1月13日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄597/値下がり銘柄1171
騰落レシオ(25日)94.56%
空売り比率 46.8%
売買代金
東証プライム 3兆4556億円
東証スタンダード 667億円
東証グロース 1732億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
Greedに移行! 米株は決算前に楽観すぎるような・・・
【業種】
【個別】
長期国債利回りが、一時日銀が上限とする0.5%を大きく上回り、金利先高観を材料に銀行株が全面高になっています。
三菱UFJ(8306)、三井住友(8316)、みずほFG(8411)のメガバンクがそろって年初来高値を更新し、滋賀銀行(8366)や山形銀行(8344)、京都銀行(8369)などが急騰するなど大半の地銀株が年初来高値を更新しています。
地銀株はメガバンク株と比べて出遅れ感があり、単に来週の日銀金融政策決定会合へのイベントドリブン的な買いではなく、マイナス金利解除からゼロ金利政策解除まで見越して買ってきていると見る向きもあるようです。
それだけに、来週の日銀会合で、政策修正がなく現状維持となった場合も銀行株の見直し買いの流れは終わらないという声も聞かれました。
台湾TSMCが日本に2番目の工場建設を検討していることが報じられ、主要顧客のローツェ(6323)が急騰し、TSMC決算が好感されSOX指数の上昇が1%を超えたことからも、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)など主要半導体関連が大幅高になっています。
トレジャーファクトリー(3093)が急騰しています。
同社は、2023年2月3Q決算を発表し、3Q累計が過去最高益になることを発表しています。
同時に通期見通しについても、営業利益を19億4300万円→23億7600万円(前年同期比2.4倍)に上方修正し、配当も期末配当を15円→20円、年間配当を32円に増配しています。
株価は10年来高値を更新していますが、現水準を値固めできるかが注目になりそうです。
クラウド環境で動作するシステム開発や設計を手掛けるFIXER(5129)がストップ高まで買われ上場来高値を更新しています。
同社は2023年8月1Q決算を発表し、1Q売上高が前年同四半期比2.7倍の34億7500万になり、利益面でも黒字転換しています。
厚生労働省の新型コロナ感染者等情報把握・管理支援システムにおいて利用者増加に伴うライセンス販売が増加したことを材料視したようです。
通期予想は据え置いたものの、1Qの進捗率が45.3%におよび、更なる上方修正も期待されているようです。
同社は1/4からロックアップ解除になっていますが、足元目立った売りは見当たりません。
テクニカル的に過熱感は強まっていますが、来週もしっかりした展開が継続するか注目されます。
反面、ファーストリテイリング(9983)が急落し、1銘柄で日経平均を217円引き下げています。
同社は2023年8月1Q決算を発表していますが、営業利益が前年同期比2.0%減の1170億円になることを発表し、コンセンサスを200億円ほど下振れしています。
中国での新型コロナ行動制限の影響で、最大247店舗が臨時休業となり大幅な減収になったようです。
中国での売上は回復傾向に入っていて、通期の予想に変化はないものの、13日は1月物のミニ日経平均先物のSQ日であり、SQに絡んだ需給要因もあり、株価が大きく下落したものと思われます。
為替が127円台まで円高が進み、トヨタ(7203)や三菱自動車(7211)、マツダ(7261)など自動車株が全面安になり、任天堂(7974)やソニーG(6758)など外需関連も総じて売り込まれています。
PRTIMES(3922)がストップ安まで売り込まれています。
同社は2023年2月3Q決算を発表し、売上は過去最高を更新したものの、広告宣伝費や採用教育費がかさみ、営業利益が大幅な減益になっています。
通期見通しの変更はないものの、営業利益は下振れる見通しとしていて失望を呼んだようです。
ソニーのCMOSセンサー、CCD検査用光源装置を手掛けるインターアクション(7725)が大幅下落になっています。
同社は2023年5月2Q決算を発表していますが、売上が11億2500万円(前年同期比12%減)、営業利益が1億4100万円(同20.3%減)になることを発表しています。
しかしながら、同社は決算説明資料の中で、海外顧客向け光源装置の売上計上が9億円後ろ倒しになったことを説明しています。
通期見通しは変えておらず、後ろ倒しになった9億円が2Q売上に乗っていれば、巡航速度であったことになります。
後ろ倒しになったこと自体が悪材料ではありますが、PERも11倍程度の会社ですので、下げ止まればいったん買いになるかもしれません。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅下落!
大陰線を形成し5日線(26232円)を割り込んできています。
ナイトセッションの日経平均先物は大幅続落で戻ってきています。
相場下落の要因は、言うまでもなく、来週の日銀政策決定会合における、根強い政策修正観測による円高です。
為替の円高は日経平均のEPSの下落要因になりますし、今後思わぬ下方修正を発表する会社も出てくるかもしれません。
ND倍率(日経平均÷NYダウ)をみても、日銀の緩和修正がスタートして以来、日経平均は明らかに優位性を失っています。
早ければ、来週にも、YCC(イールドカーブコントロール)廃止を予測する向きもありますが、いずれにしても「逆金融相場」に突入しつつある日本株にはアゲインストの風が吹くと思われます。
年末に危惧した、コロナ変異株も不気味ですし、Fear&Greedが、決算前に楽観的になっているのも気がかりです。
来週は、1/4安値(25661円)を守れるかの正念場であり、下抜けるとトリプルトップが完成してしまいます。
しばらくは、決算をふまえた株価反応を見ながら、慎重に対応したほうがよさそうです。
【本日のトピック】
さて、「逆金融相場」に入りつつある日本株にアゲインストの風が吹くであろうことは変わりありません。
しかしながら、短期視点で考えるとリバウンドもあり得ると思われます。
もともと、今回のマーケットの急落は上記の読売新聞の「日銀、大規模緩和の副作用点検」という記事が発端と言われています。
一部では、アベノミクスから距離を置きたい岸田首相に対する岸田おろしを画策するリークという声もありますが・・・
それはともかく、個人的には来週の日銀政策決定会合でのYCC撤廃は考えにくいと思います。
外資系CTAの手口をみると1/4-1/6の週に先物を5033億円売り越し、過去4週間で約2兆円売り越しています。
海外株先物を買い戻す一方で、日本株のショートが際立っています。
これは、外資系CTAが今週の日銀政策決定会合でYCCを撤廃することに確信を持っていると思われ、国債利回りが0.5%を超えたり、週末のファーストリテイリングの売り崩しがみられたのも、その流れにそったものと思います。
しかしながら、個人的には日銀がこのタイミングで白旗を挙げるとは思えません。
過疎化が進む地銀株の新高値ラッシュにも違和感がありますし、野村証券は「マーケットはマイナス金利脱却どころか、そこからのさらなる利上げすら織り込んでいる」と見ているようです。
もちろん、米株の急落やコロナ変異株などということが加わればひとたまりもないのかもしれませんが、日本株の決算はいまのところ思ったより悪くなく、中国の復活も予見できます。
来週の日経平均は正念場を迎えますが、日銀政策決定会合のイベントドリブンを過ぎれば、とりあえず16400円程度までの短期反発があってもおかしくないと思うのですがいかがでしょう?