12月7日(水)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1049/値下り銘柄686
騰落レシオ(25日)100.28%
空売り比率 43.9%
売買代金
東証プライム 2兆6361億円
東証スタンダード 818億円
東証グロース 1559億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数:投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
中国がゼロコロナを緩和させる方針と報じられ、三越伊勢丹HD(3099)や高島屋(8233)、JAL(9201)、ANA(9202)、HANATOURJAPAN(6561)、旅工房(6548)などインバウンド関連が幅広く買われています。
非鉄金属の一角にも買いが入り、大阪チタニウム(5726)や東邦チタニウム(5727)が大幅高になっています。
WSCOPE(6619)
1800円 +115円(+6.82%)
WSCOPE(6619)が大幅反発になっています。
同社の子会社WSK社が、韓国大手鉄鋼メーカーのポスコのアルゼンチン法人とイオン交換膜スタックモジュール供給に関して基本合意書を締結したと発表しています。
具体的な金額は不明ながら、契約金額はWSK来年度売上額の10%以上の規模になる見込みとのことから、同社への業績寄与もあるとの期待から見直し買いが入っているようです。
リファインバースグループ(7375)
2347円 +124円(+5.58%)
リファインバースグループ(7375)が3日ぶりに大幅反発になっています。
同社は廃車から回収したエンジン部品のインテークマニホールドを原料とする再生ナイロン樹脂を開発したと発表しています。
日本では年間300万台以上の廃車が発生していて、年間6000t以上のインテークマニホールドが廃棄されているようです。
直近12/5高値の2637円を更新していくかが注目になります。
TKP(3479)
2811円 +218円(+8.41%)
三菱地所(8802)
1845.5円 +16.5円(+0.90%)
TKP(3479)が急伸しています。
同社はレンタルオフィスの日本リージャスホールディングスを三菱地所(8802)に、台湾リージャス社をスイスのIWGに売却することを発表しています。
それにより約67億円の特別損失が発生しますが、販管費の負担が軽減するため、今期営業利益予想を20億円→31億円に上方修正しています。
今後はTKP事業の仕入れ強化及び「再生」をテーマとした新規事業に経営資源を集中する方針です。
また、台湾事業の売却は地政学リスク排除も目的にあるようです。
また、同社は同時に未行使の第8回新株予約権の取得および償却も発表していて、それらが好感されて大幅高になったようです。
ファーストリテイリング(9983)
83980円 -1620円(-1.89%)
東京エレクトロン(8035)
44820円 -1760円(-3.78%)
反面、日経平均寄与度の高いファーストリテイリング(9983)や東京エレクトロン(8035)など値がさ株の一角が軟調になっています。
この2銘柄だけで、日経平均を約116円引き下げています。
米アップルが2.5%ほど下落(詳細後述)した影響でアップルサプライヤーの太陽誘電(6976)やTDK(6762)、村田製作所(6981)などが軟調になっています。
原油安を受けてINPEX(1605)や石油資源開発(1662)、ENEOSホールディングス(5020)など原油関連株が軟調になっています。
東京一番フーズ(3067)
527円 -49円(-8.51%)
東京一番フーズ(3067)が大幅続落で東証プライム下落率トップになっています。
同社は44万8000株の立会外分売を実施することを発表しています。
株式分布状況の改善、流動性向上、流通株式時価総額の拡大によりプライム上場維持基準クリアを目指すとのことです。
今後も、プライム基準を満たすために、同様の株式放出等が横行する可能性がありますので、上場基準を満たさず「適合計画書」を提出した会社についてはチェックしておいたほうがいいと思います。
【テクニカル分析】
日経平均は反落!
引き続き25日線(27898円)と75日線(27603円)の間に位置し、方向感が乏しい状況ですが、ローソク足は上ヒゲの長いトウバに似た形になっています。
日経新聞によると、個人の信用売りの手じまいが進み、逆日歩銘柄が9か月ぶりの水準に減少しているようです。
信用売りの解消が進むということは、投資家が足もとの株価は高すぎると思っていないということも言えますが、上昇の為の燃料不足になりつつあるともとることができます。
方向性が出るのは、週末のメジャーSQ明けかもしれませんが、MACDのヒストグラムが拡張傾向にあるなど、テクニカル的には警戒サインも出てきています。
75日線を明確に下回ると下落トレンドを形成する可能性もありますので注意が必要です。
【本日のトピック】
さて、昨日の米国市況は、金利が下落する中、株も下落するという動きになりました。
これまでは、景気後退の兆しが見えれば、FRBが金融緩和方向に動くという期待感から、
金利下落=株高、もしくは、金利上昇=株安という構図でした。
すなわち BadNEWS is GoodNEWSという状況で、
景気悪化→インフレ沈静化期待→FRB金融緩和期待→株高となっていた流れが変わりつつあるということです。
ところが、昨日のブログにも書いたように、
サービス業(非製造業)はインフレが継続→FRBは金融緩和に動けない
ハイテク(製造業)→景気悪化が鮮明にという二極化現象が起きてきているため、
BadNEWS is BadNEWSという流れになってきているということだと思います。
昨日のBadNEWSの象徴的なものとしては、上記「アップルの自動走行車の計画縮小、2026年以降に延期」というニュースでしょう。
アップルはハンドルもペダルもない完全自動運転車開発をあきらめ、発売も約1年延期の発表をしています。
要するに、カネ余りのバブルが続いているときには、一見荒唐無稽に見えるチャレンジ企画でも推進できたのですが、現状はそのような余裕はなくなってきたということです。
アップルほどの巨人でも追い込まれてきているということで、米国の製造業が深刻な景気悪化に陥りはじめているというシグナルだと思います。
それでは、米国株は、このまま下落していくしかないのでしょうか?
上記の11/30のパウエル議長の講演原稿には、パンデミックの総死亡者が約100万人になり、このことが深刻な労働力不足を形成している趣旨が記載されています。
(同様の内容はリッチモンド連銀のバーキン総裁のコメントの中にもうかがえます。)
すなわち、サービス業の深刻な人手不足は、パンデミックが原因の構造上の問題であり、金利を上昇することで解決できるものではないというロジックも成り立ちます。
もちろん、こうしたロジックはインフレをさらに増長させかねませんので、FRBとしても慎重に検討されると思いますが、12/14のパウエル議長会見でパウエルプット的発言が出れば、米株は年末ラリーを形成するかもしれません。