6月12日(金)
【相場概況】

【売買代金】

【ヒートマップ】

【個別銘柄】

日本郵政(6178)が大幅続伸し、連日で上場来高値を更新しています。

日興証券が11日、日本郵政の投資判断を3段階で真ん中の「2(中立)」から最上位の「1(アウトパフォーム)」に引き上げ、目標株価も従来の2,100円から2,700円に引き上げています。
佐藤雅彦シニアアナリストはリポートで、郵便法の改正法案が成立すれば、2027年10月からは郵便物を20円値上げできることに言及し、これまで日本郵便は人件費などの経費増加で利益が出にくい一方、値上げも容易でない状況だったが「値上げしやすい環境が整備されれば、日本郵便の企業価値評価にプラスになる」と判断したとのことです。


ちなみに5/15のこのブログで紹介したゆうちょ銀行(7182)も同証券は目標株価を2,500円から3,000円に引き上げています。
「純利益1兆円」は株価に織り込んだとしていますが、株価はすでに目標株価を超えています。
引き続き上値追いが期待できそうです。

イビデン(4062)が大幅続伸し、4日以来1週間ぶりに2万円台を回復しています。
バンク・オブ・アメリカが11日付でインテルの投資判断を「売り」から「買い」に2段階引き上げています。
エージェント型人工知能(AI)の活用拡大で、サーバー向けのCPU(中央演算処理装置)が成長すると予想しており、同社はインテルに半導体関連部品を供給しているため、市場では「インテルの業績成長の恩恵を受ける銘柄として買いが入っている」(国内証券ストラテジスト)との見方が拡がっています。
同社の株価は1日に株式分割考慮後の上場来高値となる23,145円を付けたあと、やや調整していたため、過熱感が解消し買いが向かいやすかった面もあるようです。

マルマエ(6264)が急伸しストップ高まで買われています。

同社は、11日、2026年8月期の連結業績・配当予想を上方修正したと発表しています。
今期の売上高予想は従来の見通しから23億円増額の200億円(前期比75.4%増)、最終利益予想は6億円増額の33億円(同2.4倍)に引き上げています。
半導体製造装置市場が好調に推移するなかで受注が急拡大しており、今後についても顧客から強い需要見通しを受けているとのことです。
期末配当予想については7円増額して26円に見直ししています。
4月1日付で実施した1対2の株式分割を考慮したベースで、今期の年間配当予想は45円になります。
同ベースで前期の年間配当は20円で、実質的な増配を計画しています。
株価は一段高が期待できそうです。
【本日のトピック】

さて、スペースX(SPCX)が上場しました。
上場前には、IPO参加資金を確保するための換金売りや、海外投資家によるドル買いなど、需給面での不安定要因が懸念されていました。
しかし、IPOが無事終了したことで、こうした特殊要因は一巡したと考えられます。
資金調達の側面だけ見れば、現時点ですでに成功と言えるでしょう。
ただ、そもそも市場に出回る株数が少ない上に、個人投資家への割り当てが30%→20%に減らされたため、需給がかなり逼迫しそうです。
流動性が低くなる分、ボラティリティは高まりそうですね。
そして、米国とイランが24時間以内に和平合意に達するとの観測が広がっています。


原油先物は下落しており、インフレ沈静化期待から日米共に先物が買われており、今週の株式市場はリスクオンに傾きやすい環境と言えるでしょう。
Anthropic「Fable停止」が示すAI相場の新局面
そんな中、やや気になるニュースが報じられました。
Anthropicの最先端AIモデル「Fable」「Mythos」の提供停止問題です。
ReutersやAxiosによると、米政府は国家安全保障上の懸念から外国人や海外利用者へのアクセス制限を要求しAnthropicはこれに従ったと報じられています。
私はこのニュースを、「AI版の半導体輸出規制の始まり」
として注目しています。
短期的にはAIグロース株には逆風ですが、
中長期的には
- GPU
- データセンター
- 電力
- 通信インフラ
- ロボティクス
にはむしろ追い風になる可能性があると考えています。
これまでのAI規制
これまでの規制は、【半導体を規制する】という考え方でした。

今回何が変わったのか

米政府はFableやMythosを、単なるソフトウェアではなく国家安全保障に関わる技術として扱い始めました。
なぜ株式市場は気にするのか
市場が警戒するのは、「高性能AIほど規制される」
という前例ができたことです。
これまで投資家は、
- OpenAI
- Anthropic
- xAI
が性能競争を続ければ企業価値も上がると考えていました。
しかし今後は、
- 規制リスク
- 輸出規制リスク
- 利用制限リスク
も織り込まなければなりません。
売られやすい銘柄
今回のニュースで最も影響を受けやすいのは、AIそのものへの期待で買われている企業です。
例えば
- PKSHA Technology(3993)
- HEROZ(4382)
- AVILEN(5591)
- Laboro.AI(5586)
- FRONTEO(2158)
など。
もちろん業績次第ですが、「生成AIの夢」に高い評価が乗っている銘柄ほど短期的には逆風になりやすいでしょう。
むしろ強いのはAIインフラ
一方で、今回のニュースは「AIが終わる」という話ではありません。
むしろ逆です。
政府が規制するということは、それだけAIが重要になったということです。
そのため恩恵を受けやすいのは、
AIインフラ関連
- アドバンテスト(6857)
- 東京エレクトロン(8035)
- フジクラ(5803)
- 古河電気工業(5801)
などになります。
さらに注目したいのはフィジカルAI
最近のマーケットでは、生成AIから「フィジカルAI」
への資金シフトが始まっています。

という流れです。
つまり、AIチャットを作る企業より、AIを現実世界で動かす企業に資金が向かう可能性があります。
日本株で言えば、
- 自動運転
- ロボティクス
- センサー
- 通信
- 電力
などのテーマです。
今週最大の注目点
私が注目しているのは、Anthropic停止そのものではありません。
NASDAQがこのニュースを無視して上昇するかどうかです。
もしNASDAQやAI関連株が強ければ、
市場は「AI規制強化」ではなく、「AIが国家戦略技術になった」と解釈していることになります。
まとめ
今回のニュースは、Anthropicの一企業の問題ではありません。
半導体輸出規制の次に、AIモデルそのものが国家管理対象になり始めた可能性があります。
短期的にはAIグロース株への逆風。
しかし中長期では、AIインフラやフィジカルAIへの資金シフトを促す可能性があります。
今週のリスクオン相場の中で、このニュースを市場がどう消化するのか。
その反応こそが、今後のAI相場を占う重要なヒントになるのではないでしょうか。