11月18日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄986/値下がり銘柄753
騰落レシオ(25日)118.13%
空売り比率 44.4%
売買代金
東証プライム 2兆9864億円
東証スタンダード 1001億円
東証グロース 2090億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数:投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
NYダウとFear&Greed Indexの周期性を利用して、NYダウの方向性を分析する向きもあります。
これによると、NYダウは、しばらく上値遊びをした後、下落トレンドにはいることになりますが・・・?
【業種】
【個別】
FRB高官のタカ派発言で、米金利が上昇。
東京海上(8766)やT&Dホールディングス(8795)、MS&AD(8725)など保険株全般に買いがはいっています。
為替が140円を回復し、三菱自動車(7211)やいすゞ自動車(7202)、マツダ(7261)など自動車株の一角が大幅高になっています。
アバールデータ(6918)3330円 +349円
電子制御装置を手掛けるアバールデータ(6918)が続伸し、一時ストップ高になるまで買われています。
同社は今期最終利益を従来予想の16.4億円→40.8億円に上方修正することを発表し、年間配当も94円→234円に大幅増額修正しています。
政策保有株のひとつであるレーザーテック(6920)株の売却益を3Qに特別利益として計上し、前日終値ベースでの配当利回りも7.8%まで上昇したため短期資金が攻勢をかけたようです。
年初来高値を更新していますが、マドを開けての大陰線になっていますので、短期的には注意が必要かもしれません。
ミクニ(7247) 381円 +80円
2輪、4輪用の燃料噴射器を手掛けるミクニ(7247)がストップ高まで買われています。
同社は自社HP上に、インドの現地法人(MID)がインド二輪市場4位のBAL社より燃料噴射システムの受注をし、10月より生産を開始したことを開示しています。
MID社がインドで販売する燃料噴射システムはBAL社他、数社に供給が見込まれ、2026年には現在の約3倍に伸長する予想のようです。
同社は11/9引け後に2Q決算と通期業績の下方修正を発表し、株価が売られていただけに、見直し買いが入ったようです。
来週も買いが続くか注目です。
ソフトバンクG(9984)6075円 -244円
反面、ソフトバンクG(9984)が4%近い下落になり、1銘柄で日経平均を50円引き下げています。
前日のNY市場でアリババが自社株買い拡大発表で大幅高になっていたため、寄り付きこそ買いからスタートしたものの、S&Pが長期発行体格付けの見通し(アウトルック)を「安定的」→「ネガティブ」に引き下げたことが伝わり(格付けはBB+据え置き)反落しました。
さらに、日経新聞が「孫社長が個人的にソフトバンクGに対し約6800億円の未払い金を抱えていることが、ソフトバンクGの開示資料から明らかになった」と報じ、株価下落に拍車をかけました。
それにしても、これって中小企業のようなスキームで巨額の金を回しているということですね。
(山一証券は3000億円の簿外債務で廃業に追い込まれました。)
素人考えでは、実質的に会社の資金で名義だけ孫社長にしているようなものでは・・・
儲かれば払い込みはせずに利益だけとっておしまいにするつもり?
(究極のどんぶり勘定のような・・・国税的にOUTではないのか?)
ファンドの下落はもちろんリスクですし、これでは、孫社長が後継に譲るなんてことは出来ません。
ますます、MBOの思惑が濃くなり、株価はどのように動くかわかりませんが、孫社長の健康がソフトバンクGの最大のリスクであることは間違いないと思います。
楽天グループ(4755)664円 -39円
エムスリー(2413)4460円 -160円
リクルート(6098)4437円 -146円
セントルイス連銀のブラード総裁が、金融当局は政策金利を「最低」でも5-5.25%に引き上げるべき。 十分抑制的な金利については5-7%になる可能性があると述べ、楽天グループ(4755)やエムスリー(2413)、リクルート(6098)などグロース株の一角が軟調になっています。
スクエニHD(9684)6430円 -120円
Aiming(3911)409円 -51円
バンクオブイノベーション(4393)9150円 -620円
インサイダー事件で新たな逮捕者が出たと報じられたスクエニHD(9684)が続落になり、インサイダー取引の対象株となったAiming(3911)は新作ゲーム「脱獄ごっこ PRO」のサービス開始が材料出尽くしとみなされ、11%を超える下落になっています。
増担保規制解除が発表になったバンクオブイノベーション(4393)は大幅高からスタートし、一時11%を超える上昇になりましたが、次第に値を消し、終値では6%を超える下落になっています。
Delta-Fly Pharma(4598)838円 -150円
抗がん剤開発のバイオベンチャーであるDelta-Fly Pharma(4598)がストップ安まで売り込まれています。
同社はマッコリー・バンク・リミテッドを割当先にする第三者割当により、第5回および第6回の新株予約権並びの第1回無担保社債の発行を発表しています。
新株予約権の割り当ては12/5で、潜在的な希薄化は23.99%になります。
エクイティファイナンスを行う会社は、一度やると何回も行う傾向があり、財務体質も弱いので、中長期の投資には向かないと思います。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅続落!
スラストダウンを形成し、下向きに転じた5日線(27962円)を下回るも、75日線(27639円)や25日線(27482円)を下抜けるような下落にもなっていません。
ナイトセッションの日経先物は27970円 +90円で帰ってきています。
5日線は回復する水準ですが、28000円越えが重い状況。
引き続き、下値も固いかわりに上値も重い展開になりそうです。
来週は、11/23(水)が勤労感謝の日で休日になり、11/24(木)は感謝祭で米国が休場になります。
方向性がでるのは、もう少し先になりそうです。
【本日のトピック】
さて、ボストン連銀のコリンズ総裁は「12月のFOMCにおいても0.75%の利上げになる可能性もあり得る」とコメントし、インフレ抑制のため追加利上げが必要との見解をあらためて示しています。
先のセントルイス連銀のブラード総裁同様に、ここもとのFRB高官発言はタカ派の発言が目立ちます。
恐らく、FEDは、今のタイミングでの株価上昇は好ましくないと考えているのでしょう。
資産効果で、せっかくの利上げの効果が薄まることになりますし、資産効果で恩恵を受けるのは主に富裕層になります。
一般層は利上げとインフレで苦しむという構図があるため、株が上昇すると、次々とタカ派発言をするという流れです。
しかしながら、株式マーケットは、FRB高官のタカ派発言に慣れてきたのか、大して下がらず耐性を高めています。
それに対し債券相場は金利上昇傾向が見られ、タカ派発言にしっかり反応しているというイメージです。
エコノミストの予想もターミナルレートの水準や利下げの時期については意見がわかれています。
どちらかと言えば、欧州系はハト派、米系はタカ派のイメージです。
株式市場と債券市場の方向性が違う状況のときは、一進一退の横バイ相場が続くと思います。
逆に12/13のCPI発表、12/14のFOMC終了後のFRB議長発言で、上か下かのどちらかに大きく振れる相場になる可能性があると思います。
イベント前にはポジションを軽くしておくのも一考かもしれません。