4月7日(金)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1146/値下がり銘柄595
騰落レシオ(25日)107.50%
空売り比率 44.2%
売買代金
東証プライム 1兆9995億円
東証スタンダード 1241億円
東証グロース 1333億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
直近上場の住信SBIネット銀行(7163)が大幅高になり、上場来高値を更新しています。
金融不安が一時に比べ、沈静化する中、4/21に楽天銀行(5838)が上場予定(優位性あり?)で、上記、MILIZEの子会社であるみらいバンクとの新サービスの発表も好感されているようです。
また、異業種の銀行サービス参入が進む中、行員の半分以上が技術者であり、銀行の利益よりフィンテックの利益のほうが多いと言われる同行は成長余地があると見る向きもあるようです。
ただ、ツイッター等では、上記のように配当利回りが14.3%などと発信されているものも散見されますが、これは正しくありません。
1株あたり198.95円の配当は、上場前に株主(SBIと住信)に実施したものであり、上場後の配当予想は未定となっていますので注意が必要です。
ヘッドウォータース(4011)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は、米NVDIAのエッジAIスーパーコンピューター「NVDIA jetson」に標準対応したエッジAIデバイス管理ソリューション「Synclect Edgs AI DMS(シンクレクト エッジ エーアイ ディ-エムエス)」を開発したと発表しています。
大量設置したデバイスを遠隔モニタリングで一元管理し、スマートストアやスマートビルディング、スマートファクトリーを展開する企業のデバイス管理業務に対する負荷軽減と効率化を実現するとしています。
また、同社は翌日、ソニーネットワークコミュニケーションズが提供する「ELTRES IOTネットワークサービス」のパートナーになったことも発表しています。
株価は、年初来高値を更新していますが、やや過熱感も出てきています。
明日以降の値動きが注目されます。
ログリー(6579)が急伸し、一時ストップ高になっています。
同社はChatGPT搭載の広告クリエイティブ自動生成ツール(β版)を開発したと発表しています。
このツールは、ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」の管理画面から利用可能で、効果のよいクリエイティブを選択することで、テキストを自動生成できるようになるため、効果を継続しながらクリエイティブ生成を自動化することができるとしています。
本日株価は大幅高になり、年初来高値を更新していますが、いまだレンジを抜けだすことはできていません。
上放れの動きが見られるか注目です。
リックソフト(4429)が急反発しています。
同社は2023年2月期の業績上方修正を発表しています。
売上が計画の50億100万円→56億2300万円、最終利益が3億800万円→4億2300万円に上振れ着地したとのことです。
最終利益が減益予想から一転増益で着地したことが好感されたようです。
株価は1600円どころの戻り売りをこなしていけるかが注目されそうです。
安永(7271)が急反発しています。
同社は、4/3にリチウムイオン電池の集電箔への特殊加工の独自開発により、電池寿命を従来品比12倍に向上させることに成功したと発表しています。
株価はこの材料を好感し、一時1300円台まで高騰しましたが、その後は売りに押され25日線近辺まで調整していました。
ところが、トヨタ(7203)が新体制方針説明会を開催し、2026年までにEVを新たに10モデル投入し、世界販売を年間150万台にすると発表しています。
同社は以前、トヨタと共同で燃料電池用セルの電極接合シート・検査ユニットの開発をしたこともあり、見直し買いが入ったようです。
EV関連では、次世代電動アスクルを手掛ける愛知製鋼(5482)なども物色されています。
見直し買いが継続するか注目されます。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅反発!
下落トレンドにつながりやすい「下離れ並び黒」を形成するも、200日線(27376円)を下値支持線とする形で「陰の陰はらみ」も同時形成しています。
月曜の値動きが、目先の方向性を決めることになりそうですが、ナイトセッションの日経先物は27650円 +110円で反発して帰ってきています。
このまま、反発すれば、SQに向けて上昇に転じる可能性もありそうですが、まずは25日線(27740円)を回復しマド埋め(27788円)になるかが注目されるところです。
【本日のトピック】
さて、注目の安川電機(6506)が決算発表をしています。
受注残をこなし、今期も売上、経常利益ともに最高益更新見通しながら、伸び率は1桁と迫力を欠く予想で最終益は減益予想になっています。
同社の決算短信を見ると、リセッションが心配される米国が好調であるのに対し、中国の設備投資が伸び悩んだことがわかります。
同社の受注残の推移をみても、4Qは総じて受注残が減少していますが、米国に比べ中国の減少が目立ちます。
これは、ここもとの他社の決算にも、かいま見ることのできる傾向ですが、これから、決算発表が出てくる中で、中国関連銘柄には注意が必要なのだと思います。
ご存じの通り、3月米雇用統計は、おおむね予想通りの結果になりました。
この結果を受けて、ここもと下落傾向であった長期国債金利が上昇しましたが、株式市場も同時に上昇していることがわかります。
今の米株市場は、かって、金利上昇が危ぶまれ
GOOD NEWS IS BAD NEWS
であったのに対し、今は、リセッション懸念で
GOOD NEWS IS GOOD NEWS
の状況であることはおさえておくべきと思います。
前述の安川電機の決算から、米国の景気は悪くないことが推察されましたが、正確に言えば、2極化が進んでいるということでしょう。
上記はS&P500の業種別パフォーマンスですが、トップパフォーマンスの自動車製造(テスラ、フォード、GM)や半導体関連と、下位の代替通信事業(ルーメンテクノロジー)や地方銀行との差が非常に大きいことがわかります。
つまり、リセッション懸念がある中でも、総崩れにならず底堅く推移していて、「浅くて短い景気後退」を折り込みつつあるということでしょう。
そして、12日には、注目の3月CPIの発表があります。
クリーブランド連銀が公表しているCPINOWによると、CPIもコアCPIも5%を超えていて、非常に強いことがわかります。
もし、12日の3月CPIも強い数字がでれば、現状、米国は
GOOD NEWS IS GOODNEWS
状態なため、米株市場も、しっかりした動きになる可能性もあると思います。
FEDWatchをみると、5月の0.25%の利上げは、70%を超えてきて、かなり織り込まれていることがわかります。
しかしながら、その水準がほぼピークで7月には利下げがスタートすることを織り込んでいます。
もし、3月CPIが強く、株価も上昇するなら、FRBはタカ派の姿勢を強めるかもしれません。
2極化が進み、下げ渋っている米株はEPSが下がる中、予想PERがじりじり上昇してきています。
金利上昇には弱い環境になっていて、FRBがタカ派姿勢を強めると、思わぬ下落につながる可能性もありうると思います。
したがって、日本株の戦略としては、なるべく中国関連を避けながら、5/3のFOMCまでには、いったんポジションを軽くしておくというのがいいと思うのですが、いかがでしょう。