6月5日(金)
【相場概況】

日経先物 63,835円 -2,835円 -4.25%
関税ショック以来のおはギャー!状態
【売買代金】

【ヒートマップ】

【個別銘柄】

https://www.fujimediahd.co.jp/
フジ・メディア・ホールディングス(4676)が大幅反発しています。
米ブルームバーグ通信が4日、「フジ・メディア・ホールディングスが進めている不動産子会社売却を巡り、1次入札で1兆円を超える応札が相次いだことが分かった」と報道しています。
同社の不動産事業にはサンケイビル(東京・千代田)など都心一等地の物件や観光施設が含まれます。
5月18日に行われた1次入札で、米投資ファンドのKKRやブラックストーンなど15社以上が応札し、複数の候補が1兆円超を提示したとのことです。
SBI証券の鈴木英之投資情報部長は「想定を上回る高値の応札が相次ぎ、資産価値の再評価や本業への集中に対する期待が高まっている。今後は売却プロセスの進展や財務面の改善が焦点になる」と指摘しています。
株価はザラ場高値から押し戻されて終えましたが、早期に4月7日の年初来高値4,466円を捕らえることができるか注目されます。

日本製鋼所(5631)が急反発しています。
日本経済新聞電子版が4日、「政府は原子力発電所を2040年代までに最大5基建て替えるとの目標を掲げる」と報じたのがきっかけになったようです。
報道によると、経済産業省は5日に開く総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)の小委員会で、原子力政策に関する行動指針の改定案を示すとしています。
40年代までの建て替え目標は2〜5基で、設備容量は最大550万キロワットと既存原発の約2割に相当する規模になります。
50年代までに最大14基を建て替える目標案も明記する予定で、了承されればパブリックコメント(意見公募)を経て、26年夏にも原子力関係閣僚会議で正式に決定します。

原発関連では、同社の他にも三菱重工(5631)やIHI(7013)、日本ギア工業(6356)、木村化工機(6378)、岡野バルブ製造(6492)等が物色されています。
松井証券の窪田朋一郎チーフマーケットアナリストは「建て替え目標の具体化を受け、長期的な需要や受注拡大への期待が高まっている」と指摘し、「今後は設備投資や予算など政策の具体化が進めば、株価の支えになる可能性がある」と語っています。

http://www.kikuchiseisakusho.co.jp/
菊池製作所(3444)が急反発しています。

同社のグループのイームズロボティクス社が6月3日から5日まで幕張メッセで開催中の「Japan Drone 2026」に「FUKUSHIMA DRONE」として出展しています。
経済産業省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)で開発を進めている次世代ドローン運航インフラ(ドローンステーション)やクラウド型運航管理システム、地域物流モデルをはじめ、防災対応ドローンや光ファイバードローンなどを展示し、福島県から発信するドローン社会実装の最前線を紹介しています。
株価は朝方の急騰後に伸び悩みましたが、早期に本日高値や25日線を上放れてくると戻り相場に入っていくことが想定されます。
【本日のトピック】

さて、休み明けのマーケットは、なかなかシビレル展開になりそうです。
NASDAQは4%超の下げ、SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)にいたっては10%を超える下落になっています。
なにが起こった?
①金利上昇

5日に発表になった5月米雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月から17万2000人増え、市場予想の8.9万人を大きく上回りました。


雇用統計発表後、CME FedWatchが示す年内利上げ確率は約70%まで跳ね上がり、米国の2年金利は今年の最高水準なで上昇しました。
金利上昇は、ここもとマーケットを引っ張て来たAI関連株にマイナスに作用します。
AI関連株は、将来利益への期待で買われています。
ところが、金利が上昇すると将来利益の現在価値が下がります。
つまり、AI関連株は利益ではなく期待で買われている部分が大きいため、金利上昇局面では真っ先に売られることになります。
②ブロードコムショック

