10月28日(火)
【相場概況】

【売買代金】

【米株市況】

【個別銘柄】

水道施設建設のメタウォーター(9551)が続伸し、上場来高値を更新しています。

同社は、27日大引け後に2026年3月期の連結純利益を前期比30%増の89億円に上方修正することを発表しました。
また、年間配当も前期比20円増の70円と従来予想から14円増やすことを公表しています。
北米や欧州の子会社の業績が好調なほか、コスト管理も業績に寄与したようです。三菱UFJeスマート証券の山田勉マーケットアナリストは「日本株高で個人投資家は資金余力があり、好決算の銘柄に買い向かっている」と指摘しています。
株価は目先3,200円超が固まれば新しい相場が始まっていくものと思われます。

サンテック(1960)が場中値つかずのストップ高比例配分になり、大幅に年初来高値を更新しています。

同社は、27日、業績予想修正を発表し、2026年3月期第2四半期累計の連結経常利益を従来予想の6億円から15.3億円へと2.6倍上方修正しています。
同社は電気工事大手ですが、海外売上比率が約5割を占めており、マレーシアでのデータセンター(DC)関連の工事などが収益押し上げに寄与しているようです。

同社は投資指標面からも超割安圏に位置し、PBRは0.5倍台と会社解散価値の半値水準に放置されている一方、配当利回りが3.8%前後と高く株価見直し余地の大きさも意識されているようです。
株価は一段高が期待できそうです。

イビデン(4062)が大幅続伸になり、年初来高値を更新しています。
日本経済新聞社は27日の取引終了後、日経平均株価の構成銘柄であるニデック(6594)について、東京証券取引所が特別注意銘柄への指定を発表したことに伴い、11月5日付で銘柄を入れ替えると発表しました。
ニデックを除外し、同社を補充します。
SMBC日興証券では約3,300億円の買い需要が発生し、16.3日分の売買インパクトと推定しています。
大きな買い需要の発生を先取った買いにより、株価は新しいステージに入ってきた印象です。
【本日のトピック】
レーザーテック(6920)

さて、本日はレーザーテック(6920)を紹介します。

同社は、半導体関連検査装置の開発‧製造‧販売を主力事業とし、特にEUV(極端紫外線)マスク検査装置において世界シェア100%を誇っています。

かって、日本はDRAMで世界を席巻しました。
しかしながら、時代が進み、設計は米国、製造は台湾・韓国に凌駕されました。
誰もが「日本の半導体は終わった」と思いましたが、日本は得意とする「削る」「洗う」「測る」という精度と職人技の積層領域を活かし、上記の表の下層分野でしたたかに生き残ってきたのです。

中でも、“回路を焼き付ける”ためのマスクを検査する装置を、世界で唯一つくれる企業がレーザーテック(6920)であり、同社が止まれば、AIもEVもスマートフォンも、世界の生産が止まることを意味します。
米中対立が深まる中、この構造は経済安全保障のカードでもあり、同社はもはや“装置メーカー”ではなく、文明の基盤装置を握る存在になっています。


日経平均が5万円をつける中、同社株が高値の半値レベルで推移しているのは、2026年6月期の売上が2,000億円と過去最高を記録した2025年6月期から2割程度の減額を見込んでいるからと思います。

同社は、TSMCやサムスン、インテルなど少数の大手顧客の依存が高く、4QにACTISのキャンセルが発生。
受注残が大きく減少しており、その影響を今期予想に反映しているものと思われます。
ただ、同社の仙洞田社長は、2026年初頭あたりから徐々に回復してくると語っています。
先週も、売上の約3割強を占めるインテルが強気の決算見通しを発表していますが、日経CNBCで仙洞田社長も「顧客から具体的な引き合いも入ってきている」と明かしています。
インテルについては、「第二の黄金期」に入ると分析する人もいますね。

同社は2026年6月期売上を2,000億円、コンセンサスは2,123.5億円です。
同社の決算発表は10/31ですが、会社側が再三説明している「受注回復は26年から」という見通しに変化があるのかどうか注目です。
ここで、「受注回復の前倒し」あるいは「すでに回復している」などという言葉が出れば、株価はポジティブに反応するでしょう。

ちなみに、同社はROE46.88%、営業利益率48.9%と極めて高い収益性を実現しており、自己資本比率63.7%、有利子負債ゼロと財務体質も健全です。

配当方針は連結配当性向35%を目安としつつも、業績に応じて弾力的に運用していく姿勢で、減益予想の今期配当も前期と同額の329円を予定しています。

株価は、22,000円どころは、価格帯も厚く抵抗帯になっていますが、長期の月足MACDが陽転してきており、視界も明るくなってきているように感じます。
押し目は積極的に仕込んでいきたい銘柄です。