5月22日(金)
【相場概況】

【売買代金】

【ヒートマップ】

【個別銘柄】

研究機関向けなどの高性能計算機を製造するHPCシステムズ(6597)が急伸し、ストップ高まで買われています。
米商務省は21日、量子コンピューターなどを手掛けるIBMなど米国内の企業9社に計20億ドル(約3200億円)を出資すると発表しました。
IBMが量子計算向けウエハー製造子会社設立に10億ドルを受け取る他、グローバルファウンドリーズやアトムコンピューティング、D-ウェーブ・クオンタムなどが対象となっています。
高市早苗政権も成長戦略の核となる17分野の一つに量子分野を盛り込んでいます。
SBI証券の鈴木英之投資情報部長は「米政府の動きを受け、改めて重要テーマだと意識した買いが入っている可能性がある」とみているようです。

本日は、同社株だけではなく、フィックスターズ(3627)や多摩川ホールディングス(6838)、アステリア(3853)など量子コンピューター関連の銘柄が物色されています。

Synspective(290A)が大幅高になり、年初来高値を更新しています。

野村証券が21日、同社の目標株価を1,753円から2,082円に引き上げました。
レーティングは3段階で最上位の「バイ」を継続しています。
同証券は、小型SAR衛星運用企業は世界で5社程度にとどまり運用機数も限定的であるものの、国家安全保障需要が欧州やアジアで拡大し、中期では米国市場も有望とみているようです。
同社の海外売上高は2028年頃から拡大する見通しで、SAR衛星コンステレーションを構築し、同社が世界有数のSAR衛星データを蓄積できるチャンスがあると指摘しています。
同証券は同社が宇宙サービス関連では最も有望とみているようです。

また、高市首相が、日本人宇宙飛行士の月面着陸実現に向け、宇宙開発を後押しする考えを示したことが伝わっており、本日は同社株のほか、アストロスケール(186A)やアクセルスペース(402A)、ispace(9348)などが大幅高になっています。
また、引き続き、米スペースXの上場を睨んだイベントドリブン的な動きもあるものと思われます。

マイクロ波化学(9227)がストップ高まで買われています。

同社は21日、米アマゾン・ドット・コムのデバイスの環境負荷低減に貢献する技術を持つ企業に対し、技術導入の可能性や協業機会の創出を支援するプログラム「アマゾン・デバイセズ・クライメート・テック・アクセラレーター」に採択されたと発表しました。
同社は金属回収ソリューションとして「低濃度貴金属回収事業」を提案しており、今後、アマゾン側と共同で統合計画を策定し、10月に予定されるアマゾン・デバイセズの上級幹部向けプレゼンテーションに臨むとしています。
株価は、ストップ高の一本値で差し引き564万株超の買い物を残しており、上値余地も残されていそうです。
【本日のトピック】
さて、6月12日に新規上場するスペースX(SPCX)に注目が集まっています。
同社のIPO時価総額は約1.5〜2兆㌦が有力視されており、複数メディアでは中心値として1.75兆㌦前後が最も多く報じられています。
エヌビディア:5.2兆㌦
マイクロソフト:3.1兆㌦
アルファベット:2.5兆㌦
テスラ:1.6兆㌦
これは、世界トップ10クラスの時価総額になり、宇宙企業としては圧倒的1位です。
同社の2025年12月期の売上高は186億7,000万㌦、最終損益は49億㌦の赤字で着地しています。

時価総額を1.75兆㌦と仮定すれば、PSRは93.73倍になります。
エヌビディアのPSRは20〜30倍前後、SaaS高成長企業は10〜30倍、一般製造業は1〜5倍なので、普通のロケット会社なら説明不可能な水準ですね。
市場はロケットを評価しているのではなく、「Starlink+AI+宇宙インフラ+xAI」全体の将来支配力に期待しているということでしょう。

同社の主力事業は大きく3つに分かれています。
① Starlink(衛星インターネット)
・全世界を衛星ネットワークで接続
・通信インフラを地上設備から宇宙へ移行
・災害・軍事・遠隔地通信需要拡大
② 宇宙輸送
・人工衛星打ち上げ
・NASA宇宙飛行士輸送
・月面計画
③ AI・データセンター構想
・xAIとの連携
・大規模AI計算需要
・太陽光エネルギー活用
「宇宙」+「AI」+「通信」の融合企業になっており、現在市場で最も資金が集まるテーマを全部持っている状況であることがわかります。
IPO後にどうなる?
シナリオ① 初日急騰
個人投資家参加が非常に多いと報じられています。
テスラと同様に、「イーロン・マスク銘柄」として投資資金が集中する可能性があります。
過去の大型IPOでも初日は20~50%上昇した事例があります。ただし、その後数週間で調整するケースも少なくありません。
シナリオ② AI関連資金がさらに宇宙へ流れる
現在の市場は、半導体 → AI → データセンターへ資金が集中しています。
SpaceXが成功すると次の流れとして、AI → 宇宙インフラ → 宇宙関連部品・材料への波及が起こる可能性があります。
日本株も、前述の【個別銘柄】で取り上げた宇宙関連や、
三菱重工(7011)、IHI(7013)、川崎重工(7012)あたりの防衛関連はマークしておいたほうがよさそうです。
シナリオ③ 短期バブル化
注意点もあります。
当初は、大量の個人投資家参加が予想されています。
個人投資家が多い銘柄は、上昇時に乗り遅れまいと買いが殺到し、下落時は「利益確定売り」が一気に発生しやすくなります。
同社の初期のボラティリティはかなり高くなる可能性があります。
市場はいつも、新しいテーマが生まれる初期段階で「未来」を過剰に織り込む傾向があります。
投資家として重要なのは、「SpaceXを買うか」ではなく、「SpaceXのエコシステムで誰が利益を得るか」を考えることだと思います。
ロケットそのものだけではなく、衛星、半導体、データセンター、特殊材料、超合金、電力、AIインフラなど、宇宙経済の裾野は非常に広くなります。
もしSpaceXの上場が成功すれば、市場は非常に盛り上がるでしょう。
過去数年間は、半導体 → A I → データセンターという流れで資金が動いてきましたが、同社の上場によりAI → 宇宙インフラ → 宇宙関連部品・素材という新しいテーマへ資金が流入するきっかけになる可能性があります。
日本株にも宇宙、防衛、衛星、特殊材料などへの資金流入が起きる可能性があり、しっかりマークしておきたいところです。