10月31日(金)
【相場概況】

【売買代金】

【米株市況】

【個別銘柄】

JT(2914)が大幅続伸し、上場来高値を更新しています。

同社は、30日、2025年12月期(今期)の連結純利益(国際会計基準)が、従来予想の4,940億円から前期比3.1倍の5,620億円になりそうだと発表しました。
市場予想平均であるQUICKコンセンサス(24日時点、9社)の5,101億円を上回る業績見通しを好感した買いが集まったようです。

また、業績好調につき、1株あたりの年間配当は従来計画の208円から26円上積みし、234円(前期は194円)としています。
ロシアやトルコなど海外でのたばこの販売数量増加や値上げ効果、国内で加熱式たばこの新製品が好調なことなどを反映したようです。
極東証券経済研究所の鈴木あす香主任研究員は「配当の増額は今期2回目で、業績の伸びに加えてポジティブサプライズ」と語り、12月末に向けては配当権利取りの買いも相まって、配当利回りで4%となる5,850円前後まで上昇余地があると話しています。

アンリツ(6754)がストップ高まで買われ、年初来高値を更新しています。

同社は、30日の取引終了後、2026年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算を発表しました。
売上高が前年同期比3.0%減の516億9,300万円、営業利益が同40.7%増の50億3,200万円、最終利益が同70.2%増の38億900万円で着地しています。

9月中間期では減収となった一方、7-9月期では売上高が前年同期とほぼ同水準となり、最終利益は2倍超に拡大しています。

受注高は前四半期の水準を上回るなど回復基調がみられ、データセンター向けの通信計測需要を支えとした業績拡大シナリオが意識される形となり、買いが集まったようです。
同社は、下期にかけての受注加速も見込んでいるもようで、株価も一段高が期待できそうです。

ミンカブ・ジ・インフォノイド(4436)が大幅反発しています。
足元では弱い動きが続き4月に付けた上場来安値も意識される水準となっていましたが、本日の大幅高で切り返してきた格好です。

同社は、30日、2026年3月期の通期業績予想の上方修正を発表しました。
売上高を87億円から88億円(1.1%増)、経常利益を1.5億円から2.5億円(66.6%増)へ上方修正しています。
ソリューション事業、メディア事業の両事業ともに売上高が堅調に推移するとともに、本社費用の効率化も進展したとのことです。

なお、今回の上方修正は2Q累計期間の上振れ分だけを反映したとのことで、下半期については期初計画を据え置いています。
ただ、7-9月は全月単月営業黒字になっているとのことで、足下の10月においても同様の状況が継続しており、現時点で連結営業黒字が定常化していると見られます。
それだけに下半期も上振れる期待があり、更なる上方修正も意識されている模様です。
まずは11月14日に発表される2Q決算の数字が注目されます。
【本日のトピック】

さて、6月24日のこのブログでも取り上げたファイブスター投信投資顧問が運用する資本効率向上ファンド(愛称:TOBハンター)ですが、その後もかなりの成績を収めています。

運用を開始して、わずか8か月で2割以上の成績をたたき出してきていますので、まずまずの実績ですね。

同ファンドは「親子上場解消などを背景として他社からのTOBの可能性の高い銘柄に着目した投資」をコンセプトにしています。

実際、同ファンドの組み入れ銘柄から多くのTOB案件が生まれています。

上記は9月30日の同ファンドの月次報告書に記載されている同ファンドの組み入れ上位銘柄です。
そして、30日には、同ファンド組み入れ上位銘柄の中からブレインパッド(3655)が富士通(6702)にTOBされることが発表になりました。

圧巻なのは、その上乗せプレミアムでブレインパッドは実に96.5%ものプレミアム率がつき、過去5年のTOB、MBOでは断トツのパフォーマンスです。

ブレインパッドについては、私も最近まで保有しており、株主総会に出席し、関口社長に「資本提携強化の方針があるか?」などと質問したのですが、「今のところその予定はない」とおくびにも出さずに返答され、これから目指す中長期計画を説明されましたので、これは当分TOBはないと判断して、需給の悪さを懸念して薄利で売却していました。
持っていれば、ダブルバガー以上になっていただけに、断腸の思いです。
それにしても、ブレインパッドは独立系で親子上場銘柄でもなかったため、同ファンドの慧眼には感服するばかりです。
トレンドマイクロ(4704)


同ファンドの組み入れ銘柄であるトレンドマイクロ(4704)あたりもマークすべき銘柄かもしれません。

同社には、これまで、米国のベインキャピタルやアドベント・インターナショナル、スウェーデンのEQTなど複数のファンドが買収に関心を示していると言われています。
今年の2月に買収報道が報じられると株価はストップ高まで買われ12,160円の上場来高値を記録しています。
ただ、その後、会社側は公式コメントを控え、交渉の詳細は非公開のままになっており、市場では「ぽしゃった?流れた?」説が広まり株価は調整してきています。

同社の2025年12月期2Q決算を見ると、営業利益は2桁増で堅調であることが伺えます。
売上高は横ばいですが、人件費やクラウドコスト削減などで営業利益率が大きく改善しています。
一方で、経常利益と純利益は為替差損(約80億円)の影響で減益となっています。

とはいえ、営業活動によるキャッシュフローは350億円超です。
潤沢な現金・預金(1,954億円)を保有しており、財務基盤は極めて堅固と言えるでしょう。

高市政権の政策文脈に照らすと、同社は複数の柱で恩恵を受ける構造です。
防衛費増額がハード(装備)中心で語られがちな中、
情報防衛=サイバー防衛 の重要性を政策が強調することで、同社のような“デジタル防衛銘柄”が市場の主役へと浮上する可能性がでてきています。
株価は8,000円どころの価格帯が厚く、戻り売りも想定されやすいところですが、週足のMACDが煮詰まりつつあるように思います。
なるべく引き付けて仕込んでおけば、あわよくば・・・ということもあるかもしれません。