5月29日(金)
【相場概況】

【売買代金】

【ヒートマップ】

【個別銘柄】

キーエンス(6861)が大幅反発しています。

ゴールドマン・サックス証券が28日付で投資判断を3段階で真ん中の「中立」から最上位の「買い」に引き上げています。
目標株価も従来の82,000円から100,000円に上方修正しており、材料視した買いが活発になったようです。
ゴールドマンの担当アナリスト、諫山裕一郎氏らはリポートで、ファクトリーオートメーション(FA)機器の需給が逼迫する中、「キーエンスが人工知能(AI)関連の設備投資需要から恩恵を受ける立場にある」と指摘し、株価のバリュエーション(投資尺度)は「過去最高値に近い水準が妥当」と評価しています。
同社が6月12日に開く定時株主総会では、取締役会の決議で自社株買いができるよう定款変更を諮る予定です。
諫山氏らは、資本政策について「株主還元と情報開示により積極的になる姿勢が今後も続いていく」と想定し、キャッシュアロケーション(資金配分)の変更によって総還元性向で6〜7割が目安になると予想しています。

SUMCO(3436)が続急伸して、年初来高値を更新しています。

野村証券では同社株の投資判断「バイ」を継続し、目標株価を2,270円から4,100円に引き上げています。
GPU/HBM向けの需要が強く、AI需要が学習から推論にシフトすることで、CPU/NAND向けの需要も拡大しているとして、2027年以降の300ミリウエーハの需要見通しを引き上げているようです。
長期契約の更改時に契約価格が引き上がる余地もあり、2027年12月期、2028年12月期には大幅な損益改善が期待できるとしています。
株価は本日の大幅高で新たなステージに入る可能性が出てきていそうです。

キッツ(6498)が大幅高になり、一時14.4%高の2,410円まで上昇し、2月12日につけた高値2,351円を上抜き、約3カ月半ぶりに上場来高値を更新しています。

市場では「半導体製造装置向けバルブの受注が2月に過去最高を記録したほか、その後も受注拡大基調が継続していることから見直し人気が再燃しているようだ」(中堅証券調査部)という指摘がされています。
同社は総合バルブメーカーで国内トップシェアを誇っていますが、生成AI向けの半導体需要の高まりを背景に追い風が吹いているようです。
また、AIデータセンター向けでは、製造装置用とは別の範疇で熱を冷ます冷却水を通す水冷用バルブへの引き合いも高まっており、収益環境を一段と後押ししているもようです。
株価は今年に入ってからの上値抵抗レベルを一時上放れましたが、その後は押し戻されており、目先は2,350円台での戻り売りを吸収できるか注目されます。
【本日のトピック】

さて、Dellの株が急騰しています。
Dell株と言えば、トランプ大統領が5/8のホワイトハウスのイベントで「だから、デルを買いなさい。素晴らしい会社だ」と発言(思いっきりインサイダーやな!)したことが知られていますが・・・
2026年1~3月期の資産報告書で、トランプ大統領が「くら寿司」の米国子会社「くら寿司USA」の株式を取得していたことをメインで日本のメディアは報じているが、重要なのはそこじゃない。
— あいひん (@BABYLONBU5TER) 2026年5月20日
この時期には、ベネズエラ侵攻やイラン攻撃など、市場に大きな影響を与える政策が相次いでいた。… pic.twitter.com/69SqEmedHl
ならば、同じくトランプ大統領が大量保有しているくら寿司(2695)も上がるのでしょうか?
(フジクラと間違った?)

重要指標
⭕️ 売上(Revenue):$43.84B(予想 $35.43B)
⭕️ Non-GAAP EPS:$4.86(予想 $2.94)
▶️ AIサーバー収益:$16.1B
▶️ Adjusted Free Cash Flow:$3.165B
▶️ 純利益(Net Income):$3.44B
ともあれ、今回のDell株の上昇を全部トランプ要因で説明するのは無理筋です。
同社の決算を見るとAIサーバー売上が161億㌦となり、前年比+757%という驚異的な伸びを示しています。
そして、さらにAI売上見通しも500億㌦から600億㌦へ引き上げています。
これはかなり異常なレベルで、政治的な材料よりも、AIインフラ需要が想像以上だったことが評価されたものと思います。
マーケットはDellを「次世代AIインフラ銘柄」として扱い始めており、投資のテーマがAI半導体そのものだけでなく、AIインフラに拡がりをみせてきていることを示しています。

日本の企業でDellに近い「AIサーバー売上が伸びる企業」をCopilotに聞いてみて出てきたのが上記の銘柄群です。

キオクシアを筆頭に、すでに、かなり物色されていますが、GMOインターネット(4784)だけは、下落の一途をたどっています。


そもそも何の会社?

同社は、いわば、ウェブサイトの「住所(ドメイン)」と「土地(サーバー)」を貸し出すネットの「不動産屋」と言える存在です。

そして、すでに新規事業としてエヌビディアのGPUを提供する、AIインフラ会社に生まれ変わっており、業態変更に取り組んでいます。

2026年1Q決算をみても、おおむね順調です。
なぜ下落?

同社株の下落要因はひとえに需給です。
同社は4月に大きなファイナンスを実施しました。
- 公募 3,000万株
- 売出 6,150万株
- OA 1,372万株
- 合計約1.05億株
- 発行済株式数比で約38%規模
公募は同社によるものですが、売出は親会社のGMOインターネットグループ(9449)によるものです。
これにより、親会社の持ち株比率は91.9%→58.1%に低下予定で、東証プライム維持基準の流通株式比率を適合させるための措置でした。
同社は5月14日に維持基準をクリアしたことを公表しています。
維持基準を満たすためとはいうものの、かなりの大規模なファイナンスであり、希薄化が嫌気されていることは間違いありません。
そして、公募価格は710円で決まっており、時価の500円近辺に比べればPO投資家は含み損をかかえているため、戻り売りも出やすく、当面需給は重いと言わざるを得ません。

ただ、同社は四半期配当(年4回配当)と配当性向100%を宣言しています。
成長株でありながら、配当利回りは4%を超えていますので、ここからの下値は限定的でしょう。

同社は調達資金をAIサーバーに積極投資しており、
- GMO GPUクラウド
- NVIDIA H200
- NVIDIA B300(Blackwell Ultra)
- HPC向け運用基盤
を整備しています。
特に国内初クラスとしてNVIDIA B300サーバー200基を導入すると発表しており、かなり積極的に攻めてきています。
Dellのように、巨額な受注残高があるわけではなく、まだ立ち上がりの段階ですが、順調にいけば日本有数のAIサーバーインフラ会社に成長しそうです。


そして、面白いのは完全自動運転を目指すチューリングに出資し4年間のGPUクラウド長期契約を結んでいるところです。
完全自動運転を目指すチューリングは、これから世界中の道路のデータを学習させるために、とんでもない量の計算力が必要になります。
つまり、同社はGPUを買っただけではなく、利用先まで押さえにいっているという構図です。
結論
・当面は需給が厳しい
・AIサーバー需要が、今後も3年~5年続けば、日本有数のAIインフラ会社の成長
・高配当が維持できれば下値は限定的
・PO価格の710円浜辺をクリアしてくれば需給悪から脱出
これからも継続的に監視していきたい銘柄です。