7月24日(金)
【相場概況】

【売買代金】

【ヒートマップ】

【個別銘柄】

KOA(6999)が大幅反発しました。
買い気配で始まり、一時は前日比428円高の2,922円まで上昇しました。
終値は288円高の2,782円となりました。
株価上昇のきっかけとなったのは、7月23日の取引終了後に発表した2027年3月期の業績予想の上方修正と、配当予想の増額です。

通期の連結業績予想について、売上高を従来の774億円から873億円へ、営業利益を28億3,000万円から53億6,000万円へ、純利益を47億8,000万円から77億4,000万円へ引き上げました。
前期比では、売上高が20.8%増、営業利益が47.0%増、純利益が95.9%増となる見通しです。
営業利益予想は従来計画から約89%、純利益予想は約62%引き上げられており、修正幅の大きさが市場に好感されました。
業績を牽引したのは、北米の販売代理店向けに加え、日本の産業機器向けや、中国を含むアジア地域のAI関連機器向け需要です。欧州でも産業機器向け需要が想定以上に堅調に推移しています。
特にAIサーバー向け抵抗器の需要拡大が続いているほか、新型コロナウイルス禍以降、調整が続いていた産業機器向け需要も、本格的な回復局面に入りつつあるとみられています。
また、パラジウムや銀などの原材料価格が落ち着きつつあり、価格転嫁の進展による採算改善も期待されています。

年間配当予想は、従来の39円から63円へ大幅に増額しました。
前期の32円からは、ほぼ倍増となります。
業績上方修正と増配に加え、AI関連需要や産業機器市場の回復が評価されました。
ただ、株価は高値の2,922円から上げ幅を縮小して取引を終えています。
目先は利益確定売りをこなしながら、25日移動平均線を上回った状態を維持できるかが焦点となりそうです。

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愛媛銀行(8541)が大幅続伸しました。
買い気配で始まった後も上値を伸ばし、終値は前日比286円高の2,794円となり、上場来高値を更新しました。

いよぎんホールディングス(5830)との経営統合に向けて最終調整していると報じられたことが買い材料となりました。
両社は引け後、経営統合に関する基本合意を正式に発表しています。
2027年4月をめどに、持ち株会社の傘下に伊予銀行と愛媛銀行が入る形を検討しています。
両行の名称は維持される見通しで、株式交換比率は2026年12月までに決定する予定です。
両社の連結総資産を合計すると約12兆円となり、国内20位以内の地方銀行グループが誕生します。
愛媛県内のメインバンクシェアは合計で約7割に達します。
両行は、愛媛県の海運・造船業を支える船舶融資に強みを持っています。
統合によってノウハウや顧客基盤を共有し、競争が激しくなっている船舶融資をさらに強化する方針です。
いよぎんHDは船舶融資や有価証券運用、愛媛銀行は地域密着型の営業に強みがあります。
統合による預金基盤の強化や貸し出し余力の拡大、収益力の向上も期待されています。
株式市場では、時価総額が小さくPBRも1倍を下回る愛媛銀行に、統合に伴う再編プレミアムが付くとの見方が広がりました。
いよぎんHDよりも愛媛銀行への買いが目立ったのは、株式交換比率が愛媛銀行の株主に有利になる可能性が意識されたためとみられます。
今後は、統合後の経営戦略に加え、2026年12月までに決まる株式交換比率が愛媛銀行の株価を左右する重要な焦点となりそうです。

東宝(9602)が3営業日ぶりに急反発しました。
株価は一時、前日比90円50銭高の1,449円まで上昇し、終値は88円高の1,446円50銭となりました。

24日に公開された「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」の好調な出足が伝わり、興行収入の拡大を期待した買いが集まりました。
同作品は、幅広い世代から支持を集める人気キャラクター「ちいかわ」初の劇場版です。
都内の映画館では、「名探偵コナン」や「鬼滅の刃」と同規模の上映回数を設定する劇場もあり、初日から満席となる時間帯もみられたと報じられています。
初日の予約状況や上映規模を受け、早くも大型ヒットへの期待が高まっています。
一部では興行収入100億円突破を期待する見方も出ており、公開初週末の動員数と興行収入に注目が集まりそうです。
「ちいかわ」は映画ファンだけでなく、普段あまり映画館に足を運ばないキャラクターファンも取り込める点が強みです。
夏休みシーズンと重なることに加え、家族客や若い女性を中心に口コミが広がれば、息の長いヒットにつながる可能性があります。
また、映画のヒットは興行収入だけでなく、関連グッズやイベント、配信などへの波及も期待されます。
人気IPを活用した収益拡大という点でも、東宝にとって注目度の高い作品といえます。
前年の映画市場は「国宝」や「鬼滅の刃」などのヒット作に恵まれたため、今年の東宝作品に対する期待はそれほど高くありませんでした。
そのなかで「映画ちいかわ」が好調なスタートを切ったことが、株式市場ではポジティブサプライズとして受け止められたようです。
株価は4月から5月にかけて調整していたこともあり、目先は公開初週末の興行成績を確認しながら、直近高値の1,467円50銭を上回れるかが注目されます。
【本日のトピック】
好決算でも売られる時代へ
今週の注目点と投資戦略――AI投資の「回収力」が試される一週間

