12月6日(金)
【相場概況】
【売買代金】
【米株市況】
【個別銘柄】
三菱ロジネクスト(7105)がストップ高まで買われています。
日本経済新聞電子版は6日朝、「三菱重工(7011)が上場子会社のフォークリフト大手、ロジスネクストの売却に向けた手続きを進めていることが6日わかった」と報じました。
今後のロジスネクストへのTOB(株式公開買い付け)実施の思惑から買いが集まったようです。
三菱重工は国産初のジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」の開発中止などで大きな損失を出す一方、固定資産の売却などを進め財務体質を強化してきました。
課題だった親子上場の解消にも踏みこみ、資本効率のさらなる改善を図る方針です。
三菱重工株は小動きでしたが、市場では「三菱重工にとってはロジスネクストの売却で成長投資に振り向ける資金が確保でき、事業の選択と集中が一段と進む可能性が高い。重点領域に掲げるエネルギー分野や防衛分野に集中する姿勢が明確になった点は評価できる」(アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネージャー)との声が聞かれています。
また、同ニュースの思惑で放電精密加工研究所(6469)も大幅高になっています。
三菱重工は同社株を約35%程度保有し、筆頭株主となっています。
それだけにいずれ同社株も売却するか、完全子会社化するのではとの思惑に繋がっている様子です。
ただ、三菱重工が筆頭株主になったのは今年であり、早々に売却するとは考え難く、子会社でもないだけに完全子会社化する可能性は現状では乏しいとの見方もあります。
今週も思惑買いが続くかは微妙のようです。
https://kusuri-aoki-hd.co.jp/
クスリのアオキホールディングス(3549)が反発しています。
11月度の客数は4.6%増、客単価は2.6%上昇しました。
今村証券の近藤浩之アナリストは「店舗の改装効果で客数の伸びが続いている」との見方を示しています。
また、同社は、同日、東北や関西地盤のスーパー3グループを傘下に収めるとも発表しました。
買収するのはハッピーテラダ(大津市)など3グループのスーパー事業で、買収対象は合計61店舗となります。
今村の近藤氏は「クスリアオキはこれまでも地場スーパーのM&A(合併・買収)を通じた事業拡大に成功しており、好立地にあるスーパーが多いとみられる今回の買収も業績貢献に期待ができる」とみています。
同じく、11月月次を発表した同業のサンドラック(9989)も大幅高になっています。
グループ合計の既存店売上高は前年同月比2.6%増となり、2ヵ月連続で前年実績を上回りました。
セグメント別では、ドラッグストア事業の既存店売上高が同2.4%増と2ヵ月ぶりのプラス、ディスカウントストア事業の既存店売上高は同2.9%増と2ヵ月連続のプラスでした。
株価は先週、先月急落後の下げ分を取り返した処で戻り一服となっていましたが、本日一段高を見せ新ステージ入りを印象付けています。
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アイサンテクノロジー(4667)がストップ高まで買われています。
6日、同社とKDDI(9433)とティアフォー社などが、自動配送ロボット・自動運転車・ドローンの協調配送実証に成功したと発表しました。
建物内で荷物を受け取った自動配送ロボットと、ドローンを搭載した自動運転車が連携します。
自動運転車がロボットから荷物を受け取った後、離陸地点まで移動し、ドローンによって目的地まで荷物を配送したことを確認しました。
同社は、高精度3次元地図の製作や座標変換システムの構築、自動運転車の安全走行のための地図更新システムの開発などを担っています。
株価は、3月7日に付けた年初来高値1,800円を視野に捉えた動きになりそうです。
【本日のトピック】
さて、先週の日経平均は週間で883.14円高となり、7月11日の終値と10月15日の終値を結んだトレンドラインを上抜けてきています。
日経平均が4週ぶりに反発した要因としては、米株高やGPIFの配分見直し思惑も関係していますが、主に以下の2つの要因の影響が大きかったように思います。
①半導体関連の見直し買い
12/3に日経平均が735円高になったのは、米政府が2日発表した、人工知能(AI)向けの先端半導体や高性能の半導体製造装置の輸出規制において、日本が規制の対象外になったことが要因と言われています。
この日は、対中規制への懸念から半導体株が下落する方向に賭けてきた投資家のショートカバーが一斉に入り、日経平均を大きく上昇させました。
②12月の日銀追加利上げ観測後退
www.google.com
4日、時事通信が「日銀内部では円安などによる消費者物価上昇の大きなリスクがない限り、早期の利上げは避けるべきだとの見方が強まっている。」と報じました。
市場の金融政策見通しを反映するオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)では5日、12月18-19日の会合で日銀が利上げする確率を37%織り込んでいますが、11月29日の66%と比べると大幅に低下しています。
今週は先週の上昇要因①②に影響する重要イベントがあります。
12/10(火) TSMC月次売上高
12/10(火)14:30にはTSMCの月次売上高が発表になります。
言わずもがな、TSMCの売上はAI半導体の恩恵を最大限に受けていますが、この発表を受けて、日本の半導体関連がどう反応するのか注目されます。
12/13(金) 日銀短観
12/13(金)の日銀短観は日銀が12月追加利上げに踏み切るかどうかの決定要因となる最も重要な経済指標です。
景況感が良好ならば、追加利上げを後押しすることになるでしょうし、もし日銀が追加利上げを実行するならば、8/5の令和のブラックマンデーのようなマーケットの動揺を避けるため、早めに日経新聞等にリーク記事を書かせて織り込ませようとするでしょう。
今週はメジャーSQ週で、ボラティリティが高まりやすい週になります。
上下共に上記の材料でマーケットが大きく振れる可能性がありますので注意が必要です。