7月2日(木)
【相場概況】

【売買代金】

【ヒートマップ】

【個別銘柄】

カプコン(9697)が大幅続伸しています。

同社は、2日、人気シリーズ「鬼武者」の新作ゲーム「鬼武者 Way of the Sword」の発売日を従来の9月25日から、9月4日に前倒しすると発表しました。
2027年3月期への業績貢献が大きくなるとの期待から、買いを集めたようです。
鬼武者シリーズでは20年ぶりの最新作になり、同社は、「なるべく早く顧客に届けられないか検討した結果、前倒し発売を決めた」(広報担当者)と話しています。

11月には、テトリス、マインクラフトに並ぶと言われる人気アクションゲー「グランド・セフト・オート(GTA)」の新作が発売予定となっており、市場では「GTAとの競合を避ける面でも、鬼武者の発売前倒しはカプコンの株価と業績にポジティブ」(企業調査会社のアナリスト)との見方が聞かれています。

https://www.taiyo-bussan.co.jp/
大洋物産(9941)が急反発し、ストップ高まで買われています。

同社は、宅配ピザ「ナポリの窯」を展開するいちごHDを、7月1日付で完全子会社化したことを発表しました。
また、6月30日の定時株主総会での決議を経て、取締役に実業家の堀江貴文氏が就任しています。(胡散くさ!)
これを機に物色人気化し、商いを伴って株高に弾みをつけていますが、目先筋の買いがどこまで続くか注目されます。
【本日のトピック】
日本株を襲う2つの危機
AI効率化ショックと保護主義が市場を揺らす

さて、日本株に新たな試練が訪れています。
一つは、OpenAIによる「推論コスト半減」の報道。
もう一つは、トランプ政権によるUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)見直しです。
一見すると全く別のニュースですが、実は共通するメッセージがあります。
「これまでの勝ちパターンが変わり始めた」
ということです。
AIも製造業も、新しい時代へ入りつつあります。
危機① OpenAIショック
The Informationが「OpenAIが推論コストを半減させるソフトウェア最適化技術を開発した」と報じました。
報じられている内容
複数の引用記事を総合すると、ポイントは次の通りです。
- OpenAIのエンジニアが推論(Inference)コストを50%以上削減する方法を開発した。
- 新しいGPUを導入したわけではなく、既存GPUの利用効率を改善したことによる。
- ChatGPTのログインしていないゲスト利用者向けに適用したところ、必要なNVIDIA製GPU台数が、ある時点では数百台程度まで減ったとされ、市場に衝撃を与えました。

市場が最も驚いたのは、OpenAIがGPUを新しくしたのではなく、
ソフトウェアだけで推論コストを半減させた
と報じられたことでした。
市場は瞬時に、
「GPUが今までほど必要なくなるのではないか」
と考えました。
その結果、
・SOX指数は約6%超下落
・AMDは約7%下落
・インテルは約9%下落
・マイクロンは10%超下落
本日の日本市場においても
・キオクシアは13%超下落
・三井金属は11%超下落
・太陽誘電は約10%下落
・アドバンテストは約10%下落
ここもとの相場のけん引役であった半導体関連が軒並み売られています。
しかし、本当にAI需要は減るのでしょうか?

私はむしろ逆だと考えています。
歴史を振り返ると、効率化は需要を減らすのではなく、
需要を爆発的に増やしてきました。
蒸気機関。
パソコン。
インターネット。
クラウド。
どれも効率化によって市場は拡大しました。
今回も同じかもしれません。
推論コストが半分になれば、今まで高すぎてAIを導入できなかった企業が、一斉にAIを使い始めます。
AIエージェント
ロボティクス
自動運転
工場の自動化
医療AI
創薬AI
つまり、GPU1台当たりの処理量は増えても、AIを使う回数そのものは何倍にも増える可能性があります。
市場は今、「GPUが減る」ことばかり見ています。
しかし本当に重要なのは、「AI利用量は何倍になるのか」という点です。
危機② USMCA見直し

ロイターのスクープによると
- トランプ政権はUSMCAを現行のまま16年間延長することを拒否。
- ただしUSMCAがすぐ失効するわけではない。
- これにより2036年までの10年間、毎年レビューが行われることになる。
- 米国は協定改定を求めており、特に
- 自動車の原産地規則強化
- 米国製部品比率の引き上げ
- 中国企業の「メキシコ経由」の迂回輸出防止
を重視している。
といった内容です。
協定はすぐに失効するわけではありません。
しかし企業経営で重要なのは、制度そのものではなく
「将来どうなるかわからない」
という不確実性です。
これまで企業は、
「最も安く作れる場所」
としてメキシコへ投資してきました。
しかし今後は「最も安全に供給できる場所」へ投資する時代になります。
自動車業界では
日産、マツダ
部品メーカーでは
デンソー、アイシン
などは短期的に逆風となる可能性があります。
逆に恩恵を受ける企業は?
市場は悪材料ばかりに目が向きます。
しかし、危機の裏側には必ずチャンスがあります。
AI効率化で恩恵
・東京エレクトロン
・ソシオネクスト
・ソフトバンクグループ
GPUだけではなく、ASIC、SSD、AIソフトウェア、AIインフラへ市場の関心は広がっていくでしょう。
北米サプライチェーン再編で恩恵
・ファナック
・安川電機
・SMC
・JX金属
米国で工場が増えれば、工場自動化、電力設備、AIインフラ、高機能材料の需要も増えていきます。
投資家が本当に見るべきこと

今回のニュースを見て「AIは終わった」と考える人もいます。
私はそうは思いません。
今回終わり始めたのは
「GPUを大量に買えば勝てる時代」
です。
これから始まるのは、
「AIをいかに効率よく使うか」
という競争です。
同時に、製造業も
「最も安く作る」
から
「最も安全に供給できる」
という時代へ移っています。
AI革命と経済安全保障。
この二つは、日本株の新しいテーマになるでしょう。
短期的には株価が大きく揺れるかもしれません。
しかし、その揺れこそが、中長期の投資チャンスを生み出す可能性があります。
目先の株価だけを見るのではなく、
「5年後に勝つ企業はどこか」
という視点で、この変化を見つめたいと思います。