4日に決算発表したブロードコム(AVGO)が暴落しています。
📊 決算ハイライト(FY2026 Q2)
• 売上高:221億8,700万ドル(前年同期比+48%)
• 調整後EPS:2.44ドル(前年同期1.58ドル)
• AI半導体売上高:108億ドル(前年同期比+143%)
• フリーキャッシュフロー:102億6,200万ドル(売上高比46%)
• Q3ガイダンス:約294億ドル(前年同期比+84%)
決算を見る限り、業績はむしろ絶好調です。
それでも、なぜ株価が下落したかを理由付けすれば「期待値の高さ」に行きつきます。
市場は同社を単なる半導体企業ではなく、エヌビディアに次ぐAIインフラ銘柄として評価しており、投資家は、「良い決算」ではなく「驚異的な決算」を求めていたということです。
つまり、業績は良く、ガイダンスも強いが、期待には届かなかったという典型的な期待先行の調整です。
そして、その背景には、AI関連株がかなり過熱しており、いつ調整に入ってもおかしくない局面に入っていたということが言えるでしょう。
あまりに好調に上昇してきたAI半導体関連株にとって、同社の決算は利益確定の格好の口実になりました。
いわば、AI相場の調整に使われたスケープゴートであったということです。
③スペースX IPO
ご存じの通り12日にはスペースXが上場します。
スペースXは1.75兆ドル程度の評価額で、750億ドル規模の資金調達を目指しているとされていますが、これは歴史的な超巨大IPOになります。
巨大IPOが出てくると、投資家はその株を買うために、既存の保有株を売るなどして、資金を捻出する必要が出てきます。
過去にも大型IPOの前には、半導体株・グロース株・AI関連株から資金が一時的に引き揚げられるケースがありました。
スペースXは巨額赤字のハイパーグロース銘柄です。
マクドナルドや、ウオルマートの株を売って、スペースXを買うのではなく、AI半導体関連株を売って、スペースXを買うのが自然です。
エヌビディアの株価が下落しているとか、ビットコインが下落している等の一部の要因は、こうしたキャッシュ捻出の売りがあると思われます。
これからどうなる?

残念ながら、今回の局面では日本株のほうが調整が大きくなる可能性があります。
上のグラフは、海外投資家の現物と先物の週間フローですが、年初から5月4週目までに約6兆円、昨年からの累計では約9兆円弱の買い越しとなっています。
今年の3月にイラン戦争が勃発した局面では、海外投資家は日本株を単月で3.6兆円も売り越しました。
リスクオフになった際には、海外投資家の急激な売りが殺到する可能性があります。

上のチャートは、過去5年間の日経平均株価とS&P500の対比であるNS倍率の推移です。
足元は米国株に対して、日経平均株価が極めて強い状況であり、過去5年の平均から3σも乖離している状態です。
足元の調整は、基本的には「過熱感の調整」のため、過去平均に戻るような逆回転の力が強くなるものと思われます。
そうすると日経平均株価は、米国株よりも弱くなると考えるのが普通でしょう。

そして、日本の場合は「政府、日銀、為替、金利」の問題もクローズアップされてくるでしょう。
いまのところ、6月の日銀の利上げは規定路線ですが、ドル円は、すでに160円を超えてきており、政府介入の有無も含めて話題にのぼるでしょう。
もし、日銀が利上げを見送った場合は、市場は日銀が完全にインフレに後手に回ってると見すかされ、長期金利の急上昇、為替市場での円安が同時進行する可能性もあるでしょう。
それではどうする?
・自分のリスク許容度の見直し
まずは、自分のポジションのリスク許容度を冷静に見直す必要があります。
信用でレバレッジを取っている人は、最悪追証、信用南京割れ等に追い込まれないよう、ある程度の建玉整理は覚悟すべきでしょう。
・休むも相場
今回の相場調整は、現時点で「一過性の調整」と判断するには早いと思います。
最初の売りは単なるポジション調整に見えることもありますが、売りが止まらないことで投資家心理が悪化し、株式市場だけでなく、ビットコイン、商品市場、原油、債券市場、クレジット市場へと波及していくことがあり得ます。
具体的には、6月のインフレ指標、FOMC、G7といった重要イベントを通過し、市場が金利、インフレ、地政学リスクをどの程度織り込んだのかを確認する必要があります。
安易に値ごろ感で売買すれば傷を拡げる恐れもあり、「休むも相場」と割り切る必要もあるかもしれません。
・相場から離れるな!
矛盾するようですが、一方で相場でなにが起こっているか常にアンテナを張っておくことが重要です。
今回はAI関連株の過熱感の調整になると思いますが、これはAI半導体相場の大きな流れが終わったという意味ではありません。
AIデータセンター投資、GPU需要、HBM、ネットワーク機器、電力設備、冷却装置といった中長期の成長テーマは依然として有効です。
米国経済は以前として強く、AI投資は単なるテーマ株相場ではなく、「設備投資のスーパーサイクル」です。
したがって、現時点での基本方針は、市場が落ち着くまでは無理にリスクを取りに行かず、重要イベントの通過と市場間の連動を確認する。
そのうえで、バリュエーションが十分に調整したAI半導体関連銘柄については、中長期の買い候補として検討するというスタンスです。