さて、今週、7月27日から31日の株式市場は、今年後半の流れを左右する重要な一週間になりそうです。
米国ではFOMCに加え、Microsoft、Meta、Amazon、Appleという巨大テクノロジー企業の決算が集中します。
日本でも日銀金融政策決定会合が開かれ、週末にはキオクシアをはじめ約280社が決算発表を予定しています。
まさにイベントが目白押しです。
しかし、今週の本当の焦点は、単に「決算が良いか悪いか」ではありません。
市場が知りたいのは、次の一点です。
巨額のAI投資は、本当に株主の利益と現金につながっているのでしょうか。
先週は、売上高も利益も大きく伸びた企業が、決算発表後に売られる場面が相次ぎました。
今の市場では、好決算を発表するだけでは足りません。
設備投資を差し引いた後に、会社へどれだけの現金が残るのかまで説明できなければ、株価は素直に上昇しにくくなっています。
今週は、AI相場が終わるかどうかを決める週ではありません。
次の上昇相場を主導できる企業と、期待だけが先行していた企業を選別する一週間になりそうです。
今週の相場を動かす3つの疑問

今週、市場は主に次の3点を確認しようとしています。
①AI投資は売上や利益だけでなく、キャッシュフローを生み出しているのか?
②HBM、DRAM、NANDの供給不足と価格上昇は今後も続くのか?
③原油高と金利上昇に、FRBと日銀はどう対応するのか?
この3つの答えによって、AI・半導体株が再び相場の中心へ戻るのか、それとも医療、通信、不動産、金融などへの資金移動が続くのかが決まりそうです。
今週の主なイベント

最大の山場は、Microsoft、Meta、Amazon、Appleの決算とFOMCが集中する週後半です。
日本株も、木曜日と金曜日には米国決算、米金利、日銀会合、国内企業決算が同時に影響するため、値動きが大きくなる可能性があります。
市場の評価軸は「利益」から「投資後の現金」へ

先週、市場の変化を最も象徴したのがAlphabetの決算でした。
売上高は前年同期比24%増、Google Cloudは82%増、営業利益も30%増と、表面上は非常に強い決算でした。
それでも株価は大きく下落しました。
市場が嫌気したのは、業績の悪化ではありません。
AI向けの設備投資が営業キャッシュフローを上回り、フリーキャッシュフローが赤字へ転落したことでした。
これまで市場は、
AI関連の売上高がどれだけ伸びたか
を重視してきました。
しかし、現在はさらに一歩踏み込み、
AI投資を行った後、会社にどれだけの現金が残るのか
を確認するようになっています。

今の市場では、途中までの数字が良くても、最後に現金が残らなければ評価されにくくなっています。
AppleとAlphabet、対照的な事業モデル
AppleとAlphabetを比較すると、現在の市場が何を重視しているのかが分かりやすくなります。
Appleは、iPhone、Mac、サービス収入を中心に、多額の営業キャッシュフローを生み出しています。
製造の多くを外部へ委託し、オンデバイスAIや外部サービスを活用することで、自社の設備投資を比較的抑えています。
一方、Alphabetは検索広告やGoogle Cloudの成長を維持するため、データセンター、GPU、ネットワーク、独自AIモデルへ巨額の資金を投じています。

Appleは、AI投資競争に出遅れた企業と見られてきました。
ところが、ハイパースケーラーの設備投資が急増し、フリーキャッシュフローへの懸念が強まるなかでは、
AI時代でも現金を守れる企業
として見直される可能性があります。
ただし、設備投資が少なければ必ず良いわけではありません。
AI投資を抑えすぎた結果、iPhoneやサービスの競争力が低下すれば、Appleは単なる低成長企業と見なされます。
今週のApple決算では、設備投資を抑えながら、売上高、利益、キャッシュフローを同時に伸ばせるかが焦点になります。
米国株全体はまだ崩れていません

