11月17日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1279/値下がり銘柄489
騰落レシオ(25日)111.14%
空売り比率 41.2%
売買代金
東証プライム 2兆8010億円
東証スタンダード 1135億円
東証グロース 2081億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数:投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
政府が、10月の訪日客数が前月比2.4倍の49万人になったことを発表し、ここもと調整していた、空運、百貨店、旅行、鉄道、レジャー、リサイクルショップなどインバウンド関連が全面高になっています。
ヤーマン(6630)1406円 +300円
美容健康機器の製造販売を扱うヤーマン(6630)が場中値つかずのストップ高比例配分まで買われています。
同社は、中国国内ECにおける「618商戦」などのイベントが非常に好調であったほか、中国独身の日に向けた出荷も
売上に大きく寄与したことで、2Qの業績の大幅上方修正を発表しています。
1Qが減益であったため、通期目標の達成が危ぶまれていましたが、今回の上方修正で達成が現実的になったようです。
ロックダウンの影響で、中国でビジネスをする会社は厳しい決算の会社が多いのですが、EC等の確固たる販売網を持つ会社は、逆に「巣ごもり需要」をつかんでいることがうかがえます。
10/26のブログで紹介したアクシージア(4936)も同様に期待が持てると思いますが・・
坪田ラボ(4890)1030円 +150円
11/14のこのブログの【個別】欄で取り上げた坪田ラボ(4890)がストップ高まで買われています。
同社は引け後、「ドライアイの自律神経活動」に関する論文を発表したと開示しています。
材料は豊富な銘柄で、会社もIRに積極的なので、今後ともマークしたい銘柄です。
反面、米マイクロンがDRAMとNANDのウエハーの減産を発表し、設備投資の追加削減も検討していると報じられ、SOX指数が4%を超える下落になっています。
東京エレクトロン(8035)、レーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)など半導体関連が全面安になっています。
しかしながら、エヌビディアは3Q決算が市場予想を上回ったと発表しています。
データセンター事業の売上が31%増になっていて、アナリスト予想を超えています。
半導体は濃淡ありますが、データセンターとパワー半導体は当面好調と見ておくほうがいいと思います。
非鉄金属が総じて安く。大阪チタニウム(5726)や東邦チタニウム(5727)、住友金属鉱山(5713)はそろって5%以上の下落になっています。
サイボウズ(4776)2047円 -365円
ここもと、快調に上昇していたサイボウズ(4776)が、年初来高値水準から、一気に15%を超える下落になっています。
10/25の決算発表から38%の上昇になっていて、信用の買い残も112万株溜まっていたことから、上昇しすぎた株価の調整する動きがでたようです。
【テクニカル分析】
日経平均は反落!
ギャップダウンからスタートし、5日線(28035円)を割り込んできています。
10月以降、一貫して安値を切り上げて上昇トレンドを形成してきたため、昨日の安値(27743円)及び、75日線(27638円)あたりを守れるかが注目になります。
【本日のトピック】
さて、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁は、現在進めている利上げを停止し維持する水準として、4.75%-5.25%が「妥当」な範囲との見解を示しています。
その上で、政策金利を「一定水準まで引き上げ、その後しばらく据え置くというのが戦略で、引き締めキャンペーンが終了に近いという意味ではない。」
「利上げの一時停止はない。現時点での議論はペースの減速である。」と釘を刺しています。
ゴールドマンは、インフレが高止まりする公算が大きいとして、米政策金利のピーク水準を従来予想から0.25bp引き上げ「5.00%-5.25%」としています。
概ね、米政策金利のピーク水準は5.00%±0.25%になるのが妥当という認識が広がりつつあると思います。
11/15に発表になったPPI(生産者物価指数)は市場予想を下回り、先のCPI(消費者物価指数)同様、インフレピークアウトの兆しを示すものになりました。
PPI発表を受けて、NYダウは寄り付きこそ高くなりましたが、徐々に失速し、その後、ポーランドに着弾のニュースもありマイナスで終わっています。
翌日もNYダウは小幅安に留まり、CPI発表の時のような上昇は見られず、上値が重い印象です。
米政策金利のピーク水準が5.00%±0.25%に定まりつつあるということは、市場の極端な変動は抑えられるとは思いますが、上記2年国債利回りが5.00%±0.25%まで上昇するということを意味しています。
当然、10年国債利回りも上昇することになり、企業業績を圧迫することになります。
カンザスシティー連銀のジョージ総裁は「景気後退なきインフレ抑制は困難」との認識を示しています。
同氏は「労働市場は極めてひっ迫していて、どうすれば減速を避けつつインフレを引き下げられるのかわからない。」
「40年に及ぶFRBでの在職期間において、このような引き締めによって、痛みを伴わない結果になったことはない」と述べています。
(来年1月退任なので、少々口がすべったのかも・・)
マーケットは、しばらく持合いなのかもしれませんが、11/23の11月FOMCの議事録公表や12/13~14のFOMCで、FRBのタカ派姿勢が確認されれば調整にはいると思われます。
米国は「逆業績相場」に入りつつあるのかもしれません。
企業業績は下がり、指数も下落すると思われます。
しかしながら、そのような環境で、本当に社会に必要とされる会社の株は、脚光を浴びるようになります。
歴史的にみても、時代をリードする企業は不況の中に生まれています。
ネクストGAFAMは「逆業績相場」に産声をあげると思います。