7月14日(火)
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【個別銘柄】

ワンダープラネット(4199)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。

同社が、13日発表した2026年8月期第3四半期累計の最終損益は2億9,100万円の赤字に赤字幅が拡大しましたが、直近3ヵ月の実績である3-5月期の最終損益は3,000万円の赤字に赤字幅が縮小し、売上営業損益率は前年同期の-27.0%から-5.4%に急改善しています。

また、同時に、サンリオ(8136)と新作ゲームの共同開発を行うことで合意し、契約締結したことも発表しました。
これが株価を強く刺激し、有力IP(知的財産)を活用したタイトルへの期待から大量の買いを集めたようです。
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「知名度が高いサンリオとの協業を評価し、来期の収益貢献への期待から買いが集まっている」と話しています。
株価は1,000円大台復帰となりましたが、この勢いがどこまで続くか注目されます。

Sansan(4443)が大幅反発しています。


同社が13日発表した2026年5月期の連結経常利益は前期比3.0倍の81.7億円に伸び、2027年5月期は125億~145億円となる見通しとなりました。

また、今期の年間配当は前期比2.5円増の5円に大幅増配する方針を示しています。
主力の名刺管理サービス「Sansan」が堅調に推移したほか、請求書管理サービス「Bill One(ビルワン)」の業績成長が続いています。
東海東京インテリジェンス・ラボの沢田遼太郎シニアアナリストは「ビルワンの成長で、今期業績が予想レンジの上限付近で着地する確度が高まれば株価は一段の上値を試す」と話しています。

ありがとうサービス(3177)が急騰し、上場来高値を更新しています。

同社は14日、2027年2月期第1四半期の連結決算を発表しました。
営業利益は前年同期比95.4%増の4億900万円となり、通期計画9億4,400万円に対する進捗率は43.3%に達しています。
主力のリユース事業が好調だったほか、フードサービス事業も堅調に推移したようです。
目先の株価は4,000円台を固められれば、新ステージ入りとなり、青天井相場に入っていく可能性が高まってきそうです。
【本日のトピック】
米国半導体、また急落
韓国市場の暴落とイラン情勢から読み解く、今回の下落の本質


さて、米国の半導体株が、再び大きく下落しました。
フィラデルフィア半導体株指数、いわゆるSOX指数は1日で約4.8%安。直近の最高値からは約15%下落しています。
半導体株の値動きを3倍に増幅するSOXLは、最高値から約45%下落しました。わずか1カ月ほどで、ほぼ半値になった計算です。
ナスダック総合指数も1.5%を超えて下落しました。
なぜ、AI需要が依然として強く、メモリー不足も続いているにもかかわらず、半導体株はここまで売られているのでしょうか。
普通に考えれば、
- メモリー不足なら価格は上昇する
- メモリー価格が上がれば企業利益も増える
- AI需要が強ければ半導体株も上がる
となりそうです。
しかし、株式市場が見ているのは、現在の利益だけではありません。
今回の下落では、イラン情勢や韓国市場の急落を直接の引き金として、半導体業界が数年後に直面するかもしれないリスクが、いっせいに意識され始めたと考えています。
今回の急落を引き起こした2つの要因
今回の半導体株急落には、大きく分けて2つの直接的な引き金がありました。

1つ目は、イラン情勢の悪化です
イランと米国の緊張が再び高まり、ホルムズ海峡を巡る警戒感が強まりました。
ホルムズ海峡は、世界の原油輸送における重要な通過地点です。ここで供給不安が高まると、原油価格が急騰しやすくなります。
原油価格が上昇すると、
イラン情勢の悪化
↓
原油価格の上昇
↓
輸送費やエネルギー価格の上昇
↓
インフレ再燃への警戒
↓
FRBの金融政策への警戒
↓
高PERのハイテク株やAI株が売られる
という流れが起きます。
AI・半導体株は、将来の利益成長を先取りして高い株価がついている銘柄が多いため、金利上昇懸念が強まると売られやすくなります。
2つ目は、韓国市場の急落です
今回、より大きな衝撃を与えたのが韓国市場でした。
SKハイニックスは一時15%を超えて下落し、サムスン電子も10%を超える下落となりました。
韓国の代表的な株価指数であるKOSPIも大幅安となり、その売りが米国の半導体株やAI関連株にも波及しました。
ただし、ここで重要なのは、SKハイニックスやサムスン電子に、突然大きな業績悪化が起きたわけではないという点です。
今回の下落は、足元の業績悪化というよりも、
- 短期間で株価が上がりすぎていた
- レバレッジ商品によって値動きが増幅された
- 将来の供給過剰や成長鈍化が意識された
- 外国人投資家の利益確定売りが出た
といった、期待値と需給の修正による部分が大きいと考えています。
市場が気にし始めた3つの不安
今回の急落の直接的な引き金は、イラン情勢と韓国市場の暴落です。
しかし、株価がここまで激しく下落した背景には、半導体業界に対する3つの中期的な不安があります。
1つ目は、メモリーを増産しすぎる可能性です

