1月14日(金) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり503/値下がり1599
騰落レシオ(25日) 91.92%
空売り比率 50.5%
売買代金 東証一部 3兆4410億円
マザーズ 1465億円
業種
個別
1Q決算が好調となったファーストリテイリング(9983)が8%を超える上昇になり、上方修正を発表した7&I HD(3382)も大幅上昇になりました。
軟調な相場の中、小売大手2社が強い動きを見せています。
日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の大手海運3社がプラスで推移し、NSユナイテッド海運(9110)や明治海運(9115)など中堅海運の一角もしっかりの動きでした。
上方修正を発表したキャリアリンク(6070)や乃村工藝社(9716)、竹内製作所(6432)が急伸しています。
ワールドによる公開買い付けに賛同の意を表明したナルミヤ(9275)がTOB価格にすり寄せする形でストップ高比例配分で終わっています。
反面、ファナック(6954)、キーエンス(6861)、レーザーテック(6920)、信越化学(4063)など値がさ株が総じて売り込まれ、リクルート(6098)、エムスリー(2413)、太陽誘電(6976)、村田製作所(6981)なども強い売りに押されています。
日銀が物価目標が2%に達する前に利上げをすることが可能か検討しているという観測記事(2023年4月に黒田総裁が退任した後を想定した伏線か?)が流れたことにより、ドル円が113円台まで鋭角的に円高方向に振れたため、日産自動車(7201)やSUBARU(7270)、マツダ(7261)など自動車株が軟調になりました。
日立(6501)による株式売却観測が報道された日立建機(6305)が17%安の急落になり、3Q累計で営業減益になった久光製薬(4530)も10%を超える大幅安に沈んでいます。
マザーズ指数が下げ止まらない中、メルカリ(4385)やフリー(4478)、ウェルスナビ(7342)、BASE(4477)など主力銘柄が厳しい下落になっています。
日経平均は大幅続落!
日足の25日線(28656円)、75日線(28848円)、200日線(28786円)
週足の13週線(20691円)、26週線(21620円)、52週線(21955円)
など主だった移動平均線すべてを下離れています。
足形をみても、「陽の陰はらみ」からの下離れ陰線になっており、下落を示唆する形になっています。
1月限 SQ値は28266円となり、高値、終値ともにSQ値を下回る「幻のSQ」になっています。
前場にTOPIXが2%以上下落していたために、久しぶりの日銀ETFの買いがあったことと、ファーストリテイリングが逆行高していたことから、「三角持合いからの下離れ」にはギリギリの水準で踏みとどまっていますが、200日線が下向きになっており、下落の圧力が強いことは間違いなさそうです。
引き続きボラティリティの高い値動きになりそうですが、反発したとしても、200日線(28786円)を上抜けることが出来なければ、「三角持合いからの下離れ」は覚悟しておいたほうがいいと思います。
さて、1月25日にはIMF(国際通貨基金)が世界経済見通しを発表します。
本来19日に発表予定でしたが、オミクロンの影響を取り込むために1週間発表をずらしたようです。
オミクロンの影響が、どのような形で反映されるかはわかりませんが、上記のように、前回 発表された経済見通しでは、2022年は、軒並み世界の経済が失速する中、日本だけは増加に転じていることがわかります。
恐らく、同様の数字が発表されると思われ、本来ならPERが20倍近い米国から14倍と割安な日本に資金移動がおこってもおかしくないと思われます。
ところが、山際経済再生大臣は民放の放送で「新しい資本主義は株価を意識してやりません」と発言する始末です。
(株価を意識しない経済再生大臣って・・・⁉)
岸田内閣は、本来取り組むべき社会保障改革や国の無駄遣いには一切触れず、株主や富裕層という仮想敵をつくり、表面上良さそうなことだけを言っています。
それで支持率が上昇するのですから、やはり日本はこのまま衰退するのかと嘆きたくなります。
さて、嘆いていても仕方ないので、本日は半導体関連の有望株アドテック プラズマテクノロジー(6668)を紹介します。
同社は半導体・液晶パネル製造装置内において、半導体ウエハやガラス基板の表面に膜付・エッチング化工等を行うためのプラズマを発生・制御する高周波電源装置を製造・販売しています。
主な納入先はASMLやアプライドマテリアルなどです。
同社が扱うプラズマ技術は人の手ではできない非常に微細な加工を可能にする技術です。
半導体の不要な領域を除去して回路パターンのみを残すエッチング工程で、正確なエッチングが可能となるドライエッチングで必要不可欠なプラズマ技術を保有しています。
1/13に発表になった1Q決算では営業利益が6.2億円(前年同期比2.8倍) 受注残が66.9億円(同2.0倍)との好決算を発表して動意づいてきています。
東海東京証券はDCF法で目標株価を3500円としていますが、今後目標株価を上方修正してくることもあり得ると思います。
中国の半導体内製化政策により、新型のみならず旧式まで受注がさかのぼり舞い込む状態です。
主力のプラズマ電源とマッチング装置は2Qから前期比2倍にひきあげ、想定以上の受注残に対応する方針です。
同社は研究機関向けも強く、文科省が推進する10兆円規模の大学ファンドも追い風になると思います。
DIAM新興市場日本株ファンドは12月からアドテック プラズマ テクノロジーを組み入れています。
現状株価でもPERは18倍台で割高感はありません。
押し目は狙ってみたい銘柄です。