11月8日(火)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1431/値下がり銘柄335
騰落レシオ(25日)109.44%
空売り比率 38.3%
売買代金
東証プライム 3兆3237億円
東証スタンダード 823億円
東証グロース 1376億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数:投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
「踏み上げ相場」の象徴になっているソフトバンクG(9984)が5%近い上昇になり、レーザーテック(6920)も7%を超える大幅上昇になっています。
ソフトバンク(9984)は貸借倍率1.01倍 日証金で株不足、逆日歩が発生しています。
レーザーテック(6920)も貸借倍率0.91倍 株不足で逆日歩も発生しています。
売り方が締め上げられて上昇していることがうかがえます。
東京エレクトロン(8035)やSCREENホールディングス(7735)など半導体関連が買われ、川崎汽船(9107)や商船三井(9104)など海運株も物色されています。
二輪車の値上げ、コスト削減、為替前提を127円→132円に見直したことが奏功し過去最高益に上方修正することを発表したヤマハ発動機(7272)が13%近い急騰になっています。
8月に続き、2回目の上方修正で、2Qは為替を除いても上方修正が見込める内容で、4年ぶりの高値を更新しています。
環境部門で国内大口工事が進捗したことなどが貢献し、2Qの営業利益が10期ぶりの黒字転換になった日立造船(7004)が9%を超える急騰になっています。
今期連結受注高見通しが5000億円→5800億円に上方修正されていて、このことが見直し買いに繋がったようです。
日経新聞に、10億円の赤字であった最終損益が黒字転換した可能性が高いと報じられたレオパレス21(8848)が、一時16%高になる高騰になっています。
都市部物件の家賃値上げや、オーナーに対する家賃保証額の減額で販管費が削減したことが収益に貢献したようです。
第一生命HD(8750)がペット保険のアイペットHD(7339)を上限約390億円 1株3550円でTOBすることを発表し、アイペットHD(7339)はTOB価格にサヤ寄せする形でストップ高になっています。
また、アイペットHD(7339)の親会社であるドリームインキュベーター(4310)もTOBに応じることを発表していて、一時ストップ高になるまで買われています。
同社の時価総額は300億円程度で、今回のTOBで計上される特別利益は約182億円とかなりインパクトのある数字になっています。
特別利益の一部が株主還元されることを期待した買いが入ったようですが、結果がでるのは、少なくとも第一生命のTOBが成立した後で時間があるため、ストップ高後は利食い優勢になっています。
反面、三菱商事(8058)は今期最終を10%増益に上方修正・最高益になることを発表し、配当も増配することを公表したものの、事前に株価が高騰していたことから材料出尽くしとみなされ、利益確定売りに押される展開になっています。
レノバ(9519)は上半期営業利益が74.3億円になり、前年同期比84.9%増になることを発表するも、1Qが61.1億円に対し、2Qが13.2億円に留まったことが嫌気され13%を超える急落になっています。
ドル高やベトナム事業が重しになった様子ですが、GSが目標株価を1650円→1850円に引き上げるも、時価よりかなり安い水準でレーティングも「弱気」に据え置いたのも影響していると思われます。
上半期営業利益が1.1%減の1079億円になることを発表したNTTデータ(9613)が6%近い続落になっています。
戦略投資の増加と不採算案件の発生が減益要因になったようですが、岩井コスモ証券は投資判断を強気(A)→やや強気(B+)に引き下げ、目標株価も2500円→2300円に引き下げています。
直近決算期待で上昇していた分失望を呼んだようです。
多くの銘柄に見直し買いが入る中、直近買われていたインバウンド関連は一服になり、JAL(9201)、ANA(9202)、三越伊勢丹(3099)、高島屋(8233)などが利食い売りに押されています。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅続伸!
大幅ギャップアップからスタートし、寄り付きから上値抵抗線になっていた75日線(27624円)や直近11/2の高値(27692円)を上抜いてきています。
下値切り上げのアセンディングトライアングル上抜けになっていて、28000円トライが期待されるところですが、仮に押されても、レジサポ転換になり、今度は75日線(27624円)が下値抵抗線になると思います。
まもなく大勢が発表になる米中間選挙やCPIなど不確定要因は多々あるものの、日本のEPSは上昇してきていて、PERはまだ16倍ほどです。
週末のSQに向けて28000上抜けを期待したいところです。
【本日のトピック】
さて、まもなく大勢が発表になる米中間選挙ですが、モルガンスタンレーのマイケル・ウイルソン氏は、「共和党が全面勝利ならば、財政支出が凍結され歴史的高水準である財政赤字が縮小する。10年国債利回りが低下し、これが株式上昇を支える」と述べています。
また、中間選挙後は株式は上昇するアノマリーがあり、1942年以来80年にわたり「全勝」になっているという記事もあります。
こうした背景もあり、ここもとの米株は前倒しで買われているとの事ですが、私個人的には???という状態です。
まず、証券会社等セルサイド側のアナリストは「米国は深刻なリセッションに陥らない」「来期はEPSが7%増になる」などを前提に理論を構成します。
しかしながら、先日のGAFAMを中心とした米国のハイテク株の決算は非常に厳しいものでした。
しかも、7-9の決算は金利が0.75%~3%の時に集計されたものであり、これから金利が5%をつけていこうとする中で決算がよくなるというのは理屈にあわないと思います。
既に、メタのように大量解雇にはしる企業も出てきていて、米国はリセッション入りし始めていると思います。
共和党が躍進して「ねじれ国会」が誕生すれば、景気が悪化して、政府が財政出動をしようとしても、反対にあい出動できないという状況に陥ると思います。
そして、共和党は「民主党が歴史的なインフレを作った」と訴えているわけですから、インフレが完全に沈静化したことを確認できないと、FRBも金融緩和に転じにくい状態で臨機応変な対応はとりにくくなります。
「ねじれ国会」で株が上昇するには、景気が良好な状況で、政府の増税などの規制案が通らない状況だと思います。
逆に景気悪化に陥れば、財政出動などの政策がとれない分、景気悪化が長引くと思います。
米株市場は、中間選挙後も試練が続くと思うのですが・・・