7月8日(水)
【相場概況】

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【ヒートマップ】

【個別銘柄】

CSP(9740)が8日続伸しています。

同社は、2027年2月期(今期)の年間配当予想を創業60周年記念配当10円を含めて81円(前期実績は60円、今期の従来予想は61円)にすると発表しました。
また、同時に発表した2026年3〜5月期の連結決算は訴訟関連損失などが響き、純利益が8億4400万円と前年同期比30%減ったものの、主力の警備事業は順調で、売上高は214億円と6%増加しています。
常駐警備で「OIMACHI TRACKS」の新規開始や「TAKANAWA GATEWAY CITY」の通年寄与があったほか、機械警備で前期に実施したM&Aなどが貢献したようです。
同社の現在のPBR(株価純資産倍率)は解散価値とされる1倍を下回っており、三菱UFJeスマート証券の山田勉マーケットアナリストは「本業の堅調さや株価の割安感を追い風に、配当積み増しを好感した買いが膨らんでいた」と語っています。

ガスタービン部品を手がける放電精密加工研究所(6469)が急伸し、ストップ高まで買われています。

同社は、7日、2027年2月期(今期)の連結純利益が従来予想(7億800万円)を上回り、前期比5%増の8億6600万円になる見通しだと業績が上方修正することを発表しました。
主力の放電加工・表面処理セグメントをはじめ各事業の売上高が従来予想を上回ったほか、政府の防衛力整備計画の拡充で防衛整備品の需要が増加しています。
火力発電向けなどのガスタービン部品の生産能力増強も収益に貢献したようです。
内藤証券の田部井美彦投資調査部長は「足元で増収増益傾向が強まっていることは評価できるが、今期下期以降の受注動向も見極める必要がある」と指摘しています。

https://www.celsys.com/
セルシス(3663)が大幅続伸となり、年初来高値を更新しています。

同社は、7日、2026年12月期の年間配当を従来計画の40円から50円へと増額修正することを発表しました。

また、同社は、8日、同社の手掛けるサービス「CLIP STUDIO PAINT」が9日から12日までフランス・パリで開催される、ヨーロッパ最大級の日本文化イベント「Japan Expo 2026」に出展すると発表しています。
同サービスは全世界で6,000万人以上に利用され、その80%以上が海外ユーザーと評価が高く、今後のサブスク契約の増加に直結すると見方から買いを集めたようです。
株価は明日以降も勢いが継続するか注目されます。
【本日のトピック】
TREホールディングス(9247)


https://tre-hd.co.jp/
さて、本日はTREホールディングス(9247)について整理してみたいと思います。
同社は、廃棄物処理、資源リサイクル、再生可能エネルギーなどを手掛ける環境インフラ企業です。

いわゆる「静脈産業」の中核企業であり、廃棄物を回収・選別し、再資源化し、必要に応じて発電や最終処分まで行います。
一見すると地味な会社に見えますが、実は今後の日本にとって重要性が増していく可能性があります。
背景にあるのは、脱炭素、サーキュラーエコノミー、資源安全保障、そして国内でのリサイクル機能強化です。
1. 大和証券は目標株価を引き下げ

まず、足元で株価の重しになったのは、大和証券の目標株価引き下げです。

5月18日のレポートで大和証券は、同社の目標株価を、従来の2,600円から1,800円へ引き下げました。
レーティングも「1・買い」から「2・アウトパフォーム」へ変更されています。
理由は明確です。
- 能登半島震災支援事業の一巡
- 27/3期の大幅減益ガイダンス
- 従来中計を下回る利益水準
- 市原TRE環境複合事業の収益貢献後ズレ

2026/3期営業利益は223億円と高水準だったものの、2027/3期会社計画は74億円まで大きく落ち込む見通しです。
これはかなり大きな減益であり、短期的にはネガティブに受け止められて当然でしょう。
2. ただし、悪材料はかなり見えてきた

ここで重要なのは、同社を単なる「減益銘柄」と見るのか、それとも「悪材料出尽くし後の見直し銘柄」と見るのかです。
大和証券のレポートでも、ネガティブガイダンスと新中計の公表によって、悪材料はかなり見えてきたという見方が示されています。
もちろん、2027/3期の減益幅は大きいものです。
しかし、株価は将来を織り込むものであり、ここからは次の上振れ材料が意識される局面に入る可能性があると考えます。
特に注目したいのは以下の材料です。
- 鉄スクラップ市況
- 非鉄市況
- スクラップヤード規制強化
- メタルリサイクル推進戦略
- 市原TRE環境複合事業
- 東芝出資価値
3. 最大の注目点はスクラップヤード規制強化

これまでは、産業廃棄物事業は土地さえあれば、誰でも営業することが可能でした。
一部地域では3~4割が不適切経営と指摘されることもあり、騒音や悪臭、火災や土壌汚染の問題が頻発し、社会問題化していました。

