1月24日(火)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1468/値下がり銘柄312
騰落レシオ(25日) 104.43%
空売り比率 41.7%
売買代金
東証プライム 2兆8345億円
東証スタンダード 741億円
東証グロース 1859億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
SOX指数が5%を超える上昇になったことから、東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)、SCREEN(7735)など主力半導体関連が活況になっています。
ちなみに、12/6のブログで取り上げたソシオネクスト(6526)は順調に年初来高値を更新しています。
ホンダ(7267)とGSユアサ(6674)は2023年中に、EV用電池を開発する共同出資会社を設立すると発表し物色されています。
出資比率や電池の生産計画は公表されていないため、株価にどの程度影響するのかは未知数ですが、今後のIRに注目したいところです。
AI翻訳ソフトを手掛けるメタリアル(6182)が3日大幅続伸になっています。
同社は「ワールドビジネスサテライト」等で同社の株主優待が取り上げられました。
同社は子会社Travel DXのVR世界旅行サービス「どこでもドアTrip」の体験付きで、VR機器の無償レンタルを実施しています。
権利取りは2月末であり、VR体験をしてみたい個人の見直し買いが入ったものと思われます。
同様に、抽選で、100万円相当の太陽光発電システムを無償で設置する権利を株主優待で贈呈しているエプコ(2311)も大幅高になっています。
シャノン(3976)が場中値つかずのストップ高比例配分まで買われています。
同社は子会社のジクウが提供するメタバースプラットフォーム「ZIKU」の販売でキャノンマーケティングジャパン(8060)と提携することを発表しています。
いままでは直販が主流だったようですが、提携することにより、メタバースイベントに「ZIKU」が活用されることが促進されるとのことです。
壁になっていた75日線を突破してきたため、一段の上昇が期待できるかもしれません。
反面、年初来高値を更新していた日本製鉄(5401)が後場から急落したのが警戒され、神戸製鋼(5406)や中山鋼(5408)など鉄鋼株が軒並み売られています。
日本製鉄(5401)が急落したのは、上記のCB型新株予約権付社債の転換価格が調整されることがきっかけになったとみる向きもありますが・・・
鉄鋼株のスーパーサイクルが始まっているのなら、押し目買いのチャンスかもしれません。
しまむら(8227)が急落しています。
同社は1月の月次売上を発表し、既存店売上が前年同期比0.2%増になったものの、12月の3.9%増から大きく増収率が落ち込んだのが嫌気されたようです。
年明け後、気温の上昇が原因で冬物全般の動きが鈍くなったことが原因とのことで、同様に冬物衣料の販売低調が警戒されているアダストリア(2685)やユナイテッドアローズ(7606)なども軟調になっています。
同社は、米子会社のMGC社の収益性が原材料の高騰やインフレによる賃金上昇の影響により営業損失を計上することになったことから2023年3月期の見通しの下方修正を発表しています。
株価は、一時4%を超える下落になりましたが、下ヒゲの長い陽線で終わっています。
同社は業績悪化を一過性のものと見ていて、配当の減配もないようです。
売上はわずかながら上方修正していて、今後利益改善が進捗するかが注目になりそうです。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅続伸!
ギャップアップからスタートし、75日線(27184円)、200日線(27225円)を上抜いてきています。
しかしながら、RSIやストキャスティックスなどオシレーター指標が、かなり過熱しているのと、空売り比率も41.7%まで低下してきているのを勘案すれば、いったん調整があってしかるべしと思います。
後述する日本電産(6594)の下方修正が同社特有のものなのか、他の製造業にも共通することなのかも、確認すべきですし、米株決算の影響も注視すべきです。
じっくり、押し目買いの機会をはかるのが得策と思います。
【本日のトピック】
さて、23日の米株市況は、金利上昇の中の株価上昇となりました。
米市況はマーケットの正常化が進んできているといえ、「逆金融相場」→「逆業績相場」に移行してきていると思われます。
一部のメディアで「テック企業の大幅人員削減を悪材料出尽くしで好感」という論調もありましたが、ここからは、いよいよ決算の内容次第と言えると思います。
相対的に今回の米決算、特にハイテク企業は悪化すると言われていますが、実際に出てくる決算が市場予想と比べてどうなのかというのがカギになると思います。
市場予想より悪い決算が続けば、思わぬ下落になる可能性もありますし、総じて予想を上回る決算が続くようなら、欧州株のように戻りを試す展開になると思います。
ちなみに、米決算はティッカーANNUALREPORT(例えば、NFLX ANNUALREPORT)と検索すれば見ることができます。
DeepLなどの翻訳ソフトを活用して読んでみると、経営陣のコメントとかも読めて、理解が深まると思います。
日経平均は、昨年末のYCC上限拡大時の高値水準27270円を奪還してきました。
結果だけ見れば、YCC上限拡大で撤廃を匂わせて海外の円債ショートを呼び込み、今回の共担オペで実質緩和拡大→金利低下で海外投機筋を踏ませる形になりました。
「中央銀行に逆らうな」という格言通りになったということでしょう。
日本株は「業績相場」→「逆金融相場」に移行するのに、いったん「待った!」がかかったというところと思います。
しかしながら、ここまでは、あくまでショートカバー中心と思われ、ここからは、日本株も決算が吟味されると思います。
先ほど、発表になった日本電産の決算は、日本のEV業界のトップ集団を走る一角としては残念な結果になりました。
PTSでは、一時10%近くの下落になりました。
下期に「構造改革費用」を178億円計上するとのことですが、3Qから、すでに110億円を計上しています。
この「構造改革費用」の中身が決算資料のどこを見ても不明です。(永守イズムのガバナンス崩壊か?)
正直、安川電機の決算で、中国復活の兆しが見えただけに残念な結果です。
日本電産の決算は、日本の製造業に影を落とす結果になりましたが、日本電産一社でマクロの景気を計ることはできません。
日本株の動きも、しばらくは決算をふまえたEPS次第になるでしょう。
そして、2/10と言われる日銀総裁人事も注目されます。
個人的には、支持率低迷にあえぐ岸田首相が、安倍派を無視することはできないところまで追い込まれていると思いますので、緩和路線継続の雨宮副総裁ではないかと思いますが・・・
なにぶん、財務省の話だけはよく聞く首相なので・・・
当面短期売買に徹したほうがいいのかもしれません。