5月27日(火)
【相場概況】
【売買代金】
【米株市況】
5/26(月)
「メモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)」の祝日のため休場
【個別銘柄】
キューピー(2809)が大幅続伸しています。
同社は、26日、鶏卵価格の高騰を受けてマヨネーズなど118品目を9月1日出荷分から順次値上げすると発表しました。
対象となるのはマヨネーズ類やドレッシング類、「サラダクラブ」などの素材食品や介護食などで、価格改定率は約4~18%を予定しています。
なお、調味料と素材食品は9月1日出荷分から、介護食は10月1日出荷分から値上げを実施する予定です。
SMBC日興証券の古田典氏らは26日付のリポートで「印象はポジティブ」と評価しています。
下期から海外の増産効果に加え、発表済みの業務用を含めた値上げ効果や今回分が寄与する見込みで「来期に向け業績の見通しは明るくなっていると考える」とみているようです。
デジタルアーツ(2326)が大幅続伸になり、年初来高値を更新しています。
SBI証券が同社の投資判断「買い」を継続し、目標株価を13,000円から14,000円に引き上げています。
中期経営計画に対しては企業向けでは下期販売開始予定の新製品、公共向けではGIGA更新特需に対する保守的な見方などに上振れ余地があるとしています。
同社の2027年3月期営業利益計画は78億円ですが、SBI証券では今回、87億円予想にまで引き上げています。
株価は足元の大幅連騰で今年の上値抵抗となっていた7,000円処を明確に上放れており、新相場入りが見込まれます。
https://www.ifis.co.jp/
アイフィスジャパン(7833)が急伸し、年初来高値を更新しています。
同社は、26日、設立30周年の記念配当を実施すると発表しました。
従来計画の21.5円に10円上乗せして31.5円とする大幅増配となり、配当利回りは26日引け値換算で5.6%となります。
配当水準の上昇は一過性の要素が強いものの、株価はインカムゲイン狙いの買いを呼び込み、500円台半ばの揉み合いを一気に上放れて新値街道に突入しています。
早期に居所を固められれば、一段高相場も期待できそうです。
【本日のトピック】
さて、セブン&アイ・ホールディングス(3382)の株主総会に行ってきました。
私の印象としては、かなり厳しいイメージです。
①ガバナンスは大丈夫か?
まず、驚いたのは、会場の本店入口の前で、コンビニユニオン(労働組合)の人達が20人ほど、「経営陣は経営悪化の責任も取らず、報酬倍増はありえない」とマイクで叫び、ビラをまいていたことです。
私も、いろんな株主総会に出席してきましたが、このようなことははじめての経験です。
実際、株主からの質問の場でも、経営陣の報酬増について「業績悪化で役員報酬減もなく、納得できない」といった内容の質問が2件ほどありました。
井坂社長は、「経営陣の報酬は業績連動になっており3割ほど減額になっている。報酬増についてはグローバルで優秀な人材を確保するためご了承いただきたい」と回答しましたが、対外的に責任を取らない姿勢に納得した人は少ないのではないかと思います。
②低迷するコンビニ事業
主力のコンビニ事業が低迷しています。
国内のセブンイレブンの4月の既存店売上高は前年同月比1%増にとどまり、ファミリーマート(4.7%増)やローソン(4.3%増)に大きく見劣りします。
フランチャイズオーナーの株主から「夢や希望を感じることが出来ない。経営はビジネスモデルに課題があることを認識しているか?」という悲痛な叫びともいえる質問がでました。
担当役員から「薄利多売ではない商品の質をあげる 『うれしいの戦略』を打ち出すことにより、昨年9月あたりから徐々に改善してきている。」
「今後は新コンセプト店舗『SIPストア』を1万店舗ほどに増やし、出来立て食品や時短の冷凍食品をおとどけすることにより巻き返しをはかりたい」と返答していました。
ただ、25日のダイヤモンドには、同社が仕掛ける「お値段そのまま!人気商品増量祭」はキャンペーンという名の「裏切り」という記事が掲載されています。
とみ田監修豚ラーメンのチャーシュー1枚、冷たいまま食べるチキン南蛮のタルタル2倍、コールスローサラダのコーン2倍……。一応は「増量」だが、見た目も満足感も誤差の範囲でしかない。
SNSでは「焼け石に水」「気づかないレベル」と揶揄されたうえ「セブンはケチ」「上げ底の再来」「ショボすぎて笑う」などと冷笑の嵐が吹き荒れた。
とあり、「同社のキャンペーンは演出過剰としか言いようがなく、消費者に失望と後悔を呼び起こした。表立ったクレームよりも、無言の離脱の方が、企業にとってははるかに深刻なダメージである。」と手厳しい内容です。
経営陣は、顧客の期待を超えるサービスが出来ているか、今一度考えなおす必要があるように感じます。
③創業家に忖度する経営?
株主から「創業家のMBOは、はじめからヤル気がなかった? 今後再度MBOをやることはあるのか?」という質問に井坂社長は「会社としては答える立場にない」と返答。
株主が「創業家の伊藤氏が来ている答えさせろ!」と声を荒げると、井坂社長は「新任取締役として来てる」「発言は議長に従ってください」とブロックしました。
結局、伊藤氏は一言も発しませんでした。
また、最後に新任社長のデイカス氏が流暢な日本語で新任の決意を述べたのに対し、代表権のある会長に就任する伊藤氏は最後まで発言することはありませんでした。
MBO失敗で株主に少なからず損害を与えている道義的な責任を感じているのであれば、なんらかのコメントがあってもしかるべきと思うのですが・・・
上記、日経新聞の「無風」総会の記事にも、「創業家の伊藤順朗副社長が代表権のある会長に就く人事の発表は、3月末の株主提案締め切り後にずらした。」とあります。
明らかに、会社も負い目を感じながら会長人事をやったことがわかります。
創業家に忖度する経営で変わることはできるのでしょうか?
④ACTのTOB
最大の関心事であるACTのTOBについて、井坂社長は「株主や企業価値の最大化に向けて議論している」「ACTの提案とセブン独自の対抗策両にらみで株主最大価値を示せるほうを選択する」と回答しました。
私もたびたび挙手したのですが当てられず、結局「いつ結論を出すのか?」という疑問は解消されませんでした。
ただ、私個人的には、敵対的買収はしない条件のもとに結ばれた秘密保持契約の期限(おそらく来年3月)までには結論が出ると思っています。
米国セブンINCの上場を、来年上半期くらいまでに実現したいと言ってましたので、ACTとしてはそれまでに決着をつけるつもりではないでしょうか?
秘密保持契約の期限がすぎても、ACTがアクションを起こさないのであれば、ACTのTOBも怪しくなるような気がします。
(ACTも業績不振で、法的拘束力もないため、いつでも取り消しできる。)
今日の印象では、セブンの独自対抗案では、ACTの18.19㌦(約2,700円)を超える株主価値を創造するのは難しいと考えます。
ACTのTOBに決着がつくであろう年度末までが賞味期限かもしれません。