12月12日(金)
【相場概況】

【売買代金】

【米株市況】


【個別銘柄】

ラクスル(4384)がストップ高まで買われています。

同社は11日引け後に、MBOの一環としてゴールドマン・サックス・グループと組み、株式取得を目的に設立したR1がTOBを実施すると発表しました。
買付価格は1株1,710円で、同社はTOBに賛同の意見を表明しています。
買い付け予定数は6,106万2,650株、下限は3,969万9,100株とし応募が下限を下回る場合は買い付けを実施しない予定です。
買い付け期間は2025年12月12日から26年2月4日とされ、東京証券取引所は11日、同社を監理銘柄に指定すると発表しています。

ビジョナル(4194)がが大幅反発しています。

同社が、11日に発表した2025年8〜10月期の連結決算は、営業利益が前年同期比30%増の70億円で着地しています。
市場予想平均であるQUICKコンセンサス57億円(10月9日時点)を上回っており好感されたようです。
主力の転職サイト「ビズリーチ」が、即戦力人材の引き合いが強く、伸びているようです。
2026年7月期(今期)の営業利益予想は前期比8%増の231億円で据え置いていますが、野村証券の嚴智用リサーチアナリストは11日付リポートでビジョナルの販管費実績が140億円と野村の事前予想の155億円より少なかったと分析しています。
「通期利益計画の達成確度は高まり、費用の管理次第では上振れもあり得る決算内容だ」と評価しています。
同社は、求職者や求人企業のほか、両者を結びつけるヘッドハンターの成功報酬料率を26年2月以降の契約から引き上げると発表しました。
野村の嚴氏は、今期業績への貢献は限定的と会社側がみているため精査が必要だが「ビズリーチの利益成長を高める材料として株式市場で好感されるだろう」との見方を示しています。

リバーエレテック(6666)がストップ高まで買われています。

同社は11日引け後に、生成AIの普及に伴い急速に拡大するデータセンター市場に向けて、次世代高速通信に不可欠な超低位相ノイズ・低ジッタ水晶発振器「KCRO-05」を開発し、量産化に向けた体制を整備すると発表しました。
同製品は独自の特許技術を応用した戦略製品群の第4弾です。
来期から本格的な量産出荷を開始し、顧客の需要拡大に合わせて順次生産能力を拡大していく見通しです。
中長期的に大きく業績に寄与することを見込んでいるとしており、株価は年初来高値を目指す動きになりそうです。
【本日のトピック】

さて、12日の日経平均CFDは50,139.10円 -697.45円で終わっています。
SOX指数も-5.10%の大きな下落で終わっていますね。
下落の主要因はブロードコム(AVGO)とオラクル(ORCL)の下落です。


ブロードコムは11%を超える下落になりました。

同社の25年4Qの売上高は、180.2億ドル(前年比+28%)で、市場予想を上回り、調整後EPSは1.95ドル(前年比+40%)と大幅な利益成長を示しています。
ただ、マーケットは、タンCEOが「AI製品の受注残が730億ドル(約11兆3500億円)に達しており、今後6四半期にわたって出荷される」と説明したことに関し、システム販売増で粗利益率が下がる事を悪材料と見なしたようです。
ただ、同社のビジネスの構造上、システム販売が増加すると、粗利益率の低下は必然的に起こります。
今回の下落要因は、市場は既に同社の素晴らしさを株価に織り込んでおり、もっと強気の見通しをしっかり提示してほしかったということであり、ある程度調整が進めば下げ止まるものと思われ、むしろ長期投資家にとっては買いの好機になるものと思われます。


それに対して、オラクルの調整はブロードコムと比べて長引くかもしれません。
ブルームバーグ通信は12日、同社がオープンAIに提供する人工知能(AI)データセンターについて、一部施設の完成時期を2027年から28年に延期すると報じました。
同社は「契約義務の履行に必要な拠点で遅れは発生しておらず、すべての主要工程は計画どおり進んでいる」と報道を否定するコメントを発表しましたが、マーケットはなお懐疑的な目でみているようです。

同社は、データセンター投資を年間500億㌦(約7兆8,000億円)へ拡大し、長期負債も前年比25%増の999億㌦(約15兆5,000億円)に膨らんでいます。
巨額の借入を抱えつつOpenAI向けインフラを構築する構図は、大口顧客依存という同社の構造的脆弱性を浮き彫りにしており、仮にOpenAIの契約がキャンセルさせる事態になれば、財務基盤が長期的に悪化することは避けられません。


ブロードコムのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が低位安定しているのに対し、オラクルのCDSは急拡大していることがマーケットの不安を表しています。
ただ、この答えは一朝一夕にでるものではありません。
かって、ソフトバンクがボーダフォンを買収した時、無謀な挑戦と揶揄されましたが、結果、日本の名だたる通信会社に変貌したきっかけになったことに似ているような気がします。
AIの進化がむしろ想像以上に拡大し、過剰設備投資どころか、設備投資は、なお不足するとの意見もあります。
現段階では、漠然とした将来不安でしかなく、マーケットも顕在化しないリスクにも慣れてくるでしょう。

そして、こうしたマーケットの反応は「AIバブルの崩壊」ではなく「AI投資の現実化」に目が向き始めた健全な流れです。
上記の表はエヌビディア(NVDA)も含めた決算後の株価下落の構造をまとめたものですが、いずれも好決算にもかかわらず株価は下落しました。
これは、マーケットが「AIでどれだけ売上が伸びるか」ではなく「AIでどれだけ利益が残るか」を見始めたことに他なりません。
恐らく、この流れは日本株の銘柄選定においても同様と思われます。
「AI投資はじめました」とか「データセンター建設します」といった思惑による株価上昇は徐々に短命化していき、「AI+CF(キャッシュフロー)創設力」が株価上昇の評価軸になってくるでしょう。
AI関連投資は新たなフェーズに入ってくるものと思われます。