12月3日(金) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり2015/値下がり138
騰落レシオ(25日) 76.56%
空売り比率 45.4%
売買代金 東証一部 2兆9347億円
マザーズ 1861億円
米株が荒れています。引けにかけて、やや持ち直しましたが、VIX指数は、一時 35.32まで急騰しました。
業種
個別
米国でボーイングが物色された流れも影響して、JAL(9201)やANA(9202)の空運株が大幅高になりました。
ボーイングの関連銘柄として、東レ(3402)やジャムコ(7408)も賑わっています。
海運株に買いがあつまり、日本郵船(9101)、商船三井(9104)の大手海運株が物色され、なかでも川崎汽船(9107)は13%近い上昇になりました。
大手海運株の値動きは、栗林商船(9171)や飯野海運(9119)など中小型の船株物色にもつながっています。
アフターコロナ関連に押し目買いがはいり、HIS(9603)や西武HD(9024)、高島屋(8233)、鳥貴族(3193)などが大幅高になっています。
個別材料では愛知銀行(8527)と統合観測が流れた中京銀行(8530)が10%近い上昇になり、直近上場ののむら産業(7131)やサイエンスアーツ(4412)はストップ高まで買われています。
反面、月次が弱かったファーストリテイリング(9983)や出資企業に複数の悪材料が報じられたソフトバンクG(9984)は年初来安値を更新しています。
ファーストリテイリングはTOPIXの先行指標になると分析している人もいて、少々不気味です。
レーザーテック(6920)や東京エレク(8035)など半導体関連が売られ、任天堂(7974)やファナック(6954)などの値嵩株の一角も逆行安になりました。
通期の純利益見通しを引き下げたラクーンHD(3031)がストップ安になり、今週弱い動きが目立ったアスタリスク(6522)も9%を超える下落に沈んでいます。
FRONTEO(2158)は著名投資家のCis氏やテスタ氏が手掛けたらしく、買い先行からスタートしたものの、
とのツイートの20分後にストップ安になっています。
社長が上記ツイートを出しているグローバルウェイ(3936)も値つかずのストップ安比例配分になっています。(この人、いずれ逮捕されるんじゃ・・)
ウルフ村田嬢が推奨していたアーちゃん〔アジアゲート(1783)〕やマーちゃん〔マーチャント・バンカーズ(3121)〕やフーちゃん〔フーバーブレイン(3927)〕なども総崩れになり、まさに仕手株総崩れの様相です。
日経平均は反発!
下ヒゲ陽線を形成し、高値引けで終わっています。
5日線(27964円)を回復し、目先の底値固めをしてきているように思います。
ナイトセッションでの日経平均先物は、NYが荒れたこともあり、27790円 -280で帰ってきていて、現物市場の上昇を打ち消した形になっています。
しかしながら、日経平均先物のチャートをみると、ここ数日、三角持合いを形成してきていて、持合い離れが近いように思えます。
騰落レシオ(25日)は12/2に69.23の異常値をつけてから12/3は76.56に反発しています。
騰落レシオが60台をつけるのは、きわめてまれで、昨年4月のコロナクラッシュ以来です。
これが反発のシグナルとは断言できないものの、きわめて異常な状態から修正が入り始めたことは確かだと思います。
12/10はメジャーSQになりますが、上記先物手口を見ると、野村やみずほ、ゴールドマン、HSBCといったところが、期近の売り建て玉をかなりの枚数保有していることがわかります。
SQまでには、ロールおよび買戻しの動きが出やすいと思われますので、今週は下押しからの反発が期待できると思います。
上記は日経平均の週足になりますが、昨年5月以来、上昇トレンドを形成してから、52週線(28709円)を割り込んだのは、過去①②③の3回、今回で4回目ということになります。
①②③とも、割り込んでも、翌週には上回っており、上昇トレンドを継続させています。
今回 今週、仮に反発したとしても52週線の28709円以上で終了しないと、昨年5月からの上昇トレンドが終了ということになりかねませんので注意が必要です。
さて、本日は米株についても、今後の動向について、考察したいと思います。
上記はNYダウと200日線の関係ですが、NYダウが200日線を一時的にタッチ、あるいは割り込んでも、すかさず切り返すなら押し目買いのポイントになっていますが、200日線を長期間維持したあと、完全に割り込んでしまった場合は、その後大きな下落になっていることがわかります。
NYダウは12/2に昨年7月以来の200日線割れをおこしましたが、翌日には今年一番の上昇を記録し200日線を奪回。
昨日も、一時、割り込みかけたものの、終値では回復しています。
このあたりは、さすが米株というイメージです。
12/3のマーケットは荒れました。
オミクロンや米金融政策の不透明感が強まる中、ポジションを落とす動きが強まりました。
TSLAやNVDAが売り込まれ、GAFAMやネットフリックスも売り込まれています。
グロース株中心に売り込まれ、ナスダックが大幅安になりました。
11月の雇用統計は雇用者数は予想を大きく下回ったものの、失業率は4.2%と大幅に低下しているという結果になりました。
ISM景況感指数は、市場予想を大きく上回る69.1となりました。
個人消費など需要は歴史的な強さである一方、物流停滞や人手不足は深刻なままです。
需要と供給がかみ合わない、いびつな状況でインフレ圧力がかかり続けていることをしめしています。
雇用統計の結果とISM景況感指数は、市場では「FRBは12月にテーパリングの加速を決める」と受け止められたようです。
再任時に、支持率低迷のバイデン大統領から強い指示があったのかもしれませんが、パウエル議長は、経済を崩さないようにインフレをコントロールすることに「白旗」をあげ、資源高インフレを押さえ込むことを第一義に転換した可能性があります。
しかしながら、債券市場は「テーパリングの加速」に警戒を発しています。
利上げが論じられる中、長期金利は1.36%に低下し、原油価格も下落しています。
本来ならナスダックは買われていいはずなのに大幅安になっています。
12/15のFOMCで、市場との会話なしに「テーパリングを加速/利上げ前倒し政策」を推し進めると、2018年同様にマーケットは急落する恐れを秘めています。
株式市場のテクニカルは、まだ崩れていないと思いますが、「薄氷踏む」状況であるともいえます。
「オミクロン」の動向も注視する必要はありますが、本当に怖いのは、FRBの金融政策であり、12/15のFOMC後かもしれません。