8月31日 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり1048/値下がり1017
騰落レシオ(25日)99.37
売買代金 東証一部 3兆0137億円
マザーズ 1733億円
業種 海運、鉄鋼、精密機器などが上昇。
空運、陸運、電気・ガスなどが下落。
個別 指数の値動きが荒くなる中、売り込まれていたソフトバンクG(9984)がプラス転換し、ファーストリテイリング(9983)も2%を超える上昇に転じています。
日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の大手海運株が大幅上昇になり、日本製鉄(5401)、JFEHD(5411)など鉄鋼株も上昇しています。中山製鋼所(5408)はストップ高をつける局面もありました。
SOX指数が最高値更新になったことを受けて、レーザーテック(6920)が7日続伸。上場来高値を更新しています。
株式分割を発表したLITALICO(7366)が急伸し、H2Oリテイルの傘下入りを表明した関西スーパーマーケット(9919)も一時ストップ高になるまで買われています。
また、上方修正、増配、優待再開を発表したダイコク電機(6430)はストップ高比例配分まで買われています。
反面、米国でアフターコロナ関連が軟調であったことから、JAL(9201)、ANA(9202)の空運大手が売られ、京王電鉄(9008)や東武鉄道(9001)、小田急(9007)など鉄道株が軒並み売り込まれています。
米長期金利低下を嫌気して、T&D(8795)や第一生命(8750)など保険株が売られ、北海道電力(9509)や関西電力(9503)など、ディフェンシブセクターの電力株が売られています。
中国当局が未成年のネットゲームに対する規制強化が伝わったことから、コーエーテクモ(3635)やネクソン(3659)、スクエニ(9684)などゲーム関連が幅広く売られています
日経平均は大幅続伸!
ついに、11か月続いた月末安アノマリーを覆しています。
しかしながら、値上がり銘柄数と値下り銘柄数は拮抗しており、全面高という状況ではないため、先物主導の吊り上げとみるべきと思われます。
恐らく、短期筋が先物を仕掛け、月末安アノマリーを当て込んでいた筋に買戻しを迫らせ、権利行使価格の遠いファーのコールを上昇させ利益確定。(本日は29000円コールの売買高が最も多い)
そのあとに、ふるい落とす、いつもの吊り上げ作戦と思われますが、明日以降デットクロスする可能性の高い200日線(28261円)、75日線(28287円)を明確に上抜けていけるかが注目になると思います。
ただし、一本調子で上昇する可能性は低いと思われますが、マーケットの基調が戻り売りから押し目買いに変わってきている可能性はあり、押し目をつけたときには、すかさず買いに入る作戦を考えておいたほうがいいと思います。
さて、本日は、先日の主要企業の1Q決算から、どのような銘柄を選んでいくべきかを探っていきたいと思います。
上記は住友ゴム(5110)の決算資料から抜粋したものですが、1~6月期の上半期こそ前年対比で323億円増えて(前年は赤字)300億円の利益を残しましたが、本決算の7~12月期の下半期については前年対比で207億円マイナスになり250億円の利益にとどまっています。
減益予想の要因として、会社は「原材料高」が267億円ものマイナスを引き起こすと説明しています。
上記は住友ゴムのチャートですが、決算発表をした翌日は窓を開けて下落しており、その後も厳しい展開です。
ところが、同業のブリヂストン(5108)の決算をみると、下期もきっちり前年対比で264億のプラス 1838億円の利益を上げる予想になっています。
同じタイヤの会社でありながら、なにが違うのでしょう?
上記はブリヂストンの今12月期の利益の変動要因を示したものですが、原材料高は住友ゴムと同様にマイナス要因になっていますが、省エネタイヤなどの付加価値商品の販売で売値をプラスにして、数量を大幅に増やしていることがわかります。
そして、数量が増えたものですから、加工費も大幅にプラスになっていることがわかります。
原材料高に悩まされているのはゴム業界だけではありません。
そこで、製造業の銘柄を選別するうえでは、
⓵生産性を高めることができているか
⓶高付加価値化を推進し、高いシェアをにぎっているか(マーケットリーダーかどうか)
⓷川上産業であるか(川下産業に比べて価格転嫁がおこないやすい)
といった観点から選別すべきであろうと思います。