2月9日(木)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄980/値下がり銘柄761
騰落レシオ(25日)128.14%
空売り比率 43.3%
売買代金
東証プライム 2兆5791億円
東証スタンダード 787億円
東証グロース 1551億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
DMG森精機(6141)が大幅上昇になり、年初来高値を更新しています。
同社は2022年12月の本決算を発表し、営業利益が412億円(前期比78.7%増)の着地になったものの、従来予想の450億円からは下振れる着地になっています。
地域別受注推移をみても、総じて、2022年の2Q以降は受注が減少していることがわかります。
ところが、2023年12月期は営業利益、当期利益が過去最高益になる見通しを出し、配当も80円に増配予定です。
年半ばから受注が増える見通しで強気の見通しを出していることがうかがえます。
昨日のブログでも書きましたが、製造業は最悪期を脱出しつつあり、年央から回復するという流れが同社の決算からも読み取れます。
そして、アルゴ取引が増えているからか、数字が良ければ素直に買われ、悪ければ売られるという動きがでていますが、製造業に関しては売られても下値が限定的です。
製造業の押し目買いは有効と思います。
昨年の11/30のブログで紹介したサンウェルズ(9229)が上場来高値を更新しています。
同社は2023年3月期の3Q累計を発表し、売上が前年同期比63.8%増の96億9700万円、純利益が同9.1倍の5億300万円と大幅増収増益になることを公表しています。
PDハウスの施設数増加と共に業績は右肩上がりになっていて、利益率も四半期ごとに良くなっています。
PDハウスの来期開設計画は、中期経営計画で開示した8施設→9施設に上方修正しており、すでに契約完了、着工済みになっています。
それだけに来期も大幅増収増益が濃厚で成長期待から買われています。
足元は決算期待で買われていただけに、買い一巡後は手仕舞い売りも出る荒っぽい動きになりましたが、利益確定売りが一巡すれば新値を取っていく可能性もあり得ると思います。
昨年の12/13に紹介した大栄環境(9336)が大幅高になっています。
同社は本日前引け後に2023年3月期の3Q決算と共に通期予想の当期純利益を84億4500万円→94億3900万円に上方修正しています。
減益予想から一転最終増益見通しになり、期末一括配当も3円増配の31円に修正しています。
子会社の収益改善が進んだことに加え受注単価の価格転嫁が進んだことが奏功したようです。
もともとIPO時から海外投資家比率が5割を超える大型物件で機関投資家案件です。
大株主にVCはなく、ロックアップも180日を設定していますので、当面需給が悪化する要因もありません。
時価総額の似通った同業他社のダイセキ(9793)と比較してもバリュエーションは安く配当利回りも高い状況です。
ダイセキ並みのPER24倍あたりまで買われれば2300円くらいになる計算になりますが・・・
押し目は拾ってみても面白い銘柄と思います。
ステンレス鋼の専門商社のUEX(9888)が急騰しています。
同社は2023年3月期3Q決算の大幅上方修正と共に通期見通しの上方修正も発表しています。
通期の営業利益は35億円→42億円に20%上方修正し、増益率は55.4%増→90.9%増に拡大する見通しです。
配当については未定ながら3/17日ごろに公表されます。(かなりの増配もあり得ると思います。)
本日も高寄りするも上値追いで高値圏で終了していて、一段高を期待する向きもありそうです。
反面、JTOWER(4485)が急落しています。
同社は2023年3月期の通期見通しの下方修正を発表しています。
売上が従来予想の58億4000万円→54億円に下方修正し、 当期純利益が18億4000万円の赤字→19億7000万円の赤字に拡大しています。
タワー移管予定数が後ずれしたことと西新宿でデジタルポール資産の収益が見込めなくなり、減損処理を迫られたことが響いたようです。
タワー移管は後ずれということですので来期には計上されるのでしょうが、少々事業計画がずさんなところが見受けられます。
今後も同様の事例を繰り返す恐れもあり注意が必要です。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅続落!
ギャップダウンからスタートしたものの、下げ渋り、4営業日ぶりに陽線で終わりました。
しかしながら、5日線(27615円)には届かず上値の重さが感じられます。
米株に比べれば底堅い日本株ですが、騰落レシオ(25日)も128.14%まで上昇してきています。
もうしばらくは、75日線(27276円)を下値とした日柄調整が続くかもしれません
【本日のトピック】
さて、ご存じの通り、2/8米市場は下落しました。
相場を冷やした大きな要因は以下の2つと思われます。
①アルファベット(GOOGL)
アルファベット(GOOGL)が急落しています。
ブルームバーグによると、同社がローンチした新AI搭載のチャットボット「Bard(バード)」の実演説明がなされたようですが、質問に対し正確な回答がだせなかったこともあり、マイクロソフトの「ChatGPT」に比べ性能に疑問符がついたと報じられています。
この報道がきっかけで同社株は8%を超える下落になったようですが、今回の件は、そんなに簡単なことではないと思われます。
AIチャットボットが誤った回答をすることは珍しいことではありません。それは「ChatGPT」とて同じです。むしろトライアンドエラーを繰り返して精度を上げていくというのが普通でしょう。
ご存じの通り、アルファベットの収益の柱は「広告収入」です。
通常は、『グーグルでキーワードを打ちこみ検索する』というプロセスの中で広告表示がなされます。
しかしながら、AI搭載のチャットボットの場合、質問の回答が直接返ってくるので検索結果に広告を挟むことができません。
アルファベットからすれば収益が下がるのでAIチャットボットはやりたくなかったはずです。
それでもマイクロソフトが全力で「ChatGPT」に投資する以上、指をくわえて見ておくというわけにもいかず対抗せざるをえないというところでしょう。
他社の動向を見過ごしてシェアを奪われては元も子もないからです。
アルファベットにとって、「行くも地獄、行かぬも地獄」状態で、中長期の株価下落要因にもなり得ると思われます。
当然GAFAMの一角が大幅下落になれば、市場のムードも悪くなります。
②連銀要人タカ派発言
ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、「高止まりになっている賃金上昇と戦うため、金利はもっと高くなる必要がある」と発言しています。
また、ニューヨーク連銀のウイリアム総裁は、「インフレ率を2%台に戻すため、十分に景気抑制的なスタンスを、今後数年間維持する必要がある。」とコメントし、マーケットが期待する「年内利下げ」説を牽制しています。
この2つの要因を受けて、株価が下落していますが、長期国債の金利も下落しています。
国債の入札が行われたからかもしれませんが、「安全資産の債券が買われ株が売られる」というリセッションを懸念の時の流れになっていて、タカ派発言で金利上昇という動きにはなっていません。
恐らく市場は、そうは言っても「ターミナルレートは5.25%くらい」までと認識していて、「高い金利が高止まりすることで景気が悪化するリセッション」を警戒する動きになったものと思われます。
アルファベットの下落はリセッション懸念に拍車をかけたものと思われます。
こうなってくると、来週2/14(火)のCPI(消費者物価指数)の発表がより重要になってきます。
CPIの結果次第で、マーケットに新しいシナリオが誕生する可能性もあります。
昨日のブログでも述べたように、日本株は欧米株に対して優位性があると思います。
基本、日本株は買いのスタンスですが、CPI次第で押し目買いのタイミングが変わってくる可能性もありますので、要注意と思います。