3月28日(火)
【相場概況】
東証プライムの値上がり銘柄684/値下がり銘柄1046
騰落レシオ(25日)112.96%
空売り比率 41.8%
売買代金
東証プライム 2兆3613億円
東証スタンダード 868億円
東証グロース 2047億円
【恐怖指数】
【業種】
【個別】
破綻したシリコンバレーバンク(SVB)の買い手が決まったのを受けて、米国市場では地銀を中心とした銀行株が急伸しています。
日本でも、三菱UFJ(8306)や三井住友(8316)、みずほ(8411)などメガバンクが買われ、第一生命(8750)や東京海上(8766)など保険株も物色されています。
金融不安は一段落したようですが、今後は金融株においても選別物色されるとの見方もあります。
INPEX(1605)が買われています。
原油が5%を超える反発になり、同社の他、石油資源開発(1662)やコスモエネルギー(5021)、出光興産(5019)などが物色されています。
米欧の金融不安が一段落し、リスク資産の原油に資金が流れたという観測と中国の経済再開、米国の夏場のドライブシーズンに向けた製油所の稼働率の上昇などが原油の上昇の背景にあるようです。
原油の上昇はインフレのバロメーターでもあるため、今後の値動きに注意が必要です。
IOTインテグレーション事業を手掛けるエコモット(3987)が場中値つかずのストップ高比例配分になっています。
同社は積水樹脂(4212)と資本・業務提携契約を締結すると発表しています。
業務提携により、製品の共同開発を行い、同社のコンストラクションソリューション事業の販路拡大によるシナジー効果が期待できるとのことです。
資本提携については、積水樹脂が同社株を発行株式総数の5.02%にあたる260100株を、立会外分売及び市場買い付けにより取得するとのことです。
安値圏でもみ合いになっていた株価の刺激材料となり、目先は3/7の戻り高値643円が意識される動きになりそうです。
中小企業のM&Aによる事業承継や再生コンサルを手掛けるセレンディップ・ホールディングス(7318)が場中値つかずのストップ高比例配分になり、年初来高値を更新しています。
同社は、同社の子会社である天竜精機がフッ素フィルムを用いたアンテナ一体型高周波伝送路を世界で初めて開発したと発表しています。
送受信アンテナと一体化することにより、伝送路とアンテナ接続部分の伝送ロスを下げ、伝送効率を一層高め、薄型化しています。
今後は6Gなど高周波帯にも対応した伝送路を開発し、車載ネットワークサービス用高周波信号線の置換やサーバー用伝送路の置換など開発を進めていくとのことです。
株価は1年4か月ぶりに1000円大台復帰になっていて、勢いがどこまで続くか注目されます。
ゼネテック(4492)がストップ高まで買われています。
岸田首相は、27日の参院予算委員会で、物流業界の運転手不足が深刻化する2024年問題に対応するため、近く関係閣僚会議を開催する方針を明らかにしました。
これをふまえて、同社の3次元シュミレーションソフト「FlexSim」が注目を浴びています。
「FlexSim」は生産ラインや物流現場、医療現場などのレイアウトを見やすい3Dモデルで簡単に作成し、現状の分析から課題を発見できるソフトです。
同ソフトは、プログラム技術が不要なローコードで複雑なレイアウトを再現でき、多層階の施設もリアルに再現が可能なようです。
株価は中期下落トレンドからのトレンド転換をしてきていて、しばらく人気化する可能性もあると思います。
【テクニカル分析】
日経平均は小幅続伸!
引き続き、5日線(27453円)にサポートされる形で下値を切り上げる「アセンディングトライアングル」を継続しています。
頭を押さえている25日線(27598円)水準は、これまで何度も上値を抑えられる抵抗帯であり、仮にこの水準を上抜けることが出来れば、ショートカバーも呼び込み一段高が期待できると思います。
しかしながら、明日抜けきらず権利落ちを迎えることになれば、一旦下落トレンドを形成する可能性も十分あり得る水準です。
いずれにしても、持合いからのトレンド形成になるため、勢いがつく可能性が高く、海外市況も含めて、しっかり見極める必要があると思います。
【本日のトピック】
さて、経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)はファースト・シチズンズ・バンクシェアーズにより買収されることが決まりました。
ファースト・シチズンズの本拠地はノースカロライナですが、同州とカリフォルニアは、自然が多く、主要産業が金融、医療、情報技術、農業などと共通点が多く、歓迎する向きが多いようです。
金融の比率が高く、ここもと売り込まれていたラッセル2000が、ひとまず底入れし、退避資金の受け皿となっていた大型グロース株の比率の高いナスダックが弱含んでいます。
とりあえず、マーケットを震撼させていた金融危機も落ち着いたようです。
SVB破綻後の1週間でトップ25行の地銀の資金流出額は約120Billion㌦に過ぎず、ワシントンポストが報じた約550Billion㌦の1/4以下の数字になっているようです。
ハードランディングを予想していたアナリストは地銀の連鎖破綻を危惧していて、550Billion㌦近くの資金流出を想定していたようですが、とりあえず最悪の事態は避けられそうです。
金融不安が沈静化すれば、リスクマネーは市場に戻ってくるでしょう。
しかしながら、中小銀行から大手銀行にシフトされた預金は戻りにくく、スタートアップへの投資は減少するかもしれません。
日本でも、一部CoCo債が全損になるなど、一部投資家は損失を被っているようですが、経済に与える影響は限定的なようです。
金融不安の次は不動産不安が訪れると予想する向きもありますが、それには、タイムラグがあると思います。
目先的には、マーケットの関心は、徐々に企業業績に移ってくるでしょう。
とりわけ、半導体業界の動向は重要視すべきでしょう。
上記のように、SOX指数はS&P500の先行指数と見る向きもあります。
以前紹介したDRAM価格の推移を集計しているDXIインデックスも上向きになってきています。
半導体業界の復調には期待したいところです。
さしあたって、3/28のマイクロンテクノロジー、3/30のマルマエ(6264)の決算は要チェックと思います。