先週末は半導体株が急落しました。
フィラデルフィア半導体指数は4.5%下落し、NASDAQも下落しました。一方、S&P500はほぼ横ばい、ダウ平均は上昇しています。
さらに、S&P500構成銘柄のうち361銘柄が上昇しました。
指数だけを見ると米国株全体が弱く見えますが、実際には上昇銘柄の方が多く、資金が半導体から他の業種へ移動した一日でした。
医療、通信、不動産、防衛、生活関連などには買いが入りました。
つまり、現在の相場は全面的なリスクオフではありません。
米国株全体が崩れているのではなく、AI・半導体株の高すぎた期待と評価倍率を見直している局面
と考える方が自然です。
半導体株は「需要」よりも「供給と価格」を見る
AI需要が強いことは、すでに多くの投資家が理解しています。
今後の株価を左右するのは、需要の強さだけではありません。
むしろ重要なのは、
- HBM、DRAM、NANDの増産計画
- 半導体製造装置の受注動向
- 2027年以降の供給量
- メモリ価格の持続性
- 設備投資後の利益率とキャッシュフロー
です。
今週は、SKハイニックス、KLA、Lam Research、Arm、東京エレクトロン、キオクシアなど、日米韓の半導体関連企業が相次いで決算を発表します。
売上高が伸びていても、受注が減少していれば、設備投資サイクルのピークアウトが意識されます。
反対に、受注、価格、利益率、キャッシュフローがそろって強ければ、先週末の半導体株下落は、業績悪化ではなく利益確定だったと判断される可能性があります。
キオクシアは「決算+株主構成」の二重チェック
日本株で特に注目したいのが、7月31日に決算を発表するキオクシアです。

キオクシアで確認すべきなのは、NAND価格やAI向けSSD需要だけではありません。
ベインキャピタル、東芝、SKハイニックスを巡る複雑な株主構成も、今後の株価を大きく左右します。
ベインの売却は「売り逃げ」なのか
ベインによるキオクシア株の売却を、
会社の将来に弱気だから売却した
と受け止める投資家もいます。
しかし、PEファンドの仕事は、投資先を永久に保有することではありません。
企業価値を高めた後、IPOや株式売却によって資金を回収し、出資者へ返すことが目的です。
そのため、ベインの売却は、基本的には弱気判断というより、PEファンドとしての出口戦略と考えるべきです。
東芝の追加売却は需給の重荷
東芝は現在もキオクシアの大株主ですが、保有株を段階的に売却しています。
東芝にとっては、キオクシア株を現金化し、借入金の返済や本業への投資に振り向ける合理性があります。
一方、キオクシアの一般株主にとっては、株価が上昇するたびに追加売却が意識されるため、当面のオーバーハングになります。
本当に重要なのはSKハイニックス
中長期的な問題となる可能性があるのが、SKハイニックス関連の約14%の持分です。
SKハイニックスは単なる投資家ではなく、NAND市場におけるキオクシアの競合企業です。
今後、
- 議決権を取得するのか
- 持分を機関投資家などへ売却するのか
- 経済的権利だけを維持するのか
によって、キオクシアのガバナンスと需給は大きく変化します。

キオクシアは、好決算を発表すれば必ず上昇する銘柄ではありません。
業績、市況、設備投資、株主構成という複数の問題を同時に乗り越えられるか
が、今後の評価を決めます。
FOMC、日銀、原油にも注意
今週は企業決算だけでなく、日米の金融政策も重要です。
FOMCでは、政策金利そのもの以上に、FRBが原油高をどのように評価するかが焦点です。
原油高を一時的な地政学リスクと判断すれば、金利低下とグロース株の反発につながる可能性があります。
反対に、原油高がインフレ期待やサービス価格へ波及すると判断すれば、追加利上げへの警戒が残ります。
日銀については、円安と長期金利上昇に対する植田総裁の姿勢が注目されます。
タカ派的な発言は銀行株の追い風になり得ますが、長期金利が急上昇すれば、保有債券の評価損が意識されます。
銀行株も一律ではなく、預金調達力、貸出金利の転嫁力、有価証券運用によって差が広がりそうです。
今週の投資戦略

今週は、決算前にAI・半導体株を一括して買うよりも、決算後の数字と株価反応を確認して銘柄を選別する方が有効だと考えています。
今週見るべきなのは、売上高やEPSだけではありません。
- 営業キャッシュフロー
- 設備投資
- フリーキャッシュフロー
- クラウドの契約残高
- 利益率と減価償却費
- 自社株買いと配当の余力
この6点が重要です。
まとめ
今週は、「AI相場が終わるのか」「サマーラリーが始まるのか」という単純な二者択一で考えるべきではありません。
米国株全体はまだ崩れておらず、企業業績も強さを維持しています。
一方で、AI関連企業に対する市場の評価基準は、明らかに厳しくなっています。
これから求められるのは、AIの将来性を語ることではありません。
巨額のAI投資を、どれだけ早く売上、利益、そして現金へ変えられるか。
今週の決算では、この「投資の回収力」を示せる企業が、次の相場の主役になると考えています。
キオクシアについても同じです。
NAND価格やAI需要だけでなく、設備投資後に残るキャッシュフローと、大株主の売却を乗り越えられる株主構成が問われます。
今週は指数を追いかけるよりも、
強い業績を、本物のキャッシュフローへ変えられる企業を探す一週間
になりそうです。