1月25日(水)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄1146/値下がり銘柄604
騰落レシオ(25日)113.04%
空売り比率 44.3%
売買代金
東証プライム 2兆5255億円
東証スタンダード 607億円
東証グロース 1851億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
前日、失速した日本製鉄(5401)に見直し買いが入り、神戸鋼(5406)やJFE HD(5411)、日本冶金工(5480)など鉄鋼株が全面高になっています。
大日本印刷(7912)が急騰しています。
英フィナンシャルタイムスが、アクティビストで知られる米エリオット・マネジメントが約3億ドル(約390億円)を投じて同社株を取得し、第3位の株主になったことを報じています。
エリオット・マネジメントは同社に、積極的な自社株買いや、不動産、持ち合い株の売却を要求しているようです。
先日もエリオット・マネジメントは米セールスフォース株を大量取得したことが伝わり、セールスフォース株は大幅高になりました。
それだけに、今回のニュースは好材料と捉えられているようです。
また、連想的に凸版印刷(7911)も買われています。
バリュー面では凸版印刷のほうが強いとの見方も多く、同社株もアクティビストに狙われても不思議はないとの見方があるようです。
少子化対策関連が物色されテノ.HD(7037)がストップ高まで上昇し、キッズスマイル(7084)も10%近い上昇になっています。
しかしながら、少子化対策の具体策が示されない中、業績にどの程度影響があるのかも未知数ですので、短期資金の物色と割り切る必要がありそうです。
AIソリューションを提供するpluszero(5132)がストップ高まで買われています。
同社は中期経営目標を発表していて、2026年10月売上を27.66億円(今期予想9.07億円)、営業利益13.84億円(今期予想1.59億円)を掲げています。
また、同社は、人間のように理解できる第4世代AIのAEI(Artificial Elastic Intelligence)の開発・普及を目指していますが、あらためて、その成長性への期待が強まったと思われます。
明日以降も見直し買いが継続するか注目されます。
反面、大幅な下方修正を発表した日本電産(6594)が、一時7%を超える下落に沈み、子会社のニデックオーケーケー(6205)も3Q累計が通期目標の進捗率54%に留まったことから6%を超える下落になっています。
両社そろって、下落率上位(ニデック3位、日本電産4位)に顔をだすことになっています。
ディスコ(6146)が反落しています。
同社は3Q決算発表と共に、未定としていた通期見通しも発表していて、2023年3月期の当期純利益が747億円になる見通しとしています。
コンセンサスの800億円を下回っていて、収益が鈍化しているのが嫌気されたようです。
半導体需要の回復が見通せないとして、東京エレクトロン(8035)やアドバンテスト(6857)など主力半導体関連も軟調な動きになっています。
【テクニカル分析】
日経平均は4日続伸!
ローソク足は「上放れ並び赤」に似た形状になっており、明日上寄りするようなら、更なる上昇につながります。
しかしながら、短期的には、かなり過熱もしていて、一部報道では、ドイツ銀行が大きく下落しているようです。
明日、仮にマドを開けてギャップダウンからスタートするようなら、アイランドリバーサルを形成する可能性もありますので注意が必要です。
【本日のトピック】
さて、ご存じのとおり、マイクロソフトが決算発表をしてきています。
決算発表直後の時間外取引は、4%ほど上昇するも、決算発表後のカンファレンスコール(決算説明会)で、12月にかけての業績の弱さやアジュールの利用料が鈍化、企業向けの案件で期待を下回ったことからマイナスで終了しています。
マイクロソフトはハイテク企業の中では優等生の部類と思われますが、一段の下落がありそうな状況です。
日本電産(6594)は、大幅下方修正を発表しましたが、PTSで一時10%近く下げたわりには、5%程度の下落で留まり、マーケット全体に悪影響が広がる形にはなりませんでした。
ただ、決算説明会での永守会長は「我々の業績が落ちたらほかの企業も落ちてくる」と述べ、この後に発表になる企業決算が悪いであろうことを示唆しています。
一方で、永守会長については、昨年から東洋経済やダイヤモンド等が、異様なガバナンスを指摘していて、優秀な人材が流出していることを報道しています。
(日本電産は事実無根と訴えを起こしていますが・・)
私も永守会長は好きな経営者で、彼の書いた本も何冊か読みましたが、今回の決算を関前社長のせいと言わんばかりの発言には少々失望しました。
おそらく、本日のマーケットは、「日本電産の下方修正は永守会長のガバナンス低下による(老害?)日本電産固有の問題である。」とみなしたため、他銘柄に波及しなかったものと推察されます。
ただ、そうは言っても「モーターは経済指標だ。モーターだけが落ちて他の部品が落ちないことはない。」という発言も非常に不気味です。
日米ともに、もうしばらく決算と株価の反応については注視したほうがいいと思います。