1月21日(金) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり1170/値下がり920
マーケットは下落しましたが、値上がり銘柄数のほうが多い展開です。
騰落レシオ(25日)92.92%
空売り比率 47.7%
売買代金 東証一部 2兆9873億円
マザーズ 1320億円
日経VIもVIX指数も急騰してきています。
米株の、ここもと見られない下落にもかかわらずVIX指数は、まだ20台か!とも見てとれるため、まだまだ警戒が必要と思われます。
業種
個別
リアルタイムにデジタル空間に物理空間を再現させる「デジタルツイン」を活用し、顧客工場の効率化を提案しているファナック(6954)が産業用メタバース関連として注目され大幅高になっています。
MSMUFGが目標株価を4050円→4150円に引き上げた伊藤忠商事(8001)が逆行高になっています。
日経新聞に非鉄の上昇が取り上げられたことを材料に、住友鉱山(5713)や東邦亜鉛(5707)などが大幅高になっています。
コロナ感染急増を尻目に、JAL(9201)やANA(9202)、西武HD(9024)、富士急行(9010)、エアトリ(6191)などレジャー関連には強い買いが入っています。
上方修正と復配を発表した巴川製紙(3878)が急騰し、JPMが投資判断を「Neutral」→「Overweight」に引き上げたコナミ(9766)やセガサミー(6460)などゲーム株が大幅上昇になっています。
反面、米ネットフリックス急落がグロース株の警戒心を高め、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)など半導体関連が軒並み売られています。
コロナの影響により、トヨタの工場ラインの停止が伝わり、トヨタ(7203)のほか、デンソー(6902)やトヨタ紡織(3116)など系列の銘柄が大幅安になっています。
大和証券が投資判断を「1」→「3」に引き下げたINPEX(1605)やSMBC日興が目標株価を2700円→2200円に引き下げたサイバーエージェント(4751)が大きく売り込まれました。
下方修正を発表したミツウロコGHD(8131)が急落し、消費者庁から景品表示法に基づく措置命令を受けた大幸薬品(4574)が値つかずのストップ安比例配分に沈んでいます。
日経平均は続落!
しかしながら、日足の足形は2日連続で陽線となり、昨日は値下り銘柄数より値上がり銘柄数のほうが多い状況です。
一方通行の下落ではなく、押し目での買いは入り始めている動きが見られます。
ただ、米株環境には、まだまだ不安がつきまといます。
上記はNYダウの時間足ですが、連日、寄り付きは前日下落した分の買いが入るものの、その後ジリ下げになり、引け前に下げを加速していることがわかります。
米ビーズフォーク社によると、1月の米市場の引け1時間前の下げ幅は平均-0.19%で、2000年以降、3番目に低調であるとのことです。
引け前のこのような下落は追加下落へのシグナルであるとのことです。
世界的にパンデミックの影響で収益見通しが低下する中、支持率の落ちてきているバイデンはFRBに対してインフレ退治のための金融引き締め特命をだしています。
これに対して、パウエル議長はどのような回答を出すのか?
拙速な金融引き締めを進めれば、経済に深刻な影響を与えることになるでしょう。
これからのマーケットを占う上でも、来週のFOMCは非常に注目されるところです。
ここもとの、かってない米国の下落は、当然日本にも影響します。
先物のナイトセッションは27220円 -300円で下落して戻ってきており、月曜日のマーケットは洗礼を浴びるでしょう。
ただ、仮に週初に大きく下落して、昨年来安値近辺を試すことがあったとしても、上記のように、おおむね26950円を下限としたレベルを維持できるのであれば、その後は切り返すことも十分に考えられると思います。
上記は日経平均とナスダックを対比したチャートです。
日経平均がナスダックに勝っていたのは青マルのところしかなく、その後は大きく差がついています。
バリュエーション面でも日本株のほうが割安であることは間違いなく、日米の金融政策の違いにスポットがあたった場合(日銀は量的・質的金融緩和継続)、今年は日本株のほうが米国株より強くなる可能性は十分あると思います。(リスクは岸田か・・)
いつまでも、米株と同じような割合で下落するというのには無理があると思われ、近い将来米株離れする可能性も近いのではないかと思います。
さて、日本株の復権にはグロース株の復活が不可欠と思われます。
日本株が、切り返すためにはグロース株が、いつ下げ止まるのかを見ていく必要があると思います。
上記は東京エレクトロン(8035)とレーザーテック(6920)です。
同じ半導体関連で値がさ株ですので、同じような動きをする傾向があります。
しかしながら、PERで見ると東京エレクトロンは22倍台、レーザーテックは115倍です。
レーザーテックの成長が期待されてのことですが、今のマーケットでは高PER銘柄は好まれません。
一方で東京エレクトロンは、さらに下落が進めば高PER銘柄とは言えなくなります。
利益水準に妥当な株価がついて、成長が望めるのであれば、売り込む理由はないと思います。
つまり、こういった点を度返しして、東京エレクトロンが売られていくのであれば、まだまだグロース株は買えません。
しかしながら、レーザーテックが売られても、東京エレクトロンが値を保つ動きが出てくれば、グロースの中でも買えるものを選別しようとする動きが出てくると思います。
東京エレクトロンとレーザーテックの今後の動きは要注目と思います。