3月7日(月) 相場概況
東証一部の騰落銘柄数は値上がり225/値下がり1921
騰落レシオ(25日) 100.49%
空売り比率 45.5%
売買代金 東証一部 3兆7199億円
マザーズ 1040億円
売買代金 東証一部は高水準な反面、マザーズは大きく減少しています。
VIX指数が、直近高値を超えてきています。
S&P500は、もう一段の下落を覚悟しなくてはいけないかもしれません。
業種
個別
米国務長官が、欧州と「ロシア産原油の禁輸を検討」していることが報じられ、原油価格が高騰!。
富士石油(5017)や出光興産(5019)、INPEX(1605)が急上昇し、三井物産(8031)や三菱商事(8058)、伊藤忠(8001)など商社株も大幅高になっています。
金価格上昇が好感された住友金属鉱山(5713)が昨年来高値を更新し、海上運賃高止まり見通しから日本郵船(9101)、商船三井(9104)、川崎汽船(9107)の海運株大幅高になっています。
クスリのアオキ(3549)やアインHD(9627)などの月次が好調であったことが好感され、コスモス薬(3349)やウエルシアHD(3141)などドラッグストア株全般が堅調になりました。
自社株買いと脱炭素化を推進する子会社を設立すると公表した日本駐車場開発(2353)が大幅高になり、FTSE社が運営する国際的な不動産投資指数に組み入れられることを発表した平和不動産(8803)も急伸しています。
反面、ナスダックが弱かったことからグロース株が売り込まれ、レーザーテック(6920)や信越化学(4063)、アドバンテスト(6857)など半導体関連が売り込まれ、キーエンス(6861)やファナック(6954)などFA関連も大幅安になっています。
渡航リスクの高まりを受けて、JAL(9201)、ANA(9202)の空運株が急落し、マザーズ指数が下落する中、FRONTEO(2158)やBASE(4477)などの主力株が大きく売り込まれました。
先週、データ不正の疑いで大きく下落した日野自動車(7205)がエンジン性能を偽る不正があったことを発表してストップ安まで売り込まれ、観光庁から「GO TO トラベル」の参加停止措置を受けた旅工房(6548)もストップ安に沈んでいます。
日経平均は大幅続落!
商いの薄い真空地帯を一気に売り込まれる形になり、ギャップダウンの大陰線を形成しています。
ウクライナ紛争に、動揺するマーケットになっていますが、もし、明日ギャップダウンでマドを開ける下落からスタートした場合、坂田五法の「三空叩き込み」というチャートになり、目先の相場転換の兆しになるかもしれません。
上記は25日線(26877円)の乖離率のボリンジャーバンドですが、-1σを抜いてきています。
過去のコロナショックやクリスマスショックの時も、-1σを抜いた状況から反騰開始になっています。
本日が底になるとは限りませんが、反騰のタイミングが近いということは言えそうです。
そして、この、近いうちに起こりうる反騰は狙ってみたいところですが、中途半端なタイミングでリバウンドになってしまい、25日線(26877円)はおろか、5日線(26204円)も上抜ける動きがない場合は、もう一度2点底を探りに来る可能性もありますので注意が必要と思います。
さて、昨日もNY連銀の景気後退確率モデルが6.04%と低水準であり、リセッション入りの状況ではないことを述べました。
上記はウクライナ侵攻前日から直近までの米国債券のイールドカーブの推移と金利差になりますが、3年、5年、7年、10年あたりの金利が大きく下落していることがわかります。
マーケットは、長短金利差が縮小してきたため、リセッション入りを予感し、スタグフレーションを折り込みに動いています。
上記は、前回、1998年にロシアがデフォルトした時の米国債券イールドカーブと金利差です。
この時は、すでにFRBが3回の利下げをやっていましたので、全期間の債券の金利が下落していますが、現状と同様に3年、5年、7年、10年の下落が3回の利下げ(0.75bp)以上に下落していることがわかります。
これは、ロシア債がデフォルトしたため、ロシア債を売った資金が米国債にまわってきている。
あるいは、金利上昇リスクをヘッジするため、金利の高いロシア債を買って、米国債を空売りするアービトラージを組んでいたところが、ロシア債がデフォルトしたため、ロシア債売り、米国債買いの反対売買を迫られたという現象がおきたようです。
アービトラージは超長期の債券より5~10年の債券で組まれることが多いため、米国債の買戻しが頻発したため、金利が下落したようです。
現状、債券市場では、ロシアのデフォルトリスクを折り込み初めて、米国債が買われる現象が起こり始めている可能性が高いと思われます。
したがって、一部で言われている「リセッション入りの可能性で債券が買われている」わけではないと思われます。
それでは、ロシアがデフォルトをおこすとすれば、いつぐらいになるのでしょうか?
上記はJPモルガンが作成しているロシアソブリン債の償還予定ですが、多少の利払いなどは手持ちのドルやルーブルで代用するのかもしれませんが、一番の関門となるのは4/4の21.29億㌦のドル建て債の償還でしょう。
場合によっては、4/4がエックスデーになる可能性もあり、それまでに、ロシアがさらに暴走する可能性があるかもしれませんので注意が必要になると思います。
JPモルガンは、ロシア経済は1998年に匹敵する打撃を受ける。今年は7%のマイナス成長になると予想しています。
仮にロシアがデフォルトになった時にはどうなるかシュミレーションはしておくべきでしょう。
一方で、プーチンは、自国の反戦を主張する小学生を逮捕するほど追い込まれてきています。
かって、独裁者が同じ末路を歩んだ歴史があるように、プーチン失脚(暗殺)で、マーケット暴騰などというシナリオがありうることも、頭にいれといたほうがいいかもしれません。