2月18日(金) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり916/値下がり1166
騰落レシオ(25日)97.24%
空売り比率 44.7%
売買代金 東証一部 2兆8069億円
マザーズ 1384億円
業種
個別
日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の大手海運株が買われ、飯野海運(9119)や玉井商船(9127)など中堅海運株もしっかりの動きです。
商船三井(9104)と造船契約締結を発表した内海造船(7018)が17%を超える急騰になり、連想で名村造船(7014)も13%を超える急伸になっています。
しかしながら、2/19の日本経済新聞によると、商船三井の運行する自動車運搬船が火災をおこしています。
ポルシェなど高級車を約4000台を積んでいて、車両に積んでいたリチウムイオン電池にも火が付き、消化には専門の機器が必要。被害額は約300億円と報じられています。
恐らく、保険があると思いますので商船三井の業績に与える影響はないと思います。(商船三井は運行先であり運搬船の持ち主ではありません。)
ただ、保険料はあがるでしょうし、売り方の材料にされる可能性があると思いますので、月曜の海運株に影響があるかは注意が必要です。
また、あらためて、リチウムイオン電池の火災による安全性が問われる可能性もありますし、万が一、出火原因がリチウムイオン電池ということになれば、ややこしい問題に発展しかねませんので注意が必要です。
前日 売り込まれたファーストリテイリング(9930)やベイカレント(6532)に見直し買いがはいり、任天堂(7974)もしっかりの動きになりました。
韓国連結子会社の上場審査請求を材料にダブルスコープ(6619)が大幅高になり、直近騰勢を強めている朝日インテック(7747)や日本金属(5491)など材料株にも強い買いがはいっています。
反面、ファナック(6954)が6%近い下落になり、リクルートHD(6098)も続落しています。
今期減益・減配見通しを、引き続き悪材料視されたツバキ・ナカシマ(6464)が大幅続落し、スノーピーク(7816)も直近ストップ高からの反動安が続いています。
上場来高値を更新していたOLC(4661)が利益確定売りに押され、値もちのよかったニコン(7731)も大幅安になっています。
東海東京証券が投資判断を「Outperform」→「Neutral」、目標株価を4550円→2880円に引き下げたNITTOKU(6145)が大幅続落し、シノケンリートの上場延期を発表したシノケンG(8909)も大幅安になっています。
日経平均は続落!
売り先行でスタートしたものの、ブリンケン米国務長官が、ロシアがウクライナに侵攻しないことを条件にラブロフ露外相による来週の会談要請を受託したとの米国務省の発表を受け、急速に下げ幅を縮小し陽線で終了しています。
しかしながら、プラス転換することはなく、5日線(27152円)も上回ることはできず、上値の重さを感じさせる展開になりました。
2/18に、バイデン大統領が「プーチンがウクライナ侵攻決断と確信」という演説をしたことにより、米株価は続落し、ナイトセッションの日経平均先物も26840円 -250で終わっています。
26840円は18日のマドを開けてスタートした寄り付き値の26895円を下回っていることになり、来週の値動きに不安を感じさせます。
日経平均の週足は、3週ぶりに陰線になっています。
上記 一目均衡表をみると、これまでは、なんとか、終値ベースで、雲の下限である先行スパン2(26796円)上をキープしていることがわかります。
もし、この水準を下抜けてしまうと、価格帯がスカスカの真空状態の地帯に入ることになりますので、場合によっては、一気に24500円あたりまで下落してもおかしくないと思われます。
日経平均の長期の月足をみても、MACDがデッドクロスし、ヒストグラムもマイナス転換しています。
長期下落トレンドは継続されており、底打ちのシグナルが確認できるまでは、安易なナンピン買いなどは避けたいところです。
さて、にわかに緊張してきたウクライナ問題ですが、ロシアが実際にウクライナに侵攻するかはプーチンの決断次第です。
プーチンの狙いとしては
①NATO東方拡大防止
②国内で「強いロシアアピール」
③原油/ガス高騰→ロシア経済にプラス
ということが考えられます。
一方、実際に侵攻すれば欧米からの禁輸で原油/ガスの販売先が減りロシア経済にマイナスに働くことになります。
したがって、よほどのことがないと、ロシアの侵攻はないと考えるのが普通です。
しかしながら、「やられたらやり返す」これは絶対やると思います。
これを放置すると国内で弱いイメージがつき政権の人気が下がるからです。
侵攻する「大義名分」が出来れば侵攻するかもしれません。(ロシアはクリミア併合の時も「現地のロシア系住民の救出」を大義名分に侵攻しています。)
米国は軍事機密ばりの衛星写真を公開し、ロシアが撤退していないことを発表しています。
ロシアの「大義名分」潰しに躍起になっている印象です。
ロシアにとって、最も得策は現状の侵攻「すんのかいせんのかい」という状況が続くことです。
そうなれば、原油/ガスの上昇がつづき、NATO拡大も引き延ばせるからです。
このような状況の中、株は下落し、原油も上昇したままです。
しかしながら、米国短期債市場は、一時、安全資産の債券に資金が流入することにより、金利が下落したものの、少しずつ金利が上昇してきています。
為替も、一時、いまだ安全通貨と言われている円が買われて114円台まで円高になりましたが、その後は115円台まで戻しています。
マーケットは、すこしづつ「すんのかいせんのかい」状況を折り込みつつあるのかもしれません。
3月のFOMCの市場予想も、ここ数日で「0.5%」予想は弱まりました。
ただ、大きな要因はウクライナ情勢の警戒であり、「利上げ観測の鈍化→株高」にはつながっていません。
原油/ガス価格の上昇がつづきインフレが加速ということになれば、利上げも加速せざるをえなくなりますので注意が必要です。
一方、ロシアが侵攻して、一番得をするのは中国かもしれません。
売り先が減った原油/ガスを買い叩くことができますし、強力な軍事同盟国を得られることにつながります。
ひょっとすれば、ウクライナへのサイバー攻撃とかは、プーチンの国ではプーさんの国かも・・・
岸田首相は17日にプーチンと電話協議をして「重大な懸念をもって注視している」と伝えたようですが・・(ほんま、注視と検討が好きな首相やな・・)
「今日はこれくらいにしといたるわ!」状態でないことを祈るばかりです。