10月17日(金)
【相場概況】

【売買代金】

【米株市況】

【個別銘柄】

三井E&S(7003)が、一時ストップ高になるまで買われ、年初来高値を更新しています。
ブルームバーグ通信が、17日、同社の船用エンジン事業の堅調な需要と、米国向けに舵を切った港湾クレーン事業の好調を背景に、2026年3月期の業績計画を上回る営業利益成長を見込んでいると報じました。
松村竹実CFO(副社長兼財務統括責任者)はインタビューで、両事業の第2四半期(7-9月期)利益成長が予想を大幅に上回ったと述べています。

また、SMBC日興証券が同社の業績予想を大きく上方修正し、目標株価を5,400円まで引き上げています。
SMBC日興の笹尾飛鳥アナリストはリポートで、重油と低炭素燃料を切り替えられる付加価値の高い二元燃料エンジンの売上高比率が上昇し、船舶エンジンを手がける主力の舶用推進システム事業の収益性が向上していると説明しており、「来期にかけても同エンジン比率の高まりによる継続的な収益性向上が期待できる」と指摘しています。港湾クレーンの受注も堅調が続き、来期も増収増益を見込むとしています。
これらを受けて、見直し買いが入ったようですが、ローソク足は長い上ヒゲを形成しています。
同社の2Q決算発表は11月12日ですが、上昇相場の持続性が注目されます。

任天堂(7974)が反発しています。
ブルームバーグ通信が17日、「任天堂が新型ゲーム機『ニンテンドースイッチ2』について、2026年3月末までに最大2,500万台規模を生産する計画だとわかった」と報じています。
報道内の計画する生産規模は、24年末からの累計台数であり、市場の想定を上回る規模の生産計画とみられています。
岩井コスモ証券の川崎朝映シニアアナリストは「市場は2,000万台程度をみていたとみられ、2,500万台規模ならばやや多い印象」と語る一方で、足元で調整基調にある任天堂株のトレンドを明確に変える材料になるとはいえず、上昇は短期的な動きにとどまりそうだとの見方を示しています。
同社の2Q決算発表は11月4日に予定されており、市場の注目が高まっています。

ツガミ(6101)が急伸し、年初来高値を更新しています。

同社は、集計中の9月中間期連結業績について、売上高が従来予想の540億円から600億5,000万円(前年同期比20.6%増)、営業利益が105億円から152億円(同53.3%増)、純利益が45億円から71億4,000万円(同48.3%増)に上振れて着地したようだと発表しました。
また業績上振れに伴い、中間配当予想を32円から36円へ引き上げています。
中国市場をはじめとして多少の動きが見られたものの、全体的には不透明感の否めないなか、各拠点で着実に事業を推進したことが奏功したとのことです。
本日の株価は全体相場悪の中、高値圏を維持して終えており、週明けの動向に期待を繋いでいます。
【本日のトピック】
TOTO(5332)


さて、本日はウォシュレットで有名なTOTO(5332)を紹介します。

同社は1917年に創業し、今年で108周年を迎える老舗企業です。

同社の売上高構成比は
・国内水回りの住宅設備 66%
・海外水回りの住宅設備 27%
・新領域事業 7%
で構成されています。

同社は、中期経営計画で2030年までに、売上規模1兆円以上、営業利益率12%以上とする目標を掲げています。

同社の2026年3月期1Q決算は、新領域事業以外は減収減益で着地しています。

ただ、 ドル円が想定より円安なため、2Qは増益に転換している可能性もありそうですね。

2025年4月に18代社長に就任された田村信也氏は、中期経営計画達成に向けて明確な戦略を語っています。

日本や中国はベースモデルとして位置づけ、リモデル(生活スタイルや価値観に合わせた再設計)中心の安定成長を目指します。


日本市場は新商品投入で、資材高や人件費をカバーし、不動産市況の厳しい中国ではリストラを推進し、リモデル事業の基盤構築を計ります。
成長戦略① 米国販売強化
田村社長は社長就任前に米国に役員として駐在していた経験を活かし、同社の成長を米国に活路を見出しています。
同社は、米国のジョージア州に300億円を投じ、先端の自動化技術を取り入れた生産ラインを稼働させ、トイレなど衛生陶器の生産能力を1.5倍に高める予定です。

意外にも、日本で8割超の普及率をほこるウォシュレットは米国では3%程度の普及率にすぎないようです。
それでも市場規模が巨大なため、米国でのウォシュレットの販売台数は普及率8割超の日本の3分の1に達してきています。

すでに、米中の売上高や営業利益は逆転してきました。
米国も金利高で住宅市況自体は芳しくないものの、インバウンドで日本に旅行した人が、ウォシュレットの使用を実感して買い求めたり、1品種1業者と決められているコストコで販売されていることなどからも、米国での認知度は急速に高まっているようです。

そして、米国も金利低下傾向が鮮明になり、高止まりしていた住宅ローンが下がってきています。

10/16に発表になった米NAHB住宅市場指数も予想を上回りました。
米国では1つの住宅にトイレが3つ、4つ、ついていることが普通であり、住宅市況の回復は同社の業績に直結しそうです。
成長戦略② 新領域事業

そして、同社が成長戦略の2本柱として掲げているのが新領域事業です。
同社の静電チャック・AD部材は、先端半導体の製造に使われるエッチング工程の半導体製造装置に採用されており、半導体市場の伸長に伴い、出荷が増加傾向にあるようです。
450mm対応をうたう数少ない日本製のひとつであり、参入障壁も高いことが知られています。

中期経営計画には、現状売上CAGRは7%にすぎない新領域事業は20%程度まで伸びる予想が記されています。

PERは20.8倍、PBR1.29倍、配当利回り2.55%です。
株価も過熱しているようには見えませんね。

同社は株主への利益還元を経営の重要課題として位置づけており、配当政策については、安定的な配当を維持・増配を基本方針とし減配は原則回避することとしています。
配当性向は40%以上を設定しています。

自己株取得は資本コスト・株価水準・キャッシュ余力を総合的に勘案し、機動的に実施する方針で、2025年は実施されています。
同社の次回決算は10月31日ですが、押し目は狙ってみたい銘柄です。