1月27日(月)
【相場概況】
【売買代金】
【米株市況】
【個別銘柄】
岩井コスモホールディングス(8707)が急反発し、昨年来高値を更新しています。
同社は先週末引け後に、第3四半期の決算速報値を発表しました。
累計純利益は50.3億円で前年同期比28.8%増となる予想で、第3四半期累計時点において過去2番目に高い計上額となります。
また、上半期実績は31.8億円で同27.5%増となり、高い増益率が継続する状況を好感視する動きとなりました。
米株式相場の堅調が続くなか、米国株式収益の増加が寄与したほか、低コスト戦略を維持し、営業利益率も改善したとのことです。
ただ、株価は過熱感も台頭しており、慎重に動きを見定めたい処です。
https://holdings.fujifilm.com/ja/
富士フィルムホールディングス(4901)が反発しています。
26日付の日本経済新聞朝刊は「富士フイルムは2027年3月期までの3年間で半導体製造に使う材料事業の設備増強に1000億円強を投じる」と報じました。
24年3月期までの3年間と比べて投資額を倍増させる計画で、業績拡大に期待した買いが入ったようです。
日本や米国、韓国などで増産する方針で、急拡大する生成AI(人工知能)の需要などに対応するため、世界で半導体材料の供給網を構築する予定です。
立花証券の福永幸彦アナリストは「富士フイルムは従来より成長分野である半導体材料に投資していく方針であったため驚きは少ないが、具体的な内容が伝わったことは株価の追い風になりそうだ」と語っています。
HIOKI(6866)が急反発しています。
同社は先週末引け後に、2024年12月期の連結決算発表および2025年12月期の業績予想を発表しました。
今期の売上高は前期比11.5%増の437億8,000万円、最終利益は同4.1%増の64億4,000万円を計画しています。
前期の業績は計画を下振れて着地したものの、今期が過去最高益となる予想が示されました。
製品価格の見直しを機動的に行い、収益性の改善を目指すとのことです。
株価は先週後半に掛け戻り歩調が鈍化していただけに、本日の大幅高で更に勢いが付く可能性も出てきています。
セカンドサイトアナリティカ(5028)がストップ高まで買われています。
同社は、NTTドコモが展開するdカードの与信審査に、同社が開発した「R2Engine」が導入されることが決まったと発表しました。
審査業務に必要な機能が充実しており、AIモデルや最適化モデルを利用した審査フローが実現でき、審査の高度化に繋がるということです。
本日の株価は差し引き8万株超の買い物を残して終えており、昨年11月の直近高値441円を視野に捉えています。
【本日のトピック】
さて、本日の東証プライム市場は値上がり1280銘柄/値下がり324銘柄と全体的には値上がりする銘柄が多かったのですが、半導体関連が軒並み売り込まれる相場になりました。
特にアドバンテスト(6857)とソフトバンクグループ(9984)は8%を超える下落となり、この2銘柄だけで日経平均を400円引き下げています。
この要因としては、1月20日に中国のAI研究機関であるDeepSeek社が、新しいAGI(汎用人工知能)モデル「DeepSeek-R1」を公開したことが発端です。
上記CNNの記事によると
・DeepSeekはNVIDIAの低性能チップ(H800)を使い、2か月、600万ドルで開発。
・性能はMeta Llama 3.1, OpenAI GPT-4oなどを上回るという評価も
・アメリカの対中半導体輸出規制の影響下での開発力、シリコンバレーに衝撃
・米ビッグテックのAI開発やデータセンター投資の妥当性に疑問も浮上
といった内容です。
DeepSeekショック
— アンゴロウ@暗号資産 (@angorou7) 2025年1月27日
DeepSeekが米テック企業の脅威になる可能性が浮上し、AI関連株と暗号資産が下落しています
ディープシークは中国の新興企業が開発した生成AIの新モデルで、ChatGPT-o1と同等の性能を無料で利用できることで話題です
AppStoreアプリランキングで、現在ChatGPTを抜き1位になってます pic.twitter.com/RiAmRRkF4f
実際、Xでは東大入試問題をDeepSeekとChatGPT両方に解答させ、性能が遜色ないことを試している投稿もあります。
AppStoreアプリランキングではChatGPTを抜き1位になっているようです。
これを受けて、高値圏にある米株は短期的な強い売りを浴びるものと思われます。
現在NVDIAは時間外で10%を超える下落になっています。
日本株でAIに直接関係する銘柄は少ないのですが、前述のアドバンテストやソフトバンクGは大幅下落。
データセンター関連で上昇してきたフジクラ(5803)や古河電工(5801)等電線株も大幅安になっています。
本日は、日経平均の下落で済みましたが、日本株はどうしても米株だのみというところがありますので、20:00現在の先物は大幅下落になっています。
イベント通過で上昇に転じる環境がそろってきたところで、いきなり冷や水をかけられた感じですね。
ただ、私個人的には、あくまで短期的な下落になると考えています。
DeepSeekは、さすが中国のAIだけあって、中国のタブーネタについては、一切答えないようになっており、あくまで中国にとって都合のいい返答しかしないようです。
「天安門事件」や習近平がプーさんに似てることを聞くと他の話をしましょうと表示されるようです。
セキュリティは大丈夫なのでしょうか?
個人情報ダダ洩れにならないのでしょうか?
私はとても使う気になりません。
Scale AI CEO アレクサンドル・ワン氏
— FabyΔ (@FABYMETAL4) 2025年1月26日
「DeepSeekは約50,000台のNVIDIA H100を保有している。しかし、米国の輸出規制があるため、彼らはそれについて公に話すことができない🤐」 pic.twitter.com/OL9ugVJIEW
そして、NVDIAの低性能チップ(H800)で作ったというのも怪しい感じがします。
DeepSeekはNVDIAのH100を約50,000台保有しているとの話もあるようです。
仮に低性能チップ(H800)で作ったとしても、結局NVDIA製の半導体を使用しOpenAIの言語モデルを使っています。
結局米国の技術とデータで作っているわけですから、米国のビッグテックはすぐ巻き返しにかかるでしょう。
それに、本当にDeepSeekが米国の脅威になるのであれば、トランプ大統領は黙っていないでしょう。(石破と違って)
ファーウェイの二の舞かTikTokのようになるような気がします。
ともあれ、短期的な下落は避けられません。
状況をじっくり見極めて、過度に弱気になることがないよう対処したいところです。