こうした問題を受けて、環境省は2026年4月、使用済み金属・プラスチック物品の保管または再生を行う事業について、許可制を導入する方針を示しました。
保管・再生基準の遵守を求めるだけでなく、環境汚染のおそれがある物品については国内での再生を原則とし、輸出時には環境大臣の確認を必要とする内容です。
これは、これまで不適正なスクラップヤードを通じて海外に流出していた金属資源を、国内で適正に回収・処理する方向に変える政策だと考えられます。
この流れは、TREのように適正な処理・リサイクル機能を持つ企業にとって、中長期的な追い風になる可能性があります。
つまり、政策の方向性はこうなります。

4. 市原TRE環境複合事業は中期の本命材料

次に注目したいのが、市原TRE環境複合事業です。
同社は千葉県市原市で、廃プラ再生、金属リサイクル、焼却・発電などを組み合わせた環境複合事業を進めています。
会社資料によれば、市原市で約84,000㎡の用地を賃借し、既存事業用地37,000㎡と合わせて、TRE環境複合事業の構想を進めています。
総投資額は約300億円、本格稼働後は年間売上高120億円、新規雇用150名を予定しています。
この事業では、以下の4つが連携します。

5. 隠れた材料は東芝出資価値

もう一つ、見逃せない材料があります。
それが、東芝への出資です。

同社は2023年、東芝株式の非公開化を目的とするTB投資事業有限責任組合に対して、50億円の出資を決議しています。
同社はこの出資について、将来的に東芝グループの技術や知見の獲得、シナジー発揮を期待すると説明しています。
ここで注目されるのが、東芝が保有するキオクシア株式で
す。

同じTB投資事業有限責任組合にLP出資しているオリックスは、東芝が計上したキオクシア関連の株式売却益・評価益について、2027年3月期1Qに税引前で約1,798億円の持分法投資損益を計上する見込みだと開示しています。
もちろん、TREについて具体的にいくら利益が出るのかは未開示です。
そのため、「キオクシア関連益がTREに直接いくら入る」と断定するのは危険かもしれません。
ただし、東芝出資価値の上昇期待は、隠れた注目材料として意識しておきたいところです。
6. 株価2,100円ではどう見るか

本日の株価は2,100円です。
大和証券の目標株価1,800円はすでに上回っており、今後アナリストの目標株価見直しが期待される局面に入っていると思います。
ただし、ここは冷静に見る必要があるかもしれません。
株価2,100円は、すでに以下のような期待をある程度織り込み始めている可能性があります。
- 会社計画が保守的だった可能性
- 鉄・非鉄市況の上振れ
- スクラップヤード規制強化
- 市原プロジェクトの中長期期待
- 東芝出資価値の上昇期待
つまり、今の株価は「安値放置」というより、すでに再評価が始まっている段階だと考えます。
ここからさらに上に行くには、8月の1Q決算で実際の業績上振れを確認できるかが重要になるでしょう。
7. 今後のチェックポイント

今後見るべきポイントは、以下の6つです。
① 1Q決算の進捗
27/3期会社計画の営業利益は74億円。
この計画に対して、1Qの進捗がどの程度強いかが最重要ポイント。
② 鉄・非鉄市況
鉄スクラップや非鉄市況が好調であれば、資源リサイクル部門の上振れ要因になる。
③ スクラップヤード規制強化
許可制導入によって、国内での適正処理需要が高まるか。
これは中長期テーマとして注目したい。
④ 市原TRE環境複合事業
収益貢献は後ズレしているが、進捗が確認できれば株価再評価の材料になる。
⑤ 東芝出資価値
キオクシア関連の利益や東芝企業価値の上昇が、TREの出資価値にどの程度反映されるか。
⑥ 株主還元
新中計では総還元性向35〜40%を下限とする方針が示されている。
業績が上振れれば、還元期待も高まりやすい。
8. 私の見方

TREホールディングスは、短期的には能登復興需要の反動で大幅減益局面にあります。
この点だけを見ると、決して強気一辺倒で見られる銘柄ではありません。
しかし、悪材料はかなり見えてきました。
一方で、以下のような見直し材料が重なっています。
- スクラップヤード規制強化
- メタルリサイクル推進
- 鉄・非鉄市況の上振れ
- 市原TRE環境複合事業
- 東芝・キオクシア関連の出資価値
- 株主還元期待
つまり、今のTREはこういう銘柄だと考えています。
短期:減益ショック
中期:悪材料出尽くし
長期:資源リサイクル国策
株価2,100円では、すでに一定の期待は織り込まれています。
そのため、ここからは単なるリバウンド狙いではなく、1Q決算で会社計画が保守的だったことを確認できるかが重要になります。
個人的には、TREホールディングスを単なる廃棄物処理会社ではなく、
「環境インフラ × 資源循環 × 国策リサイクル × 東芝出資価値」
という中長期テーマで見ていきたいと考えます。
減益ショックで一度評価が下がった銘柄が、資源リサイクル国策を背景に再評価されるのか。
ここからの決算と政策動向に注目したいところです。