1月31日(月) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり1715/値下がり417
騰落レシオ(25日) 92.96%
空売り比率 42.4%
売買代金 東証一部 3兆2130億円
マザーズ 1452億円
業種
個別
ナスダック大幅上昇を背景にソフトバンクG(9983)やソニーG(6758)などグロース株が買われ、決算を前にしたレーザーテック(6920)も5%近い上昇になっています。
上方修正と増配の発表をした商船三井(9104)が9.6%の急騰となり、日本郵船(9101)や川崎汽船(9107)も大幅高になっています。
3Qの大幅増益や通期見通しの引き上げが好感されたトプコン(7732)がストップ高まで買われ、上方修正を発表したOLC(4661)やアルプスアルパイン(6770)も大幅高になっています。
マザーズにも見直し買いが入っており、FRONTEO(2158)やウェルスナビ(7342)、フリー(4478)などが大幅上昇となり、昨日このブログで紹介したEnjin(7370)もマザーズで上昇率4位になる急騰を演じています。
反面、下方修正を発表したオムロン(6645)が7%安になり、セイコーエプソン(6724)も上方修正を発表したにも関わらず4%を超える下落になっています。
決算を材料にダダノ(6395)や中部電力(9502)、島精機(6222)などが大幅安となり、シンプレクスHD(4373)も通期見通しを引き上げたにもかかわらずストップ安まで売り込まれています。
グロース株が選好される中、バリュー株から資金が流出する動きが見られ、東京海上(8766)やT&DHD(8795)などの保険株や、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)など銀行株が売られています。
日経平均は続伸!
「陰の陽はらみ」から上放れ陽線を形成しており、短期的には底入れを期待させるパターンになってきています。
1/12以来の5日線(26806円)越えになり、米株次第ではあるものの、27600円から27900円あたりまでの戻りもあり得ると思われます。
本日は、朝方、日経平均も26500円近辺まで売り込まれましたが、その後切り返す動きになりました。
日経CNBCにおいても、岸田内閣の支持率が低下したのが好感されたと解説していましたが、先物を動かしている外国人も政治の動きには敏感に反応します。
今のところ、岸田内閣の唱える「新しい資本主義」は、ほとんど解読不明(たぶん本人もわかっていない)ですが、一刻も早く、具体的な成長戦略を示してほしいものです。
さて、日本も、ここから2週間ほど、決算発表の佳境に入ります。
ところが、今回のマーケットの下落は、投資家に不信感を植え付けたようで、決算の内容次第では思わぬ下落につながっているケースもあるようです。
本日 通期利益の見通しの上方修正を発表したシンプレクス(4373)はストップ安まで売り込まれています。
株価は上場来 ほぼ2倍になるまで上昇しましたが、今回の下落で、ほぼ上場時の株価まで逆戻りすることになりました。
シンプレクスはPER23.6倍であり、決してハイパーグロース株ではありません。
コンセンサスを上回る数字を出しても売り込まれるのですから中小型グロース株不審には根深いものがあるのかもしれません。
(だからと言って、四半期開示見直しは、「鏡を見る回数を減らせば美人になる」と言っているようなもので、的外れな議論と思います。)
そして、本日16時に注目のレーザーテック(6920)の決算発表がありました。
レーザーテックは言わずもがな、スーパーグロース株の筆頭(PER107倍)であり、もっとも流動性の高い銘柄のひとつです。
いわば、「最も高く最も人気のある銘柄」です。
直近3か月で、営業利益を大きく伸ばしてきたものの、通期の上方修正はなく、コンセンサスにも届いていません。
通期計画(経常利益)に対する上期進捗率は48.6%で50%に届いていません。
この決算では、強く買われる材料にはなりにくいと思いますが、その一方で株価は1月につけた高値から3割近く下落していて、値幅調整は進んでいます。
PTSは25175円 +100になっていて、大きな下落にはなっていません。
明日の動きでも、きつい下落にならず材料出尽くし感が意識されるようなら、他のグロース株にも安心感がひろがります。
逆に大きな下落になるようなら、リスクオフの再燃となるでしょう。
今後のマーケットを占ううえでも、明日のレーザーテックの株価には要注目です。