭にいれておいたほうがいいかもしれません。