3月20日(月)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄93/値下がり銘柄1723
騰落レシオ(25日) 103.31%
空売り比率 46.7%
売買代金
東証プライム 2兆9764億円
東証スタンダード 992億円
東証グロース 1668億円
【恐怖指数】
Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
【業種】
【個別】
電池大手のマクセル(6810)が場中値つかずのストップ高比例配分になり、年初来高値を更新しています。
3/19の日経新聞が、同社が「産業機械向けに大容量の全固体電池を世界で初めて量産する」と報じています。
全固体電池はリチウムイオン電池の液体電解質を固体に置き換えたものです。
同じ大きさなら蓄電量を3倍に増やせ、発火の危険性も低いと言われています。
同社は「工場用ロボットだけでなく、ウエアラブル端末なども視野に入れている」とし、2030年度に300億円の売上を目指すとしています。
収益貢献への期待が強く、株価もしばらくは強含みそうです。
不動産テック事業を手掛けるLeTech(3497)が場中値つかずのストップ高比例配分まで買われています。
同社は、2023年7月期2Q累計の経常損益が4.8億円の黒字に浮上したことを発表すると共に、通期見通しの大幅上方修正を発表しています。
通期の経常利益は従来予想の3.3億円→7.1億円と2.2倍の大幅上方修正になっています。
不動産ソリューション事業で、投資用賃貸マンションなど不動産販売が好調で、3Q以降も順調に推移していることがうかがえます。
株価は調整局面から脱出する動きが見られ、この勢いがいつまで続くか注目されます。
夫人靴の企画・開発を手掛けるダブルエー(7683)がストップ高比例配分になるまで買われ、年初来高値を更新しています。
同社は2023年1月期経常利益が前期比5.1%増の10.8億円で着地したことを発表し、2024年1月期も前期比45.8%増の15.8億円に拡大する見込みであることを発表しています。
また、今期の年間配当は10円増配の35円になることも発表しています。
経済再開で外出機会が増え靴の需要が増えるという期待がある他、宣伝を強化した「跳べるパンプス」などの定番商品が好調に推移しているようです。
株価は、やや過熱感を帯びてきていて、ここからの一段高は微妙と思われます。
マンガアプリなどを配信するサーバーの開発などを請け負うLink-U(4446)が急反発しています。
同社は2023年7月期2Q決算を発表し、2Qとしては最高売上を更新したことを発表しています。
2Q累計の営業利益は2億2700万円で前年同期比2.2倍となり、通期計画2億5000万円に対する進捗率は90.5%になっています。
着実なMAUの積み上げを背景に、国内マンガ事業が好調に推移しているようです。
同社は1Qまで2桁減益で、一転、ポジティブサプライズになっていて、株価の一段高も期待できそうです。
液卵製造大手のイフジ産業(2924)が大幅高になっています。
同社は2023年3月期通期業績の上方修正を発表し、営業利益を従来見通しの13億3300万円→15億6400万円に引き上げています。
また、期末配当も18円→21円に増配し、年間配当も32円→35円になることを発表しています。
鳥インフルエンザの流行で鶏卵価格が上昇する中、販売価格の改定や工場の生産効率向上に努めた結果が、予想を上回る業績進捗に繋がったようです。
ローソク足は下影陽線を形成していて、一段高も期待できる動きになっています。
【テクニカル分析】
日経平均は大幅反落!
寄り付き後、昨日の高値を上抜ける局面がありながら、200日線(27362円)で頭を押さえられ、その後75日線(27242円)も下回る上髭陰線を形成しています。
リバーサルハイからのスラストダウンとなり、売り圧力が強いことを示しています。
3/21の16:30のCFDは反発し、27176円 +230円になっています。
今晩のFOMCの結果を踏まえた米株の動き次第と思いますが、現状75日線も回復できておらず、上値は重い動きになっています。
【本日のトピック】
さて、ご存じの通り、19日の日本市場が始まる前に、UBSがクレディスイスを4200億円で買収というニュースが飛び込み、とりあえず最悪の事態は避けることになりました。
(G-SIBsに指定されるクレディスイスが時価総額4500億円の京都銀行以下で買収されたことになります。)
しかしながら、クレディスイスのAT1債が全損扱いになることが報じられると、マーケットは、あらためて動揺を見せる動きになりました。
AT1債自体は、日本の地銀はほとんど保有していないようですが、CoCo債などハイブリッド証券で運用する投信などは数多くあるようです。
t.coCoCo債も、今回のAT1債同様に突然死をヘッジする方法はありません。
今回は株式は無価値化せず、債券が無価値化したわけですので市場に動揺が走りました。
債券より株式が先に損失を被るという大前提が崩れたわけですから無理もありません。
昨晩、欧州当局が事態の沈静化のために上記の声明をだしています。
株は反発し、すこしだけ、落ち着きを取り戻したように思いますが・・・
こうなってくると、いよいよ今晩のFOMCと翌日のパウエル議長会見が注目されます。
FED Watchをみると、3月は0.25%の利上げを織り込んでいて、6月には利下げに転じることを示唆しています。
過去の暴落局面は「利下げ期」に起きています。
景気後退に陥り、慌てて利下げするときが暴落のピークになっています。
過去と同様に、利下げされるまでの数カ月で、金融不安がさらに広がる動きになるのか、FRBの手腕が問われる局面になりそうです。