現在、AI向けメモリーは不足しています。
HBMを中心に需要が供給を上回り、メモリー価格も上昇しています。その結果、SKハイニックス、サムスン電子、マイクロンなどの業績は大きく改善しています。
しかし、メモリー業界には昔から繰り返してきたサイクルがあります。
メモリー不足
↓
価格高騰
↓
各社が大幅増益
↓
一斉に設備投資
↓
新工場が稼働
↓
供給能力が増加
↓
供給過剰
↓
価格下落
↓
業績悪化
という流れです。
現在は、AI需要が強く、各社が新工場や生産設備への投資を急拡大しています。
SKハイニックスは、ADR上場で調達した巨額資金を新工場やAI向け半導体設備に投入する方針です。
サムスン電子も、半導体工場の生産開始を前倒ししようとしています。
今すぐ供給過剰になるわけではありません。
半導体工場は、建設から量産まで通常2~3年かかります。
しかし株式市場は、現在ではなく未来を見ます。
市場はすでに、
「2027年から2028年ごろに、新しい工場が一斉に稼働したらどうなるのか」
という点を意識し始めています。
これまでは、
「AI時代は従来のメモリーサイクルとは違う」
と説明されてきました。
しかし市場は今、
本当に今回は違うのか?
と疑い始めています。
もちろん、将来の供給過剰が確定したわけではありません。
AI需要が供給能力の増加を上回り、供給不足が長期間続く可能性もあります。
現在は、
- 大規模増産によって供給過剰になるという見方
- AI需要がさらに増え、供給不足が続くという見方
がぶつかっている状態です。
2つ目は、中国メモリー企業の台頭です

DRAMではCXMT、NAND型フラッシュメモリーではYMTCなど、中国のメモリー企業が急速に成長しています。
中国勢が、
技術力を向上
↓
生産能力を拡大
↓
低価格製品を大量供給
↓
汎用DRAMやNANDの価格を押し下げる
という展開になる可能性があります。
現時点では、AI向けの最先端HBMでは、SKハイニックス、サムスン電子、マイクロンなどの大手企業が優位です。
中国勢がすぐに最先端HBMで追いつくとは限りません。
しかし、汎用DRAMやNANDの供給を増やせば、市場全体の価格形成に影響を与える可能性があります。
実際、直近ではAppleが、中国国内で販売する端末向けにCXMT製DRAMの試験を始めたと報じられています。
また、HPとDellもCXMT製DRAMの品質認証を進めており、AcerやASUSも、中国製メモリーの採用や調達を検討していると伝えられています。
現時点では、すべての企業が本格採用を決定したわけではありません。
しかし、メモリー不足と価格高騰が続けば、中国製メモリーが従来の大手3社を補う調達先として存在感を高める可能性があります。
中国勢が汎用DRAMやNANDの供給を増やせば、
メモリー市場は、
価格上昇
↓
調達先の多様化
↓
中国勢のシェア拡大
↓
価格競争
という流れに変わる可能性があります。
3つ目は、メモリーを使う側の技術進化です

メモリー価格が上昇すれば、メモリーを購入する巨大テック企業のコストも増加します。
当然、Google、Microsoft、Amazon、Metaなどは、少ないメモリーでAIを動かす技術を開発します。
メモリー価格上昇
↓
AI事業者のコスト増加
↓
圧縮・効率化技術を開発
↓
AI処理1回当たりのメモリー使用量が減少
↓
メモリー需要の伸びが鈍る可能性
という流れです。
Googleは、AIの推論時に使用するKVキャッシュを圧縮する技術「TurboQuant」を発表しました。
長文処理では、回答性能を維持しながらKVキャッシュのメモリーサイズを少なくとも6分の1に削減できたとしています。
つまり、
AI利用が増える
=メモリー需要も同じ割合で増える
とは限りません。
ただし、効率化によってAIの利用コストが下がれば、利用量そのものが増え、メモリー需要全体が拡大する可能性もあります。
韓国市場特有の需給悪化

今回の韓国市場では、SKハイニックスやサムスン電子を対象としたレバレッジETFも、下落を増幅させたと考えられます。
株価下落
↓
レバレッジETFの売却
↓
株価がさらに下落
↓
信用取引の損失拡大
↓
追加の売却
という負の連鎖です。
また、SKハイニックスのNASDAQへのADR上場も、利益確定のきっかけになった可能性があります。
いわゆる、
Buy the rumor, Sell the news
噂で買って、事実で売る
という動きです。
株価は将来の利益成長率を織り込む

今回の下落で最も重要なのは、株価が評価するのは現在の利益だけではないという点です。
市場が見ているのは、
- 来年も利益が増えるのか
- 再来年も成長が続くのか
- 利益成長率が鈍化しないか
- 市場予想を上回り続けられるか
という点です。
AI需要が強くても、利益成長率が鈍化すれば株価は下落します。
例えば、利益が100から200に増えれば100%増益です。
しかし翌年に200から240へ増えても、増益率は20%に低下します。
利益そのものは増えていても、成長率は鈍化しています。
つまり、
AI需要が伸び続けることと、AI関連株が上昇し続けることは同じではない
ということです。
今後、確認すべきポイント
今後の半導体企業の決算では、売上や利益だけでなく、次の点が重要になります。
- AI向けメモリー需要は維持されているか
- HBM不足は続いているか
- 設備投資が過大になっていないか
- 中国勢との価格競争が始まっていないか
- 2027年以降も利益成長率を維持できるか
足元の好業績よりも、中長期の需要見通しと設備投資計画が株価を左右する局面になっています。
まとめ
今回の半導体株急落は、AI需要が突然消えたことで起きたものではありません。
直接の引き金は、イラン情勢による原油高とインフレ懸念、そして韓国市場の急落です。
その一方で、市場は、
- メモリーの大規模増産
- 中国企業の台頭
- AI処理の効率化
- 将来の利益成長率の鈍化
という中期的な不安を意識し始めました。
現時点では、AIブームの終わりと判断するのは早いと思います。
ただし、AI需要が強いという理由だけで半導体株を無条件に楽観視するのも危険です。
長期投資で大切なのは、株価が下がったことに反応するのではなく、
投資の前提が本当に崩れたのか
を確認することです。
今回のような局面ほど、投資家の冷静さが試されると考えています。
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