11月24日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1534/値下がり銘柄248
騰落レシオ(25日)124.00%
空売り比率 40.3%
売買代金
東証プライム 3兆3349億円
東証スタンダード 938億円
東証グロース 2065億円
【恐怖指数】
恐怖と貪欲指数:投資家心理 |ティッカー (cnn.com)
【業種】
【個別】
SOX指数の大幅上昇を受けて、東京エレクトロン(8035)やレーザーテック(6920)、アドバンテスト(6857)など主力半導体関連が軒並み大幅高になっています。
タカトリ(6338)
7280円 +1000円(+15.92%)S高
10/31のこのブログで紹介したタカトリ(6338)がストップ高まで買われています。
同社は、自動車の電動化に欠かせないパワー半導体材料の切断加工装置を手掛けていて、収益成長を期待する買いが入っているようです。
株価は初動時の1500円近辺から5カ月あまりで5倍化しています。
同社の他にも、ローム(6963)やテセック(6337)、シキノハイテック(6614)などパワー半導体関連が活況になっています。
商船三井(9104)が1000億円規模を投じてクルーズ船2隻を発注する方針と報じられ、大幅続伸になっています。
同様に経営多角化が期待された日本郵船(9101)、川崎汽船(9107)も大幅高になっています。
前日のサッカーW杯にて、日本がドイツに歴史的な金星勝利を飾ったことを受けて、試合を放映していたインターネットTVの「ABEMA」を運営するサイバーエージェント(4751)が7%近い大幅高になっています。
その他、英国風パブ「HUB」を運営するハブ(3030)が10%を超える急騰になったり、代表選手が着用するシューズを製作する美津濃(8022)が大幅高になるなどW杯関連が大いににぎわっています。
サイボウズ(4776)
2287円 +190円(+9.06%)
サイボウズ(4776)が大幅反発になっています。
同社は22日引け後に10月の月次動向を発表していますが、月次売上高が前年同期比24.3%増 営業利益が69.4%増となったことが好感されているようです。
主力のクラウド関連事業が24.3%増と好調を維持していて、業績の牽引役になっていることがうかがえます。
反面、米金利低下を伴い円安一服になったことから、トヨタ自動車(7203)や三菱自動車(7211)、マツダ(7261)など自動車関連が軟調な動きになっています。
東芝(6502)
4762円 -96円(-1.98%)
ブルームバーグが、東芝(6502)の非上場化を巡って優先交渉権を得ているJIP(日本産業パートナーズ)が主導する企業連合が、最大2兆4000億円と見積もっていた買収総額の引き下げを検討していると報じ、同社株は一時200円を超える下落になりました。
尚、共同通信はJIPが非上場後に企業価値を高め、5年程度で再上場を目指すと報じています。
カルナバイオサイエンス(4572)
782円 -150円(-16.09%) S安
米証券会社を割当先とする第三者割当により、第20回新株予約権を発行すると発表したカルナバイオサイエンス(4572)が場中値つかずのストップ安比例配分になっています。
同社の発行する新株予約権数は3万3865個(潜在株数338万6500株)で希薄化率は24.8%に及びます。
調達資金額は約27億7912万円に相当し、開発化合物の臨床試験や新規パイプラインに活用する方針ですが、赤字バイオあるあるで、この手の会社の投資には注意が必要です。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅続伸!
大幅ギャップアップからスタートし、上ヒゲの長い「トウバ」を形成しています。
25日MA乖離率は3%に近づいてきていて、騰落レシオ(25日)は124%ですが、騰落レシオ(6日)は234.45%と、ここもとつけたことのない数字になっています。
短期過熱感を冷ましながら上昇トレンドを継続できるかが注目になりそうです。
【本日のトピック】
さて、昨日発表になった11月FOMCの議事要旨ですが、「利上げペースが、まもなく減速」ということが示され、
11月まで4回連続で0.75%の利上げだったのが、今後0.5%→0.25%と利上げ幅を縮小していく方針を示唆させています。
これを受けて、FEDWatch12月は、ほぼ0.5%の利上げに留まることが80%を超えてきています。
そして、ターミナルレートは従来の想定よりやや高くなっていることがしめされていますが、前回パウエル議長の会見通りの内容で、目新しい情報はありませんでした。
全体的には、「ややハト派」と受け取られ、米株は上昇しています。
FEDWatchから作成した「利上げマップ」によると、12月は0.5%の利上げになり、その後0.25%の利上げを1~2回
ターミナルレートは5%前後になり、「来年後半は利下げ」に転じる可能性を織り込んできています。
市場は、景気が悪化すればFRBが利下げに走る「パウエルプット」を期待していて、上記のイメージでは、金利は緑の放物線を描くことを織り込んでいます。
しかしながら、FRBのインフレ目標は2%です。
上記、経済協力開発機構(OECD)のインフレ見通しによると、2023年末の米国のインフレ率は3%後半、2024年末になって、やっと2%台ということになっています。
したがって、2023年後半の利下げ観測は少々楽観的すぎると思います。
上記のイメージ図で言うと、緑の放物線ではなく、金利がしばらく高止まりする赤の放物線のパターンになるのではないかと思います。
最近、ゴールドマンは2023年の株式市場は弱気が継続する見通しをしめし、今の上昇は長続きしないと予想しています。
モルガンスタンレーのマイケル・ウィルソン氏は企業利益見通し悪化で2023年の1-3月期に大幅下落する可能性を述べています。
今回の中間選挙でねじれ議会が現実のものとなり、政府がすみやかに財政政策等の景気対策が実行に移しにくくなったことも頭にいれておくべきでしょう。
年末ラリー相場に期待したいところですが、2018年の「クリスマスショック」のような動きになる可能性も頭の隅に置いておいたほうがいいかもしれません。