1月19日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄505/値下がり銘柄1247
騰落レシオ(25日)94.86%
空売り比率 47.7%
売買代金
東証プライム 2兆5173億円
東証スタンダード 520億円
東証グロース 1481億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
岸田首相が23日に臨む施政方針演説の原案で、少子化対策について、「子ども・子育て政策」を「最重要政策」、「最も有効な未来への投資」と位置付けたことが報じられ、保育施設を手掛けるSERIO HD(6567)やキッズスマイル(7084)、テノ.ホールディングス(7037)などがストップ高まで買われ、JPホールディングス(2749)も昨年来高値を更新しています。
また、妊娠・育児層むけ健康アプリを運営するカラダノート(4014)も、家族サポート事業の月次契約者数が過去最高になったことを発表したこともあり、大幅続伸になっています。
訪日外国人が100万人を超え、インバウンド回復が鮮明になってきたと報じられたことから、三越伊勢丹(3099)、高島屋(8233)などの百貨店株、JAL(9201)、ANA(9202)の空運株、HANATOUR Japan(6561)、アドベンチャー(6030)、OLC(4661)などレジャー関連株が大幅高になっています。
直近上場のELEMENTS(5246)がストップ高まで買われています。
東証が同社の信用増担保規制(委託保証金率50%以上内現金20%以上)を19日から解除すると発表しています。
取引負担の減少で短期資金の流入が再び活発化する思惑で買われたようですが、同社の赤字体質は当面改善するわけではなさそうですので、マネーゲームと割り切るべきと思います。
先日好決算を発表したベイカレント(6532)が5日連騰で年初来高値を更新しています。
SMBC日興証券が18日付けで投資判断を「2」→「1」、目標株価を4500円→6700円に引き上げています。
同証券は、高学歴若手の積極採用、人材の戦力化、営業を起点とした高付加価値案件への配置転換の仕組みが評価されることで株価評価も上昇すると判断したようです。
上場来高値の6340円を奪還できるか注目です。
反面、米長期金利の急低下を受けて、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)など銀行株が軟調になっています。
また、為替が128円台まで円高に振れたことから、トヨタ(7203)やマツダ(7261)、三菱自動車(7211)など自動車株が全面安になっています。
ANYCOLOR(5032)が急落しています。
同社は、海外売出しを発表し、上場前から同社に出資していたベンチャーキャピタルの保有株の一部を売り出すことを公表しています。
同社のロックアップが解除になって1か月以上たちますが、市場でダラダラ売られるより、今回のように一気に売ったほうがアク抜けが速いとの見方もあり、売り一巡後は見直し買いが入る動きも見られました。
なお、明朝までに売出し価格が決まり受け渡しは1/24です。
1/24以降は買いを狙う動きも多数あるとの見方もあるようです。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反落!
大幅ギャップダウンで25日線(26554円)を下回る水準からスタートし陽の陰はらみの足形を形成しています。
明日の値動きが重要になりますが、仮に下落しても直近1/16安値(25748円)を割り込まなければ、1/4安値(25661円)→1/16安値(25748円)と下値切り上げになっている流れを継続することになり、反転トレンドを継続させることになります。
マザーズ指数は逆行高になり、小型株の一部は年初来高値を更新する銘柄も散見されます。
決算発表時は個別重視の様相が強まり、外部環境には良くも悪くも鈍感になります。
しばらく、森を見るより木を見る相場が続きそうです。
【本日のトピック】
www.nikkei.com
さて、ご存じの通り、昨日の日銀金融政策決定会合では、現状維持で終わりました。
YCC(イールドカーブコントロール)は維持、加えて、金融機関に担保を出させて、金融機関に有利な条件で融資。
融資を受けた金融機関は借り入れた資金で国債を買えば利ザヤが稼げる「共通担保資金供給オペ」を導入して、金融緩和継続を維持する姿勢を明確に示しました。
どれだけの金融機関が「共通担保資金供給オペ」を受け入れるかはわかりませんが、発表直後に一部の銀行株が反発したのは、金融機関にとって収益機会が提示されたことを材料にしてと思われます。
今回の日銀政策決定会合前の1/12の読売新聞には、上記の「日銀が金融政策決定会合で、金融緩和の副作用を点検」という記事がおどっていました。
政府に近いナベツネの読売新聞がリークしたとして、政府のメッセージと捉えた外資系のヘッジファンドはかなりのショートポジションを積み上げていたことがうかがえ、「現状維持」の発表がされた直後から日経平均先物はショートカバーで急騰しました。
(読売新聞は、黒田総裁の質問のときに、このことには全く触れませんでしたが・・・)
ブルームバーグには上記のようなコラムが載っています。
外国人にとっては、信じられないが、「コミュニケーションが壊れていても、日銀が信頼されていなくても困らない。それが日本だ!」というところでしょうか?
海外であれば、「黒田辞任せよ!」のデモのひとつでも起きそうなものなのに、日本人はまったく無関心で「日銀ってなに?」という状況であるということです。(金融リテラシーが低い??)
海外からみれば、絶対金融引き締めだと思って空売りをかけたのに失敗したという根本原因がうかがえる記事だと思います。
米FRBは、連銀総裁などが、たびたびコメントをだして、マーケットとの対話を試みます。
ブラックアウト期間では、WSJのニック記者の記事がFRBの意向として示されると言われています。
今回の読売新聞のフェイクニュース?もWSJの記事同様に、政府のメッセージと受け取った投機筋が空売りをかけたということかもしれません。
そして、今回の日銀政策決定会合ではっきりしたのは、日銀のマーケットに対する姿勢でしょう。
マーケットと対話をするFRBに対して、マーケットとケンカする日銀といったところでしょうか!
このことは、今後も頭に入れといたほうがいいと思います。
これから、しばらくの間のマーケットの関心事は、「米国決算とリセッション」に移ります。
米国では、すでに低調な経済指標が、金利上昇を抑える「BadNews is GoodNews」という状況ではなく「BadNews is BadNews」として受け取られ始めています。
再び、130円を切ってきた為替は、円高というよりドル安の側面のほうが大きいと思います。
本日のネットフリックスから本格化する米国決算に株価がどの様な反応を示すのか?(仮に悪い決算が発表になっても、織り込み済みとみなされるのか?)注目されるところです。
そして、米決算が一段落つけば、警戒されるのは2/10と言われる次期日銀総裁人事になるでしょう。
今のところ、金融緩和に積極的なハト派の順序としては、雨宮氏>中曽氏>山口氏といわれていて、雨宮氏を推す声が多いと聞きますが、安倍派と距離を取りたい岸田首相が山口氏を指名する可能性も十分あり得ると思います。
実際に山口氏が就任しても、すぐに方向転換するとは限りませんが、マーケットは大いに警戒するでしょう。
2/10前後は、マーケットと対話しない(投機筋に付け込まれるため対話できない?)日銀の姿勢で、再び、マーケットが荒れる可能性も警戒しておいたほうがいいと思います。